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りあダン! 現実世界にダンジョンが?!  作者: 大道寺 禅
地方都市奪還作戦 本戦開始!
194/385

第百九十一話 地方都市奪還作戦、陽動班、従魔達大活躍!

累計PV数314万突破しました!

これも皆さまからのご愛顧の賜物です。

これからもりあダンをよろしくお願いいたします!

「うおおお!!!」

「ぐわあああ!!」

「よっしゃああ!!」


 雄たけびを上げながら衝突を繰り返す魔物と探索者。互いがぶつかるごとに火花が飛び散り、血液が空を舞う。

 誰かが苦痛に悲鳴を上げれば、誰かが打ち取った喜びをあらわに叫ぶ。

 潜入工作班が潜入を開始してしばらくが経過した現在、都市部の端では大激戦が繰り広げられていた。

 こちらは現在、潜入工作班が動きやすくする為に、敵の陽動を行っているところである。

 環境結界と言う魔物にとっての強化、人間にとっての弱体化があって、今まで地方都市奪還作戦において魔物は一方的に狩られるだけだったが、ここに至って初めて対等に戦いを繰り広げていると言っていいだろう。

 元は平均戦闘力5,000の魔物が平均戦闘力25,000の探索者を相手に激戦を繰り広げているのだ。結界の能力は並ではないどころか凄まじい物があると言えるだろう。

 その均衡は今だけであるとしても、死なない様に立ち回る探索者側にとってはなかなかに辛いものがあると言えるだろう。

 この均衡はいつ終わり、自分達の優位が戻るのか。結界が解除されたと言う一報が、ギルドマスターを始めとした探索者達にはとても待ち遠しかった。

 だが、そんな中で彼らだけは例外と言えるだろう。

 彼らはこの魔物の力を強化し、人間の能力を弱体化させる結界の中で、非常に楽しそうに戦っていた。


『ガオー! ふっとべー!』

『焼き尽くすのです! えいやー!』

『我らは負けない! ここで終わりにして差し上げます!』

『焼き尽くしてあげるのよ! ルビービィィーム!』


 元気に戦っていたのは秋彦達の従魔達である。

 そこにあったのは秋彦の従魔である龍之介がドラゴンブレスを吐きながら空を舞い、炎を纏った優太の従魔であるコロナが敵に飛び掛かって喉元に噛みついて焼き尽くし、ジュディの従魔であるエリザベスが敵を自慢の角で突き倒し、桃子の従魔であるルビィが熱線を浴びせて敵を焼き殺している姿である。

 秋彦達もこの大活躍ぶりには驚いたが、どうやら秋彦達の従魔だけでなく、他の人たちの従魔もこの結界の中で大暴れしていた。

 どうやらこの結界、魔物の強化は従魔であっても関係なく強化してしまう上に、人間ではないので探索者達の弱体化には引っかからないのである。

 従魔と言うのは基本的に主人以上の戦闘力にはならない物である。それはダンジョンウォッチの説明でもしっかりされていた。

 だが今は、今だけはこの結界の魔物の強化と人間の弱体化の相乗効果によって、今だけは従魔と主人の戦闘力が逆転するという状態が発生している。

 元はと言えば龍之介が勝手に結界の中に入って大暴れしたことで発覚したことなのだが、とにかく今、探索者側は緊急的に従魔持ちの探索者を招集し、従魔隊を結成。従魔を筆頭に都市部の魔物と戦っている状態だ。

 従魔も従魔で、自分達がお荷物で終わらなかったどころか、レベルアップの機会を与えられた事で、それぞれ気合を入れて戦っていた。

 そして事実、それぞれの従魔達のレベルアップは急激な速度で進んでいた。

 その加速度は凄まじく、誰もかれもぐんぐんレベルが上昇し、魔物の肉が進化素材である魔物は勝手に進化までしてしまう程だった。

 主が装備を新調したことで従魔の成長限界が上昇したことも大きな要因だろう。そうでなければどこかで成長が止まっているはずだ。

 その頼もしさは、はっきり言って誰もがこう思ったほどである。

 この暴れぶりならば結界解除などと言う小細工を弄さずとも攻略できたのではないかと。

 勿論、この後ボスチェンジを控えているのにそれはあり得ない。後顧の憂いを断つためにも、今ここで優位であろうとも結界の解除は必須である。

 とはいえ、結界内では人間側の消耗は激しい。探索者達の疲労の色も濃くなっては来ているが、ここで退くわけにはいかない。

 疲れが目に見え始めてきた探索者。それを見た龍之介が声を掛ける。


『皆頑張ってー! えーい!』


 声を掛けると同時に龍之介が体を震わせる。すると探索者達の身体を白い膜の様な物が覆った。その膜は不快な物ではなく、むしろこの結界の悪影響から多少身を守っているようにも感じられる。

 その証拠に、多少動きやすくなっている。


「りゅ、龍ちゃんこれ何!?」

『んーっとね、龍ちゃんのパワーを他の人に少し貸してあげるの! さっき出来るようになったんだ!』

「そ、そうなんだね! すごいぞ龍ちゃん!」

『わーい! 褒めて貰っちゃった!』


 無邪気に報告する龍之介。要するにレベルアップによる新しいバフ能力の様だ。

 今はまだ検証したりステータスを見る余裕はないが、このタイミングで新しく習得したこのスキルは、今のこの戦いにおいてとても役に立つのは間違いないだろう。


「よし龍ちゃん! この調子でもう徹底的に鍛えあげちゃうぞ!」

『ハーイパパ! 龍ちゃん役に立つからねー!』


 龍之介が新たに目覚めたスキル、これをもって少し探索者側の旗色がよくなってきた。結界が解かれ、探索者側の一転攻勢が始まるのは、もう間もなくである。


皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります。

これからも評価、ブックマーク、感想など、皆様の応援を糧に頑張って書いていきます。

次の投稿は7月8日午前0時予定です。

よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] ドラゴニックなパワーでステ底上げか環境スリップ耐性付与的な奴かな? どっちにしろこれを複数の味方に付与できる時点で後の人権ランキングに乗りそう……w
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