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りあダン! 現実世界にダンジョンが?!  作者: 大道寺 禅
ダンジョンに適応する日本
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第二百四十六話 友人と立ち話

累計PV数424万突破しました!

これも皆さまからのご愛顧の賜物です。

これからもりあダンをよろしくお願いいたします!

「おお……これが【狂怨呪骨-狂呪骨を超える呪骨の神秘】と【秘伝! 竜骨加工】か! レベル18以上からの骨加工スキルのレシピ本……はー! ついに俺の手に!」

「その二つがあればこの前の地方都市奪還作戦で手に入れたグレイトアンデッドドラゴンの骨の加工が楽になるんだろう? じっちゃんも伝手を辿って探し回った甲斐があるってもんだ」


 秋彦はレシピ本を手に取って感動していた。秋彦が立松に依頼して調達してもらった二冊の本はまだ世にあまり出回っていない生産スキルが高レベルになってから使うレシピ本であり、数も少ない事から希少価値の高いレシピ本だからだ。

 狂怨呪骨-狂呪骨を超える呪骨の神秘と秘伝! 竜骨加工。もはや言うまでもないだろうがグレイトアンデッドドラゴンの骨で作れるレシピが書いてあり、加工する際に加工を助けてくれるものだ。今までもグレイトアンデッドドラゴンの骨を加工してはいたが、おっかなびっくりだったし、加工した結果エライ事になった事もあって消極的だったグレイトアンデッドドラゴンの骨加工が、ここから更にはかどるようになると言う物である。


「ありがとうじっちゃん! いくら?」

「二つ合わせて800万だね」

「うへぇ……本二冊が800万、金銭感覚壊れるわ……はい!」

「今更何言ってんだい。ん、確かに」


 言い渡された金額のでかさに眩暈がしそうになるが、すでに装備に何千万単位でつぎ込んでいるのだ。正直今更である。

 手早く会計を済ませてしまう。秋彦はマジックバッグから札束を8つ取り出し立松に渡す。そして立松はレジの隣にある紙幣計数機にかけて金を数え上げ、間違いない事を確認した。


「よし、800万、確かにあるね。じゃあそれは持って行っていいよ」

「はいよー、ありがとー!」


 レシピ本をマジックバッグの中に入れる。


「じゃー俺はこの辺で。ありがとなじっちゃん!」

「毎度―、また来てくれよー」


 立松は秋彦が欲しいレシピ本があるとすぐに探し出してきてくれるすごい人物だ。伊達に本屋一筋で生きていた人間ではないらしく、横つながりもかなり広い様だ。秋彦にとってはありがたい限りである。

 そんな立松古書店を後にした秋彦。ここからは完全にノープランなのだ。


「さて、次はどこ行くかね……お?」


 とりあえず商店街の中心辺りにでも戻ろうかと思った時、秋彦は商店街の外側に見慣れた人物が歩いているのを見かけて、思わず声を掛けた。


「おーい! 真崎―!」

「あ、秋彦! どうしたの?」

「いや、友人をたまたま見かけたから声掛けただけですが。それ以上の理由要ります?」

「……ないっすね」


 一呼吸おいて二人とも笑い合う。

 何でもない会話だが、こんな他愛ない事で話が出来るのは優太以外では非常に新鮮だった。


「そういえば仲町商店街近くだったね。古書店から出てきたように見えたけど」

「おう、本の売買もやってるからなここ。いいレシピ本の仕入れもやっているんだ。で、これを手に入れたのさ」


 秋彦は意気揚々と先ほど手に入れたレシピ本を見せつける。真崎は仰天していた。


「うお! 高レベルの骨加工スキルのレシピ本か! 本当によく買うな……」

「俺は職人としても期待されているからな!」

「期待どころかすでに有名人だっつーの。グレイトアンデッドドラゴンの骨を買い取った事も相まって早くも戦闘力100万越えの装備が出来るんじゃないかって期待されてるしな」

