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りあダン! 現実世界にダンジョンが?!  作者: 大道寺 禅
地方都市奪還作戦 本戦開始!
221/385

第二百十八話 終わりの始まり 一進一退!

累計PV数367万突破しました!

これも皆さまからのご愛顧の賜物です。

今日からシルバーウィークと言う事で、急遽予定を変更して4日間毎日投稿します!

これからもりあダンをよろしくお願いいたします!

「うおおおおおお! もう時間稼ぐどころか俺らだけでなんとかする勢いで戦うぞー!」

「紫の水晶を探せ! ダウンを取るんだ!」


 大声を上げながらアンデッドドラゴンへ向かう探索者達、しかしアンデッドドラゴンも自分にほんのわずかにとはいえダメージを与えた敵を放置しておくつもりはないらしい。

 アンデッドドラゴンが体を振るわせる。濡れた犬が自分の身体についた水を体から飛ばす時の様だ。

 しかしアンデッドドラゴンが体から飛ばしてきたのは当然水分ではない。

 体から飛ばしてきたのは自らの肉体。すでに腐食しきって液状化しかかった腐肉である。一見すると何でもない嫌がらせ効果のようにも思えるが、こんな化け物がそんなせこい事をするわけもなかった。

 飛ばされ落ちた腐肉はいびつな足と手をゲル状の身体から生やし、空洞でかたどられた顔までも生み出した。それはパッと見ただけだと人間の頭に顔と手足が生えたような風に見える、非常に醜い人間の顔の模倣だ。

 その魔物の集団が一斉に探索者に襲い掛かる!


「げ! 来たぞ!!」

「数には数をってか!? しかもあんな見た目でなんか強そうだぞ?!」

『……二手に分かれろ! 腕に自信がない者は雑魚魔物を倒せ! 自信があるやつはアンデッドドラゴンの紫水晶を探せ!』


 本部からの指令を受け、素早く二手に分かれる。レインボーウィザーズやモンスターキラーズの前衛は言うまでもなくアンデッドドラゴンに向かう。

 通り様に邪魔になる雑魚を倒す、が、一撃とはいかず数手時間を割いてしまった。

 どう考えても相手の時間稼ぎの為に即席で用意したような感じなのに、その実力も割と強いと言うのが屈辱的だ。こんな程度の敵は一撃で処理して先に進みたい所だというのに、二撃も三撃も相手をさせられてしまっている。

 さらに、アンデッドドラゴンが動くたびに足止めにもなってしまう地震が起こることも相まって非常に厄介である。地震で身動きが取れないところにこの雑魚魔物から攻撃をされれば、数撃での処理どころか探索者側にもダメージが行きかねない。

 まずはアンデッドドラゴンの足を止めなければ。


「クソッ! 龍ちゃーん!」


 このまま地を這って進んでも埒が明かないと判断した秋彦は、バッグから龍の角笛を取り出し、思いきり吹き鳴らした!

 するとすぐに龍之介が空を飛んで現れる。秋彦が作った龍の角笛が初めて役に立った瞬間である。


「はい! 乗って!」

「サンキュー! あいつの頭まで送ってくれ!」


 低空飛行をして来たタイミングを見計らって秋彦が跳んで龍之介に飛び乗る。

 流石に空中なら地震も影響がないし、雑魚魔物も翼を持っていないので邪魔も入らないだろうと言う判断だ。

 これならいけるはず、そう思っていたがやはりそう簡単にはいかない様だ。

 アンデッドドラゴンが巨大な咆哮を上げ、口を大きく開けて初撃の巨大レーザービームを発射する準備を始めた。狙いは顔が下ではなく上を向いていることから秋彦達だろう。顔の近くを飛び回るのがよほどに腹に据えかねたらしく、アンデッドドラゴンはたった一人と一匹の為に大技を繰り出そうとしているらしい。

