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第十八話 開戦

累計PV40000突破、ブックマーク数が350を突破、そして累計評価ポイントが1000pt突破しました!

今日もブックマークと評価を頂いたことで、週間ランキングローファンタジー部門で13位でランキング順位を更新しました!

更に、月間ランキングローファンタジー部門でも50位でランキング順位を更新しました!

皆様のご愛読、誠にありがとうございます!

「皆さん、お待たせしました。まもなくファッションショーの始まりです」


 場がどよめく。とうとう時間の様だ。つい数日前までダンジョンに潜っていただけの一般人がファッションショーというのだからどよめきもすると言う物だ。

 そのうちの何人かが雨宮に質問をする。


「雨宮さん。私たちは完全にこういうことはど素人なので聞きたいのですが……ファッションショーで私たちがやる事って、あの真ん中のとこに歩いて行って、ポーズして帰ってくるのでいいんですよね?」

「ええ、それで大丈夫です。それと、別口でモデルさんもいるので極力氾濫の事はこの控室以外では言わないでください。今回のファッションショーは大本のコンセプトはファンタジーと武器、ですが、さらに細かいコンセプトに合わせて音楽や照明といったものを変えていきます。和風、中華風、ギリシャ風、西洋風のグループごとに分かれていて、この順にお呼びしていきます」

「わかりました。では得物を頂けますか?」

「はい、では出演いただく順にお渡ししていきますね。武器についてですが、流石に刃の付いている物は入手が難しくてですね、用意できませんでした。鉄製ではあるのですが、刃引きしてある物になります」

「……分かりました」


 順々に武器、の形をした鉄の小道具を渡されていく。秋彦は早くに武器を受け取り、後半になって優太も武器を受け取る。

 軽く振り回してみると、全体が鉄製というだけあって重いが、短めだ。鉄のショートスピアといったところか。だが刃引きしてあるので刺突の威力には期待できなさそうだ。槍の形しているが棒のようなものと思っておいた方がいい。

 優太の物も同様だ。こちらは装飾は凝っているように見えるが、優太が魔法を撃つのをメインにしているので、正直必要性自体にかけるといえるかもしれない。


「では、挨拶の後、始まります。まずは和装組からです。こちらへどうぞ。残りの方も服のコンセプトの順番にお呼びしますので、今しばらくお待ちください」


 秋彦は2番目で、優太は最後のグループになるという事か。

 ぞろぞろと和風の服を着たチームが部屋を出ていく。出たことを見送った所で集まっていた人たちが離れていく。


「さて……とうとう始まっちまったな」

「不安だよね……」

「ああ……」


 そばに来ていた優太とそのまま再び雑談をしている。20分経った頃になって、スタッフの人間が呼びに来た。


「次のグループの方、どうぞこちらへ」

「……来たか……じゃあ、行ってくる」

「うん。いってらっしゃい」


 返事を返しながら武器をもって控室を出る。

 連れてこられた場所は舞台の裏手。音楽や照明の機材や、様々な小道具が並べられている場所だ。耳をふさぎたくなるほどの大音量で三味線や尺八の音が入っている曲から察するにまだ前のグループの歩きは終わっていないらしい。

 そして、すでにこちらの事情を知らないモデルの人たちが列を作っていた。自分たちは一番最後か。

 緊張で落ち着かず辺りを見回す。

すると茶がかかった金髪の白人女性、ジュディが見えた。

 緑色のラウンドシールドに緑色で露出が少し多めの軽鎧、帽子のような兜というファンタジーキャラにありがちな鎧兜を纏っていた。全体的に言えばワルキューレを連想させる。


「あら、秋彦。お久しぶり。チャイナアーマー似合ってるわよ」

「あ、ああうん。ありがとう。ええっと……君のもよく似合ってると思うよ。う、うん、素敵だ……」

「あら、ありがとう。後に控えていることがなければもっとよかったのだけれど……」

「ああ、まあそうだな……互い死なないように頑張ろう」

「嫌ね、流石に出てくる敵のレベルを考えたら簡単に遅れは取らないわ。大丈夫よ。いってらっしゃい」

「あ、ああ……いってきます……?」


 蠱惑的な笑みを浮かべてふわっと後ろを向いて歩きだすジュディを秋彦はただぼーっと見守るしかできなかった。

 いかんいかん。どうも彼女と話すと調子が狂う。

 そうこうしていると曲が変わる。よくわからないが中国の民族音楽の様な曲調の物な感じだ。どうやら前のグループが終わったらしい。

 そして列が少しづつ、前に進んでいく。

 あー、嫌だな、恥ずかしいな……俺の番が来る前に氾濫しないかな……

 そんな不謹慎なことを考えてしまう。

 しかし無慈悲に列は進み、とうとう舞台が見える位置にまで来てしまった。

 舞台の入り口に雨宮がいて、出る人に声を掛けている。出るタイミングを計ってくれているんだろうか。

 そしてとうとう雨宮の隣にまで来てしまった。


「お疲れ様、来てくれてありがとう。普通に歩いてちょっとポーズをとって帰ってきてくれればいい。そろそろ19時だし、気を抜かないでくれ。……今だ」


 かけられた声に軽く会釈をしてついに舞台に立つ。

 公園に人がそれなりにいて少し驚く、そしてスマホのカメラに収められていく。シャッター音が聞こえるのだ。広報の一環であるし、企業からしたらありがたいのかもしれないが、個人的には自分を撮影するのはやめてもらいたい。

 そうは思うが、止めるわけにもいかず、仕方ないので努めて無表情に道を歩く。

 ポーズを出す所に来たが、自分にしゃれたポーズは取れないので、1秒ほど槍を構えてお茶を濁す事にする。

 そして、本当は走り出したかったが、不自然なので行きの歩きと同じ速度で道を歩く。

 次の人と、すれ違う場所に来た。


 ……その時、異変が夜の街に吼えた!


 地面が揺れ、轟音が響いたのだ。


 イベントで流れている音楽が一瞬かき消されるほどの轟音に、何事かと思い後ろを振り返ると、遠くで、火柱が上がっていた。

 会場はどよめき、しばらくすると、音楽が消えた。


 始まったのか。


 そう思った矢先に、観客席の奥から女性の悲鳴が上がる。

 夜とはいえ、そこは東京。そして今イベントで照明もたくさんあるので何に対して悲鳴を上げたのかも、ちょっと目を細めればすぐわかった。


 ……ムカデだ。それも普通のではないサイズの物。どう見ても中型の蛇くらいありそうなムカデが1匹や2匹ではない。数えるのが面倒な程の量でいる。

 そんなものに向かってこられれば、当然火が付いたように観客や、モデルが混乱し、逃げまどい始めた。

 ……だが秋彦たちは動じない。隣にいたメンバーと秋彦は同時に舞台の奥に振り返る。雨宮の方だ。


「いけえええええええええええええええ!!!」



皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります。

これからも頑張っていきますので、ぜひ評価感想の方を頂戴したく思います。そうしたら私はもっと頑張って作品を展開できますので。これからもどうぞ、よろしくお願いいたします!

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