「おおう……まあ頑張るよ。今まで指輪とか作ってたけどこいつのおかげで加工もしやすくなるから武器でも作ってみるかな?」

「その時は、是非僕の刀を作ってもらいたいね」

「まあ脇差でいいなら作ってやるよ。爺ちゃんの形見の刀はやっぱり主軸で使っていきたいもんな」

「当然だよ。わかってるじゃん」


 ふふんと誇らしげに鼻の穴を広げる。


「で、お前どうしたの。ここが地元ってわけじゃないのに」

「僕? 僕は近くの剣術道場で出稽古だよ。最近は教えに来てくれっていう依頼も多くてさ。まあ今は帰りなんだけど」


 言われて真崎の格好を見て見れば、今の真崎は剣道着姿であり、面と胴が仕舞われている袋を竹刀に吊るして竹刀を肩に担いでいた。

 よくよく見ればいかにも出稽古帰りと言った感じであった。


「ジジイ……僕の祖父が死んでからすっかり祖父の道場さみしくなってたから、また来てくれる人たちを探してたんだけど、僕が剣教えるようになってからすっかり道場パンパンでさ。入門者探しで縁が出来てから別の道場からも教えに来てほしいって話を結構もらうようになってるんだよ」


 ああ、と言って秋彦は思い出した。

 真崎の実家の道場を経営していた祖父は日本魔物大氾濫の際に亡くなっており、そこから魔物達との戦いを始めたいきさつがあった事を思い出した。

 辛い思いを忘れずに、それでいて少しは前に進もうとしているのだなと秋彦は嬉しく思った。


「ほーん、そりゃお疲れ様だな」

「秋彦にも槍を教えてほしいって人随分いたって話は聞いたけど、秋彦が嫌がっていることを僕は積極的にやってるってだけ」


 そういわれて秋彦は露骨に嫌な顔をする。

 日本から氾濫で外に出た魔物達がいなくなってからしばらくは本当にいろいろな人に追いかけられた。

 今でもそうなのだが、当時の勢いはすさまじいものがあり、完全な一般人であり、レベルも1とかそのレベルの人たちの集団で、秋彦なら蹴散らそうと思えばいくらでもできるような存在だと言うのに思わず秋彦が逃げる程度には圧がすさまじかった。

 その中には自分に槍を教えてほしいという人たちや、同じ槍使いとして勝負してほしいと言う人も結構いたのだ。勿論逃げたが。


「うへぇ……よーやるわ。あんなに人だかりになって教えろ教えろ言われたら俺のメンタル持たねーよ。そもそもスキルで槍の扱い学んで鍛えたから教えられるような物持ってねーし。教え乞う前にダンジョン行ってレベル上げろって話だしな」

「ははは……そりゃそうなんだけど子供の頃から剣術やってきた僕からするとすっごく複雑だよその言い分」

「つってもなぁ。俺だって子供の頃からやってた空手がダンジョンウォッチで調べたらレベル2にしかなってなかったんだぜ? なんだそりゃあって話じゃねーか」

「あー……あれは確かに俺も始めてみた時は脱力感半端なかったわ……ジジイのしごき10年そこらがそんなもんかって思ったらな……」

「口調荒くなってんぞ」

「おっといけない」


 秋彦に指摘されて真崎は慌てて自分の口をふさぐ。

 真崎はかつて荒くれのようだった自分を諌めるためになるべくおとなしい口調にしているが、たまに本来の自分が出てしまうのだ。


「じゃあ僕はこの辺で。またね!」

「おう! またみんなで赤龍行こうぜ!」


皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります。

これからも評価、ブックマーク、感想など、皆様の応援を糧に頑張って書いていきます。

次回の投稿は2021年1月18日午前0時予定です。

応援宜しくお願い致します!

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― 新着の感想 ―
[一言] 対人限定技能扱いだから総合評価でそんなもの扱いになった可能性を推します<レベル2
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