第百五十九話 従魔ふれあいスペース
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これからもりあダンをよろしくお願いいたします!
『パパー、お外に遊びに行きたいよう……』
祝勝会を終え、散々遊んだ次の日。秋彦は起こされた龍之介からおねだりされていた。
確かにここ最近はずっと龍之介達従魔チームにかまってあげられなかったせいでずっと閉じこもりっきりになっていたはずだ。
それに各地から武器や防具の職人たちが集まるのは明後日頃と予想されている。今日は思いっきり付き合ってあげることにしよう。
「おー、確かにこっち来てから放っておきっぱなしだったもんな。じゃあちょっと遊びに行くか!」
『本当?! わーい!!』
「ジュディも誘うけどいいか?」
『エリーおねーちゃんも一緒?』
「おねーちゃん……ああ、一緒になるな」
「わーい楽しみー!」
そういって昨日のうちに、祝勝会の片づけが終わってすっかりきれいになった一室で支度をする。昨日は食事にゲームに散々盛り上がった。
そしてその中で、ビューティフルドリーマーの一人から、最近できた【◇◇▽▽公園】と言う大きな公園で、従魔を伸び伸びと遊ばせられるようなスペースがあると聞いた。そこに行ってみるのも悪くないだろう。
秋彦は早速メールにてジュディを呼び、デートも兼ねていってみることにする。
………………………………
「あらー、こんなところがあったのね」
「本当、知らなかったぜ」
さっそくジュディとエリザベスと一緒に行ってみると、そこはこの大阪と言う大きな都市の中にあって驚くほどに広い、緑あふれた場所だった。
◇◇▽▽公園内にある【従魔ふれあいスペース】入口に慰霊碑が置いてあるところを見ると、ここも氾濫の影響で出来た場所ではあるようだ。
そして今はそれなりに人がいて、施設もあることから従魔を出して遊ばせている人が多い。
施設は、例えば大きなため池、ちょっとした小山、丈の長い草原もある。いずれも魔物の生態系に沿って生まれた物の様だ。
「サファリパーク的なあれかねぇ?」
「きっとそうね……ほら、あれ……」
そういってジュディが指を刺した先には、茜がいた。従魔の豊芦原を元の大きさにして泳がせている。
その豊芦原は、以前とは大きさもかなり大きくなっている上に形が全然違う。
主に甲羅の上に乗っている物があからさまに変わっている。以前は潜水艦の潜望鏡などがついている部分が亀の甲羅から出ているような感じだったが、今は様々な大砲や煙突があったりしているし、甲羅の脇の部分にも副砲的な物が見えている。
あれは潜水艦と言うよりは巡洋艦の装備に近いのではないだろうか?
「茜は豊ちゃんの事を熱心に育てているのよね……いざとなったら海に出るって言ってるくらいだし、その日のために近海周辺で鍛えているみたいよ」
「へぇー……どれどれ……」
秋彦は気になったので遠くからアナライズをしてみる。
名前:舞薗 豊葦原千五百秋瑞穂国(まいぞの とよあしはらのちいほあきのみずほのくに)
種族名;潜水ガメ→軽巡洋ガメ
レベル:20(MAX)
肉体力:1,000
魔法力:2,000
戦闘力:3,750
有利属性:水、闇
不利属性:炎、光
スキル
体長調整:(【従魔スキル】【アクティブ】自身の大きさを自在に変える。最大で元の大きさ程度。最小で蝿1匹程度)
搭乗Lv5:(【モンスタースキル】【パッシブ】人を体の中に載せることが出来る。現在最高400人。主に甲羅の中に乗せる)
潜水Lv2:(【モンスタースキル】【アクティブ】水深500m部分まで潜水できる)
エッグミサイルLv4:(【モンスタースキル】【アクティブ】爆弾の様な卵を産み、敵に向けて放つ。酸素魚雷相当)
シェル・シップガンLv2:(【モンスタースキル】【アクティブ】貝殻を艦載砲にて撃つ。遠距離かつ水上攻撃に向いている。単装砲に相当)
シェル・ハイアングルガンLv2:(【モンスタースキル】【アクティブ】貝殻を艦載砲にて撃つ。対空攻撃に向いている。高角砲に相当)
水中感知Lv5:(【モンスタースキル】【パッシブ】水の中にある物を感知する。効果は水上及び水中にいるときだけに効果を発揮する。ソナーの様なもので、効果範囲はかなり広い)
水上補正Lv1:(【モンスタースキル】【パッシブ】自身が水上、水中にいるときに素早さと攻撃力が大幅に上昇する)
潜水ガメが進化したことで、軽巡洋艦の様に戦闘、航行できるようになった。
潜水能力も失われておらず、水中の戦闘だけでなく、水上の戦闘にも対応できるようになった。
水中や水上では俊敏に動くことが出来るが、陸上だと鈍重。だが逆に言えば陸上でも鈍重であるが動けると言う通常の船にはない特性を持っているという事でもある。
軽巡洋ガメ→???(ミスリル200㎏、オリハルコン100㎏、アダマンタイト100㎏)→???(ミスリル10t、オリハルコン10t、アダマンタイト20t)→???
「強くなったなおい……もうレベル20行ってるのかよ……」
「今投資以外のお金は魔法鉱物の購入に充てているんですって。次の段階の進化を自分が一番乗りするって張り切っているわ」
「ほーん。龍ちゃんはやっとこの間レベル10になったばっかりだってーのになぁ……」
茜は意外に教育ママ的なところがあるのかもしれない。かなり心血を注いでいるようだ。
「まあそうは言っても、今日はただ遊びに来ただけだしな。おっしゃ龍ちゃん、遊んで来い!」
「エリーもいってらっしゃい。私たちはこの辺りにいるからね」
『はーい! ねぇねぇ、エリーおねーちゃん、競争しようよ!』
『あら龍ちゃんってば、私に速さ比べを挑むなんて……うふふ、良いわよ。空駆ける貴方にも負けない私の走る速度を見せてあげる!』
そういうと二人はこの広い公園を駆け回り始める。
「おお~……なんてーか、平和だな」
「ええ、本当の平和もすぐそこよ。きっとね。私たちの手で、掴みましょう?」
「……おう、そうだな! 俺らもちょっと歩こうか」
秋彦はそういって手を差し伸べる。ジュディはそれを嬉しそうに、そして少し恥ずかしそうに手を取った。
手をつないで歩く秋彦とジュディ。夏の強い陽光と吹き抜ける強めの風が相まって、ちょっと気持ちのいい夏の午前が過ぎていった。
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次の投稿は4月15日午前0時予定です。
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