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第十七話 調整

累計PV30000突破、並びに日間PV7000突破ブックマーク数が300を突破しました!

今日もブックマークと評価を頂いたことで、週間ランキングローファンタジー部門で18位でランキング順位を更新しました!

更に、月間ランキングローファンタジー部門でも58位でランキング順位を更新しました!

皆様のご愛読、誠にありがとうございます!

 ○○××公園。

 ここは東京駅にほど近く、催し物がよく行われていることで割と有名な公園だ。都会の中にあって緑が多く、少し大きめの池があることも特徴である。

 二人はここで今日行われる一つの催し物に参加するのだ。もちろんただの催し物ではない。これから起こる事態を憂い、立ち上がった人たちが行う、ある意味一世一代の見世物と言えるだろう。

 二人は現場で指揮を執る見覚えのある顔を見つけた。が、向こうもそれに気づいたようで、向こうから声を掛けてきた。


「お、来たね秋彦君と優太君」

「うっす、雨宮さんお疲れ様っす」

「まだ17時なので早いんですけど、ちょっと気が早やってしまいまして」

「構わないよ。なんせこっちも大忙しでね。隠れ蓑とはいえ割と本格的にはしてあるんだ。このダンジョンウォッチの情報が間違っていてもこのイベントだけで盛り立てられるようにはしないと協力してくれた企業に申し訳が立たないからね」

「避難場所にもなるんでしたよね?」

「ああ、避難誘導は自分が通って魔物を追い払った道からここに来るように伝えてほしい」

「はい、わかりました」

「うん。じゃあ控室はあっちだ。まだやることがあるからまた後でね」


 挨拶を済ませたところで、スタッフに呼ばれて雨宮が別の所に行ったのを見届ける。そして秋彦たちは武器を持つ人のための衣裳部屋へ向かう。

 今回はファッションショーのための小道具と言い張って武器を街中で装備し、魔物の氾濫に武器を持って対処するというのが目的である。それにはファッションショーに出る必要があり、武器を持って戦う人たちは全員ファッションショーへの参加が半ば強制となっている。秋彦と優太に限っては魔法のバッグがあるので参加する必要はないのだが、自分達と同じく、この前代未聞にして空前絶後の事態に対処しようという人たちがいる事に感動し、その活動に参加する事にしたのだ。

 ……もちろん自分たちが魔法のバッグを確保していることを知られたくないという打算もあるのだが。


「すみません、南雲と石動です」

「あ、はいお待ちしておりました。お二人の衣装はこちらになります!」

「ありがとうございます。よし、じゃあ着替えてみっか」

「そだね。手間取っても困るし」


………………………………


「わぁ……秋彦めっちゃ似合ってるよ」

「中華系だな。まあ三国志って結構槍で活躍する武将多いイメージあるからな」

「……でもそれってなんかどっかのソシャゲの呂布を思い出すなぁ……」

「赤が基調になってるだけでオリジナルだから、それ以上は言いっこなしだぜ……で、親友のは、俺とは打って変わって奇抜さとは無縁の正統派魔術師っぽいな」

「ローブとコートの中間に近いような感じだね。杖と相まって結構雰囲気出てる気がするよ」

「にしても白たぁ珍しいな。魔術師ったら黒じゃねーのか?」

「ま、まあいいんじゃない?」


 着替えた服のまま控室にいると先に来ていたチームたちは、それぞれダンジョンウォッチのディスプレイを険しい顔で、睨むかのように見ている。

 おそらくスキル獲得の最終チェックをしているのだろう。

 ある者は頭を抱え、またある者は頭を掻きむしる。その目は真剣そのものだ。


「……秋彦。僕らも残りの時間はスキルの獲得とか見直しとかに当てよう」

「ああ。確かに必要だろうな。俺らもこの戦いを想定したスキルでいいものがあったら獲得しておこう」


 自分たちも改めてディスプレイを確認する。

 改めて自分たちのステータスを表示させる。まずは秋彦だ。


名前:南雲 秋彦

レベル12

肉体力:180

魔法力:120 学術的知力強化(300)