 しかしそれは探索者達にとっては都合がいい。何せレーザービームの準備をしているときは相手の進撃は止まる。つまり相手がビームを打とうとする用意時間は丸々地震が起きない時間であり、時間稼ぎとして成立する時間だ。

 地震と雑魚魔物のコンボが無ければ雑魚魔物だけはこの隙に一掃できるだろう。しかしそれはアンデッドドラゴンの巨大レーザービームを秋彦達は何としてでも避けきらなければならないと言う事でもある。


「龍ちゃん! 相手こっち狙ってきてるぞ! 周りに被害が出ないように上空を旋回して逃げ切れ!」

「任せて! 避けきるから!」


 覚悟を決めた秋彦に勇ましく答える龍之介。顔の近くからつかず離れずの位置を保ちながら挑発を兼ねた旋回を続ける。

 枝野から通信が入る。


『もうすぐで紫水晶の解析が終わる。そのデータと照らし合わせれば紫水晶が体のどこにあるかもわかるようになるぞ。そして秋彦君、発射のタイミングも解析装置で把握している。後一分でそのビームは発射されると予想される、気を付けてくれ!』

「了解です。魔力感知でもタイミングはつかめますが、装置でもわかるならありがたいですね」


 などと軽口を叩いてみるが、内心秋彦の心臓はいまだかつてない程に早鐘を打っている。

 さっき一度見たあの極太のレーザービーム。あれは湿原を焼き払って灰の荒野にしたばかりか山をいくつか吹き飛ばしている。まともに喰らえばいかに秋彦と龍之介とて命はないだろう。そんなものを躱せというのだから恐ろしくない訳がない。

 だが、先ほどと同様ピンクの光は膨らんでいき、間もなく発射という所まで迫って来ていた。もはや今更勝負を投げ出すことなどできない。


「いいか龍ちゃん、アンデッドドラゴンの玉を軸に大きく円を描くように躱すんだ。たぶんそれで行けるはず。最初の出どころだけ気を付けるんだ」

「わかったよお父さん、いよいよ勝負だね!」


 粗方雑魚が掃討され、再びアンデッドドラゴンへの突撃が再開されている地上と違い、空中では緊張感が場を支配していた。

 そしてその緊張感は、アンデッドドラゴンのレーザービームが放たれることで爆発した!


「うおおおおお! いけ龍ちゃん! 躱せーーー!」

「うわああああああああ!!!」


 勇ましく答えた龍之介もいざレーザービームが放たれればすっかり半泣きである。自分をたやすく消し飛ばすであろう一撃が紙一重のところを通り抜ければ当然と言えるかもしれないが。

 必死に飛び回る龍之介、出かかりを外したレーザービームは龍之介を追いかけるように後を追うが、秋彦の指示通りに光線の発生源である玉を軸に光線から大きく円を描くように逃げる龍之介にはどうしてもあと一歩追いつけなかった。これは秋彦が好きなシューティングゲームから着想を得たものだが、ここでも無事に通用したことに回避中の秋彦は安堵していた。

 そして、ピンクのレーザービーム、触れた物を残酷に冷酷に消し飛ばす光線は、空中を飛び回る龍之介にとうとう追いつけないままにエネルギーが切れて消えた。

 それを確認した後、秋彦は思わずガッツポーズをし、龍之介は思わず胸をなでおろした。


「よっしゃー! 躱し切ったー!」

「よ、よかった生きてたー!」

『よし! こちらも解析が終わった! 紫水晶は現在尻尾の付け根にある!』

「おおっと、そちらも終わったんですね! 了解しました!」


 そして本部からの連絡を貰い、アンデッドドラゴンに攻撃をするべく空を飛んで尻尾の付け根に向かい飛んでいく。まだまだ戦いは始まったばかりだ。


皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります。

これからも評価、ブックマーク、感想など、皆様の応援を糧に頑張って書いていきます。

次の投稿は9月20日午前0時予定です

よろしくお願いします!

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