第百五十六話 友人達の御霊具
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これも皆さまからのご愛顧の賜物です。
これからもりあダンをよろしくお願いいたします!
「だっはっはっはっは! ひー……ひー……ふぅ。成程ねぇ。それであんなに疲れてたんだね、ぶっふふ!」
「お、お疲れ様……ククク」
「おい……いくらなんでもちょっと笑いすぎと違うんかお前ら……」
「こっちは笑い事じゃないっていうのにもう……」
「二人は知っておくべきなんだから、文句言っちゃだめよ」
「……頑張って経済回して」
茜の鬼の様な厳しくもありがたい講義を終え、すっかり午前中がつぶれてしまった。
午後になってモンスターキラーが大阪に帰ってきて、真崎と奏から話があると言って呼び出されたのだ。
「で、何の用? まさか俺らの午前中を笑うために呼び出した訳でもあるめぇよ?」
「おお、そうそう。まあ端的に言うと、自慢と言うか、意見を貰いたくてな」
「おお?」
奏と真崎が顔を見合わせて、ドレスアップリングから奏は靴を、真崎は刀を取り出した。
「見てみてくれよ。どうさ?」
「えっへっへー、やってやりましたよ!」
鼻高々にして取り出したその二つは明らかに普通の武器ではなかった。
まず奏が取り出した靴は赤と緑、そして白の三色で構成されたランニングシューズだ。少々色遣いが派手なことと、見たことのない狼のロゴが入っている事以外は普通の靴に見えるが、かなり強力な魔法力が宿っているのが感じ取れる。
そして真崎の取り出した刀は、以前見せてもらった時とさほど変わらないようにも見えるが、柄頭にはしゃれこうべが収まっている上に禍々しい闇の魔法力が備わっているのが見て取れる。
「おおー……これはもしかしなくてもあれだよな、御霊具だよな」
「勿論! ラッキーだった! 他にも足の速い人はいっぱいいたんだけどさ。私の足の速さが認められてさー! もう今の私には誰も追いつけないよ!」
「僕は侍スキル持ちが他にいなかったから、ちょっと周りの人に協力してもらっちゃったんだ」
「ほっほー、そらラッキーだったな。そうそう、うちもあれからジュディの盾が御霊具になったぜ」
「んっんー、そりゃ素晴らしい。おめでとうジュディさん」
「お互いやったねシャロちゃん!」
「ありがとう真崎君、まっつん!」
「……あれ? お前らいつの間にそんな呼び方し合う仲になったん?」
ハイタッチでキャッキャとはしゃぐ女子二人。秋彦はここ何か月で頑張って詰めたジュディとの距離をあっという間に追い抜かれた気がして少し面白くないところではある。
「でさ、さっそくだけどちょっとそれぞれの御霊具を自慢し合うついでに僕たちの御霊具の性能を比べさせてほしいんだよ」
「そうそう、それが用の本題ね。あたしたちはさ、その場で魂を得たんだけど、鉱物資源以外は魔物素材持ってなかったんだけど、御霊具がレベルアップするに当たって敵のボスから素材を調達したみたいで……」
「ああ、性能的に俺らの持ってる物より優れてんのか劣ってんのかがわかんねーのか」
「うん、頼む。ちょっとみんなの御霊具を見せて」
そういわれては仕方ない。レインボーウィザーズはそれぞれの御霊具を取り出し、並べてみる。
ちなみに奏と真崎の御霊具は以下のとおりである。
まずは奏の靴からだ。
【パワードソニックシューズ(狼)】
≪ウイングシューズにパワード・ソニックウルフの魂が宿り、パワード・ソニックウルフの素材を得たことで進化したもの。ウイングシューズを元に、音速狼の素材と魔法鉱物を取り込み、重量の軽さ、そしてそれ思わせない頑丈さと、蹴りなどの攻撃における重みという相反し、矛盾する要素を実現させた。
また、この靴を履いた者は恐ろしいほどの速度で走ることが出来る様になり、もはや地上においてこの靴の持ち主に勝てる者はいないだろう。
主の成長に従いさらに成長する。
肉体力+8,000
魔法力+3,000
特殊効果:
風纏Lv4(靴を履いている間は、常にウインドエンチャント状態になる)
スピードスターLv3(この靴を履いた状態で走ると、素早さが走っている時間に比例して上がっていく)
???(さらなる成長にて解放される)
特殊能力:自己改造Lv1(持ち主の成長に従い、自ら素材を取り込むことで肉体力と魔法力を上昇させる)≫
特記事項:ユニークアイテム(この世にたった一つしか存在しえない装備である)
使用者制限:奏祭のみ
続いて真崎の刀だ。
【封骸禰桐村正】
≪禰桐村正に髑髏侍大将の魂が宿り、髑髏侍大将の素材を得たことで進化したもの。髑髏侍大将の素材と魔法鉱物を取り込み、闇属性の魔法力を持つものに強力な力を与える刀となった。
その刀の煌めきは妖しくも美しい。下手な者ではたちどころに魅入られ刀の赴くままに血を求め、凶行を繰り返すことだろう。士道を貴び、自らを律する者にこそ、その力は正しく扱える。
主の成長に従いさらに成長する。
肉体力+9,000
魔法力+2,000
特殊効果:
武士道精神Lv3(侍スキルのスキルレベルを上昇させる)
妖刀の一撃Lv3(強力な妖刀に宿る恐るべき闇の魔力を刀に込めた強力な一撃を見舞う。その一撃は巨大な鉄鉱石さえ豆腐の如く両断して見せるだろう)
???(さらなる成長にて解放される)
特殊能力:自己改造Lv1≫
特記事項:ユニークアイテム
使用者制限:真崎剣吾
正直驚きである。スペックもさることながらスキルレベルが高い。
秋彦達の持っている御霊具よりも頭一つ抜けていると言っていいだろう。正直羨ましいくらいにはいい武器と言えるだろう。
「お前ら……これ俺らの持ってる物よりすげーじゃねーか!」
「ええ~、な、なんでこんなに違いが……」
「あらやだ素敵じゃない!」
「……これは、羨ましい」
奏と真崎はその様子を見て顔のにやつきが収まらなくなっていた。正直他の誰かに褒められるのとレインボーウィザーズに褒められるのとではその嬉しさが違うと言う物である。
とりあえずさんざん褒められた後、この武器は秋彦達の御霊具よりも強いという結論を得て、奏と真崎は意気揚々と帰っていった。
その背中を見送ったのち、自分達ももっと強くならないといけないという決意をまた一つ強めたのであった。
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