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りあダン! 現実世界にダンジョンが?!  作者: 大道寺 禅
地方都市奪還作戦 本戦開始!
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第百七十話 地方都市奪還作戦、本戦発令!

累計PV数264万突破しました! 

これも皆さまからのご愛顧の賜物です。

これからもりあダンをよろしくお願いいたします!

「えー、それでは第五回、日本探索者ギルド連盟会議を開始いたします」


 いつもの会議場でいつもの口上で会議の始まりを宣言する雨宮。しかし開幕宣言の口上にしては大きな拍手が沸き起こる。


「皆さん休暇、と言いますか、戦力増強と言いますか、企業とのコネクションの形成と言いますか。いずれであっても有意義な一週間を過ごせましたか?」


 会場内の拍手が大きくなる。どうやらここにいる人々はギルドの支援の甲斐あって皆相応に有意義にやりたいことをやって来れたらしい。


「結構! ではこちらも安心して次へ進めると言う物です……ええ、次です。次、ときたらもうあれしかありませんよね。そう、地方都市奪還です」


 拍手がさらに大きくなった。歓声に近い雄叫びが響き渡る。

 無理もないだろう。この場にはもちろんテレビなどのマスコミもいるが、報道されているお茶の間でも歓声が上がった事だろう。

 なにせこれこそが地方都市奪還作戦の本題。探索者の数が乏しく、戦えない人が都市へ疎開した結果占拠されてしまった地方都市を奪い返す。

 本題に入る前に片を付けるべき案件たる高速道路解放戦線が済んだ今こそ取り掛かるべき案件だ。

 鳴りやまぬ拍手を雨宮が手を上げて制し、話を続ける。


「はい。皆さんありがとうございます。ここ数日、皆さんはギルドローンによって新しく装備を新調された方は多いでしょう。その平均戦闘力は、今やなんと約三万という驚異の戦闘力を生み出しました。もはやCクラス、Bクラスの探索者はこの作戦に参加していません。ここにいるのはすべてAからSクラスの探索者のみです。まさしく、ここにいる皆さんは日本最高峰の超エリート探索者集団と言っても過言ではないでしょう!」


 再び大きな拍手が沸き起こる。

 ギルドローンによってもたらされた戦闘力の向上は画期的と言えるだろう。

 ローンを組んだことで、しばらくはギルドの言いなりになることが確定しているとはいえ、雨宮の言葉通り、戦闘力1万以下のCクラス、1万から2万までであるBクラスの探索者はもういない。

 今やこの集団は、最低でも戦闘力は二万五千というすさまじいほどの戦力の底上げがなされている。こんな強者揃いの集団は、今のところ日本にしかいないと言っても過言ではない。

 過言どころかそれが真実と言えるレベルである。


「では、改めて地方都市奪還作戦の概要を説明いたします。皆様よく聞いてくださいね」


 一転会場は静まり返る。ここは話の聞きどころである。


「ではまずこの地方都市奪還作戦における地方都市の定義をご説明しておきましょうか、今更かもしれませんが、おさらいは大事です」


 そもそも地方都市、と一言に行ってもその実様々だ。

 一番極端な言い方をすると、東京、大阪、名古屋以外のすべての都市は地方都市であるという定義があるくらいだ。

 勿論それらすべてが魔物の手に落ちている訳はない。仮にそうだったとしたら状況はもっと深刻だろうし、こんな短期間で人々が強くなる余裕がある訳もないだろう。もっと蹂躙に近い惨劇になっていたはずだ。しかし現実にはそうなっていない。

 そうなっていないのは、地方都市の中には一般人が地元愛から奮起し、探索者へと転身し、それによって数を確保したことで踏みとどまったおかげで難を逃れた地方都市があるからだ。それもごく一部でなく、それなりの数だ。

 地方都市奪還作戦における地方都市と言うのは、地方都市であることは勿論として、その中でも魔物に都市を占拠されてしまった都市の事を指す。

 都市一つ捨てて都会に逃げるなんて地元愛が足りない、などと言ってはいけない。むしろ奮起した土地の人々の郷土愛が強すぎるだけである。本来逃げる方が正解なのだ。

 現在魔物に占拠されてしまっている地方都市と言うと、埼玉以外の東京の周辺にある県に、京都以外の大阪周辺にある都市が代表的だ。

 ここら辺は流石に都市が近いだけあってすぐ逃げ込める距離な上に、ここへ逃げ込んでしまえば済むからなのか、占拠されている都市が多い。

 ちなみに京都は流石の郷土愛ではあるが、郷土愛があまり感じられない埼玉県が占拠されていないのはひとえに秋彦と優太の地元ゆえである。

 他の県も、逃げ込むところは大体地元民が探索者になって奮起して難を逃れた都市の周辺が地元を捨てて逃げる選択をしている。

 が、逆に地元を離れない地方もあったりする。

 それは九州だ。

 九州出身の探索者は日本の中でも異質で、一定の実力があるのに頑なに栄えている都市へ移動せず、地元でひたすらにダンジョンに潜り続けている人々が多い。

 地元に対する忠誠心と言うか、はたまた頑固者の多い気質と言うべきか、とにかく九州だけは他の地方と違い、その全域において都市が魔物の手に堕ちた場所はない。

 とはいえ例外がないわけではない。唯一の例外が佐賀県だ。ここだけは何故か魔物の氾濫の際に別の県に逃げる選択をしている。それが普通の選択とはいえ、九州勢の中では変わっていると言えるだろう。


「という訳で魔物のいる最先端は、東は青森県、西は九州の佐賀県が最先端となります」


 雨宮がスクリーンに映し出されたスライドを表示させる、そこには日本地図が現れ、様々な場所に赤い点が記されていた。


「これは皆さんご存じですね?」


 聞かれるまでもない。これは現在魔物に占拠されている都市だ。


「我々はこれらを、大阪周辺を中心として開放を進めつつ、最先端へ向かっていくように地方都市を奪還しなくてはいけません」


 その理由は少し考えればわかることだ。

 地上に出ている魔物達と言うのは、一定まで数が減ると、一か所に集まって共食いを行い、蟲毒の如く最後の一匹になるまで食らい合って強くなり、人間たちと戦ってきた。

 今までは一都市であったり、一サービスエリアだったりした。だが、もしこれを日本全土の規模で行われたらどうなるか。

 どんな化け物、怪物が生まれるか等、もはや想像の仕様がない。想像のできないとんでもない物が生まれるだろう。


「そんなものが生まれては、一大事です。もはや我々が死力を尽くしたところで倒せる保証はないでしょう。そこで、我々ギルドマスター達は、魔物の動向や、今までの魔物の動きを観察し、一つ結論付けたのです。そんなとんでもない物、生まれさせることも許さない、と」


皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります。

これからも評価、ブックマーク、感想など、皆様の応援を糧に頑張って書いていきます。

次の投稿は5月9日午前0時予定です。

よろしくお願いします!

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