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りあダン! 現実世界にダンジョンが?!  作者: 大道寺 禅
ダンジョンに適応する日本
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第二百六十四話 迫るその時 トレーニング!

累計PV数456万突破、感想数290件突破突破しました!

これも皆さまからのご愛顧の賜物です。

これからもりあダンをよろしくお願いいたします!

 師走も近くなってきた頃、優太は自宅の店の前で、早朝だと言うのにジャージ姿で外に出ていた。下に着こむ肌着は体温調節機能はない普通の肌着だ。12月に入り始めた今では寒い。だがだからこそ意味がある。


「さてと……そろそろ例のあれも大分近くなってきた事だし、自分の身体の錆くらいは自分で取っておかないとね!」


 優太はそう自分に言い聞かせるかのように声を張り上げていた。

 現在早朝5時である。朝早いと言われても仕方ないレベルではある。でもだからこそ優太は寒さを跳ね除け叫ぶのだ。大抵の精神力では捕らわれてしまうであろう温かいベッドの温もりを跳ね除けるように。


「よっし、秋彦からもらった自己鍛錬プログラムに沿って、頑張ろうかな!」


 そういうと優太はまず最初にストレッチを行い体を温める。兎にも角にも柔軟体操を以って体をほぐさなければ始まらない。体は温まり切らないものの寝起きで硬くなった体をほぐすには十分だ。それを確認した上で改めてトレーニングを開始する。

 まず最初に行うのはランニングだ。ストレッチでは温まり切らない身体を有酸素運動をもって体を温め切る。それによって次に続く運動の効率を最大限にあげるのだ。

 そうは言っても優太は探索者だ。いくら魔法力重視の能力であってもただのランニングでは何時間走り込もうとも体力増強にはならない。

 なので秋彦は全身にアダマンタイトを括り付けることで負荷を強めるプログラムを優太に伝授していた。

 秋彦のプログラムによると、アダマンタイトを総重量何と1t全身に装着してのトレーニングという冗談の様な重量が課されている。


「すっすっはっはっすっすっはっはっ……流石にこの重さだと町内三周でもきついなー、秋彦なら倍以上の重さで挑んでいるのかな?」


 普通の人間なら冗談としてやろうともしないだろう。だが優太はそれを体に負荷を感じつつもこなせていた。

総重量1t以上と言う人間が持てるレベルではない重量も優太レベルの探索者であればそこそこの負荷程度の物だ。

ちなみに言うとかつてのオリンピックにおける体重105㎏超えのダンベル上げの歴代最高重量は473㎏である。優太が鍛えるべく全身に装着している錘の半分未満という恐るべき状態だ。

 そうして負荷1tを課された状態でのランニングをたっぷり一時間かけて行い優太は商店街近くの公園へやってくる。次なるトレーニングの為だ。


「次は筋トレか、よーしやるぞー!」


 そういうと優太は筋トレを行い始めた。様々な部位を鍛えるトレーニングだ。こちらも先ほどの重量の錘を付けたままである。こちらは大体30分で終了だ。だが筋トレ30分継続と言うのは錘が無くてもなかなかきついものがあり流石に体は汗だく、体も疲労してくる。

 とりあえずランニングの有酸素運動と筋トレの無酸素運動はあらゆる運動の基本である。それはつまり戦闘の基本にもなると言う事だからと言う理由で秋彦のトレーニングメニューに採用されている。


「はぁ……はぁ……やっぱキツイけど、1tを一時間半持ちっぱなしでいられるなんてなぁ。普通はまず持っていられないはずなのに」


 自分の身体能力の向上に驚きを隠せないがとりあえずトレーニングを続ける。

 次のメニューはダッシュトレーニング。素の状態、あるいは武器を構えた状態から前方へダッシュする瞬発的な無酸素運動である。

 優太の場合は重い武器を持って戦うタイプではないので瞬発的な機動力に重点を置いた方が実戦でも役に立つだろうと言う魂胆から来るものである。

 ここでも相変わらず錘は持ちっぱなしである。こちらも30分丸々行う。


「つ、疲れた……でも最後のトレーニングまで来たぞ……」


 最後に魔法力を高めるトレーニングだ。

公園のベンチに座って瞑想をしつつ、自らの魔法力を練り上げる。優太にとってはこれが一番本命の修行であり、魔法使いにとって最重要の修行だ。

 この練り上げを早く、強大に行えるようになればより早く、より強い魔法が放てるようになるからだ。

 腹から魔法力を全身に行き届けさせ再び腹へと戻すを何回も何回も繰り返し行う。こうすることで魔法力が高まり、強力な魔法を放つ下準備が出来るのである。それは接続者として強大な魔法力をどこかから引っ張って来れるようになった今でも変わらない。

 むしろしっかり練り上げれば練り上げる程魔法力をどこかから引っ張って来れる量が大幅に上がるので、むしろ以前よりもより重要になったとさえいえるだろう。

 こちらのトレーニングを行えばもう8時。まだまだ魔法石でテレポーテーションを使えば遅刻はしない時間だ。


「あー、疲れたー……でもゆっくりしてらんないね。早くシャワーとご飯を済ませなきゃ!」


 ささっと家に戻って急いでシャワーを浴び、優太の母が用意した食事を呑み込めば登校には十分間に合う時間だ。

 今日から始めたこのトレーニングであるが本来の目的に加えて割と鍛えられている感じもある。最近赤龍でひたすら鍋を振っているだけだった今の優太にはちょうどいい身体の錆取りと言えるだろう。

 ちなみにこのトレーニングは秋彦が他のレインボーウィザーズのメンバー全員にこうした方がいい、ああした方がいいというトレーニングメニューをある程度考えてここに渡している物だ。恐らく行う時間帯こそ違えどそのメニューに沿って体を鍛えているはずだ。

 だが昨今の探索者だったらこんなことをするよりもダンジョンに潜ってレベルが上げていく方が余程に効率いいし、何より簡単で早い。それは他ならぬ秋彦や優太がよく知っているはずだ。

 ではなぜ今優太が、秋彦が作ったプログラムに沿ってわざわざ常人の様な運動を尋常ではない負荷をかけてわざわざ行っているか。

 それは数日前に話題に上がったとある話がきっかけだった。

皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります。

これからも評価、ブックマーク、感想など、皆様の応援を糧に頑張って書いていきます。

次の投稿は2月13日午前0時予定です。

よろしくお願いします!

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