戦闘力:380

獲得DP:73,815

使用魔法属性:無(力)Lv3

入手スキル

【戦術】 

槍術Lv3(600DP)槍術を習得し、習熟する。

格闘術Lv1+2=3(100DP+自力の強化)格闘術を習得し、習熟する。秋彦の場合は空手。

体術Lv3(600DP)体術を習得し、習熟する。

【魔法補助】

高速詠唱Lv1(1000DP)魔法の詠唱を早める。

魔法効率化Lv1(2000DP)、魔法を効率的に使用することで、消費魔力を抑え、威力を上昇させる。

魔力制御Lv1(2000DP)範囲攻撃魔法を行う時、味方を巻き添えにしない。

【補助】

解体術Lv1+1=2(500DP+自力の強化)モンスターをうまく解体出来るようになり、相手の急所を突きやすくなる。

魔物学Lv1+1=2(500DP+自力の強化)モンスターの弱点を知り、相手の急所を突きやすくなる。

【感知】

危機感知Lv1+1=2(1000DP+自力の強化)罠を察知し、不意打ちを受けにくくなる等、自分に降りかかる危機を感知できるようになる。

直感Lv1+1=2(1000DP+自力の強化)感知系スキルを強化する。


 次は優太だ。


名前:石動 優太

レベル12

肉体力:80

魔法力:200

戦闘力:350

獲得DP:73,615

使用魔法属性:炎Lv6、風Lv3、光Lv5

入手スキル

【戦術】

杖術Lv3(600DP)杖術を習得し、習熟する。

盾術Lv3(600DP)盾術を習得し、習熟する。

体術Lv3(600DP)体術を習得し、習熟する。

【魔法補助】

高速詠唱Lv1(1000DP)魔法の詠唱を早める。

魔法効率化Lv1+1=2(2000DP+自力の強化)、魔法を効率的に使用することで、消費魔力を抑え、威力を上昇させる。

魔力制御Lv1+1=2(2000DP+自力の強化)範囲攻撃魔法を行う時、味方を巻き添えにしない。

【補助】

解体術Lv1(500DP)モンスターをうまく解体出来るようになり、相手の急所を突きやすくなる。

魔物学Lv1(500DP)モンスターの弱点を知り、相手の急所を突きやすくなる。

【感知】

危機感知Lv1(1000DP)罠を察知し、不意打ちを受けにくくなる等、自分に降りかかる危機を感知できるようになる。

直感Lv1(1000DP)感知系スキルを強化する。


 どうやらここ数日、手探りながらに自力で修行をしたことで強化され、無事にレベルを上げた分があったようだ。


「おー、ちゃんと上がってんじゃんか!」

「本当だ! ダンジョンに潜り続けた日々は無駄じゃなかったんだね……!」

「俺の黒焦げにされまくった日々もな……!」

「それは本当にごめんなさい」


 顔を見合わせて互いに笑いあう。

 オチもついたところで、さて、どのスキルをどう強化した物か。


「俺はどうするかな……やっぱ物理主体で行くことになるだろうし【解体術】と【魔物学】をもう少し取っておくか。後はこの【重量挙げ】ってのもよさげだな。重い物を持てるようになるのか。後は……」

「秋彦……僕、冒険してみる」


 秋彦が無難な強化をしようとしている隣で優太は思いつめた表情でディスプレイを見ている。そして秋彦にこそこそと話しかけてきた。秋彦もこそこそと応じる。


「あ? どうした親友?」

「僕……【高速詠唱】と【魔法効率化】と【魔力制御】を上げるよ……!」

「え……親友?!」

「幸い一個レベル上がっているから大分DPは節約できているし、特に巻き込み防止は今回とても重要だし、【魔力制御】は確実にLv3くらいまでは取るよ、ここまで取ると味方に巻き込みはなくなるみたいだし、今回は緊急だしね……!」


 ダンジョンウォッチのDPショップにはLvに応じてどうなるかという段階が書いてある物がいくつかあり、【魔力制御】もそのうちの一つだ。

 魔力制御Lv1で50%の確率で誤射する。Lv2で20%の確率で誤射する。Lv3で誤射しなくなる。Lv4で敵に対しても撃ち分けができるが50%の確率で誤射する。そしてLv5でMAXとなり、敵に対しての撃ち分けも完璧にできるようになる。という具合だ。

 だが【魔力制御】をLv2から3にあげるのには、今自力で上げた分があるのでDPでスキルレベルを上げるならLv2分の4000DP必要になる。【高速詠唱】はLvが上がっていない為、今の段階でLv3に上げるには6000DP、【魔法効率化】は魔力制御と同様の4000DP。合計14,000DPもいる事になる。

 大量だ。かなり大量だ。入門ダンジョンが300DPと少しだったことを考えると大体50個の入門ダンジョンを制して得られる分と言う事になる。手持ち払えないことは全くないが大量だ。


「親友、マジか……?」

「マジマジ、大マジだよ。どのみち僕は魔法を主体で戦うから、遅かれ早かれだよ」

「つったってさ……そ、そうだ今この戦いでレベル上げしたっていいんじゃ……」

「……いいかい親友? 魔力制御を持っていても80%は誤射せずに済むよ? けどね。もし一回でも誤射したら、僕たちを見る周囲の目線はどうなると思う?」


 その言葉ではっと気が付いた。

 いくら人を助けるためといっても、確実に誤射しない保証が無い物で、結果誤射してしまったら周囲が自分たちを見る目はどうなるか?

