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りあダン! 現実世界にダンジョンが?!  作者: 大道寺 禅
地方都市奪還作戦 高速道路解放戦線編
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第百六十八話 企業との交流パーティー もう一つの出会い

累計PV数264万突破しました! 

これも皆さまからのご愛顧の賜物です。

これからもりあダンをよろしくお願いいたします!

「いやー、疲れたなー……親友お疲れ」

「うん……お疲れ様……」


 パーティーも後半と言った時間帯。パーティー会場から少し離れたロビーで、秋彦と優太は少し休憩していた。

そろそろ大人の毒気のある欲望をたっぷり吸い過ぎていい加減精神的疲労がたまっていたので、ここで一つ休憩を入れていたのだ。


「にしても親友ってばすっごかったなぁ」

「やめてよ……僕本当に大変だったんだからね」

「知ってるっつーの。俺もだいぶ言われたからな……」

「ああ、それについては本当にごめん。そしてありがとう」


 秋彦が思い出してしみじみ言うと、優太はげんなりとした様子でため息をつく。

 何がすごかったかと言うと優太に言い寄ってくる女性の数々である。探索者だけではない。今話題急増中の若手美人女優やどこそこの会社の社長令嬢等、様々な女性に優太が言い寄られていた。

 秋彦はジュディと言う恋人がもういるの一点張りで退けた物の、恋人のいない優太は集中攻撃を受けた形になった。

 ジュディはその様子を見て「あの時茜に勇気を貰って良かった」と顔を青くしながらつぶやいていた。

 言い寄り慣れてない女性たちが騒ぐように取り合う様などかわいい物、中には言い寄る様がかなり手慣れている人たちも数多くいた。

 相手は恐らく色事に掛けては海千山千の達人だ。もしも秋彦に恋人がいない状態であったなら、たとえあの時点で両想いであっても、太刀打ちできたか怪しいものである。

 そんな獲物を狩るかのような女性たち相手に、優太は終始困り果てており、もはや形式美の様に秋彦が追い払うのを繰り返していた。

 尚、追い払おうとするのにかこつけて秋彦にアプローチを仕掛ける強者もいたが、そこはジュディがきっちり撃退したりもしていた。


「親友もマジで恋人を見つけた方がいいと思った。あの手の輩がこの先延々と寄ってくると思ったら本当に頭痛いぜ……」

「うん……今度ばっかりは本当にそう思ったよ……」


 盛大にため息をつく秋彦と優太。正直大方の企業や探索者とも盛大にコミュニケーションを取った後だ。もうそろそろこのパーティーが終わって欲しいと思いかかっている。

 ちなみに茜も桃子もずっと別の場でそれぞれの業界の人々もコミュニケーションを取っていた。正直桃子から優太に対して何人か女性がきたのではないかと疑っているところではある。

 などと他愛ない話で時間を潰していると、トイレのある方向から調子っぱずれな歌が聞こえてきた。


「らーんらんらららんらんらー……は?!」


 酒の影響か顔を少し赤くしながら気持ちよく歌っていたのは凛とした顔立ちをした、小綺麗な青年だった。髪の毛をオールバックにし、スーツをうまく着こなしている。

 が、ホール前に通り過ぎようとして秋彦と優太の存在に気付き表情と挙動が固まった。


「……あの……どうも」

「あ、はい、どうも」

「こんばんは」


 すごく気まずい。お互いどう反応すればいいかわからない。


「あ、あの……今何か聞きました?」

「え? 何のことでしょうか? 親友何かあったっけか?」

「さ、さあ? 僕は何も知らないよ」

「そ、そうですか。ならよかった……」


 とりあえず見てみぬふりならぬ聞いて聞かぬふりである。そのくらいの情けはかけてあげねば可哀想だ。


「えっと……ところでかの有名なレインボーウィザーズの御二方がこんなところにいるなんて。会場に戻らなくていいんですか?」

「あ、あーいや、ちょっともう疲れちゃって……」

「ヒヒッ、分かります分かります。確かに企業さんからしてみれば俺らって絶好の人材ですからね。お互い有名だと辛いですなぁ」


 引き笑いで笑いかける青年。どうやらかなりの有名人の様だ。正直秋彦達もどこかで見たことがあるような気がするのだが、正直パッと見に全く覚えがない。引き笑いに何となく聞き覚えがあるような気もするが。

 どう話を展開すればいいかちょっと迷っていると、向こうから切り出した。


「ところで、俺が誰だかわかってます?」

「え?! え、えーっと……」

「ごめんなさい。わかんないです……」

「ちょ?! 秋彦!」

「いやだってさ、どっかで見たような気はするけどわかんねーし、取り繕っても仕方ないじゃん」


 優太は何とかごまかそうとしていたが秋彦が正直にばらしてしまった。秋彦は申し訳なさそうにしているが、本当にわからない。


「ヒヒヒッ! まあそうでしょう。ここ最近はしっかり眠れてますしね。じゃあ……これならどうかなぁ?」


 目の前の小綺麗な男は突然髪をぐしゃぐしゃにし、折角整えた髪がぼさぼさになってしまった。

 そしてため息をつくと、きりっとした表情をくたびれた顔立ちに変えた。そしてそのくたびれた表情を見た時に、秋彦と優太が両方ともその正体に気付いた。


「ああああ!!!? あ、貴方は!」

「ふ、吹雪さん!?」


 そのくたびれた表情にぼさぼさの髪の毛。目元に隈はないし、肌の血色もいい。無精ひげももちろんないが、そこにいたのは北海道ギルド最強チームであり、日本においても最強クラスの探索者チームと目されるほどのチームである【絶対零度】のリーダー、吹雪氷河その人であった。勿論言わずと知れた有名人である。

 御霊具を秋彦と大体同じタイミングで手に入れていたことでも有名であり、知らない探索者はもぐりの謗りを受けても仕方ないレベルの人物である。


「ヒヒヒッ! 別に変装している訳じゃないんですけどね。給料人としての自分がちょっと忙しくて。普段は大分くたびれてますけど、そこから離れてゆっくり休めりゃほれこの通りってね」

「お、驚いたな……人ってこんなに変わる物なんですね……」

「ご、ごめんなさい! こんな有名人に向かって誰だかわからないなんて……」

「気にしないで下せぇよ。パーティー会場にいる誰もが初見じゃわからなかったくらいですんでね」


 話しつつも髪の毛をとかして髪の毛を直していく。表情を先ほどの様にきりっとさせているが、一度分かってしまうと元に戻しても同一人物であることがはっきりを分かる。


「誰だかわかったところで。初めまして、吹雪です。あなた達レインボーウィザーズと肩を並べてここから戦えることを光栄に思いますよ。これからどうぞよろしく!」


皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります。

これからも評価、ブックマーク、感想など、皆様の応援を糧に頑張って書いていきます。

次の投稿は5月5日午前0時予定です。

世間はGWなのでその間は毎日投稿します。お休みの間限定です!

よろしくお願いします!

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