 決まっている。どう転んでも確実に悪くなるだろう。

 その悪感情は決してぬぐえず、ずっと人々の心の中に潜むだろう。

 負の感情は悪い意味で決して人々の心からは消えない物だ。やった方は簡単に忘れても、やられた方は決して忘れず覚えている。ここで冒険者に対する悪感情を抱かせて、今後の探索者の活動に支障をきたすことは避けたい。

 優太の言いたいことは要するにこういう事なのだろう。


「……そ、うか。そうだな。そうだよな。うん……わかった。俺はもう何も言わん。したいようにするといいよ」

「うん。ありがとう。ごめんね?」

「いや、むしろそこまで気が回らなかった俺が悪い。よくそんなとこ思い至ったな?」

「ほら、普段は僕がやられる側だし……」

「ああ……そうか……」


 少し気まずい沈黙の後、取得するべきものを選出し、討論を繰り返す。最終的にステータスはこのようになった。


名前:南雲 秋彦

レベル12

肉体力:180

魔法力:120

戦闘力:800

獲得DP:49,115

使用魔法属性:無(力)Lv3

入手スキル

【戦術】

槍術Lv3(600DP)槍術を習得し、習熟する。

格闘術Lv1+2=3(100DP+自力の強化)格闘術を習得し、習熟する。秋彦の場合は空手。

体術Lv3(600DP)体術を習得し、習熟する。

【魔法補助】

高速詠唱Lv3(7000DP)魔法の詠唱を早める。

魔法効率化Lv1(2000DP)、魔法を効率的に使用することで、消費魔力を抑え、威力を上昇させる。

魔力制御Lv1(2000DP)範囲攻撃魔法を行う時、味方を巻き添えにしない。

【補助】

解体術Lv2+1=3(1500DP+自力の強化)モンスターをうまく解体出来るようになり、相手の急所を突きやすくなる。

魔物学Lv2+1=3(1500DP+自力の強化)モンスターの弱点を知り、相手の急所を突きやすくなる。

重量挙げLv3(3000)重い物を持つ腕力と重い物を効率に持ち上げる技術。力もつくが、わずかな力で重い物を持てるようになる。

【感知】

危機感知Lv2+1=3(3000DP+自力の強化)罠を察知し、不意打ちを受けにくくなる等、自分に降りかかる危機を感知できるようになる。

直感Lv2+1=3(3000DP+自力の強化)感知系スキルを強化する。


名前:石動 優太

レベル12

肉体力:80

魔法力:200

戦闘力:950

獲得DP:49,815

使用魔法属性:炎Lv6、風Lv3、光Lv5

入手スキル

【戦術】

杖術Lv3(600DP)杖術を習得し、習熟する。

盾術Lv3(600DP)盾術を習得し、習熟する。

体術Lv3(600DP)体術を習得し、習熟する。

【魔法補助】

高速詠唱Lv3(7000DP)魔法の詠唱を早める。

魔法効率化Lv2+1=3(6000DP+自力の強化)、魔法を効率的に使用することで、消費魔力を抑え、威力を上昇させる。

魔力制御Lv2+1=3(6000DP+自力の強化)範囲攻撃魔法を行う時、味方を巻き添えにしない。

【補助】

解体術Lv1(500DP)モンスターをうまく解体出来るようになり、相手の急所を突きやすくなる。

魔物学Lv1(500DP)モンスターの弱点を知り、相手の急所を突きやすくなる。

【感知】

危機感知Lv1(1000DP)罠を察知し、不意打ちを受けにくくなる等、自分に降りかかる危機を感知できるようになる。

直感Lv1(1000DP)感知系スキルを強化する。

 

「……うーん、やっぱりかなり使った感あるな」

「でもまだまだこれだけあるんだし、あるんならガンガン使って行かないと」

「つってもレベルが上がらんと使えんスキルとかもあるから、今はこんなもんでいいだろ」

「そうだね。他にもいい物ないかな……?」


 そうこうしていると雨宮が控室にやってきた。時計を見ると18時近い。と言う事は……


「皆さん、お待たせしました。まもなくファッションショーの始まりです」


皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります。

これからも頑張っていきますので、ぜひ評価感想の方を頂戴したく思います。そうしたら私はもっと頑張って作品を展開できますので。これからもどうぞ、よろしくお願いいたします!

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[気になる点] 人に鑑定(名前忘れた)されないの?無警戒すぎる気がする。ダンジョンで2人パーティとかってなってたから、勝手にパーティの判別されてるのかな?
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