第百五十二話 高速道路解放戦線、新属性魔法習得!
累計PV数239万突破しました!
これも皆さまからのご愛顧の賜物です。
これからもりあダンをよろしくお願いいたします!
「ただいまー!」
『あ! パパおかえりー!』
21時、ふらふらとホテルの一室に戻ってきた秋彦。部屋に入ってベッドの上に倒れこむ。
『うわぁ! パパ大丈夫?』
「おー……パパ疲れたわ……」
げんなりと龍之介の呼びかけに答える秋彦。
あの後結局秋彦達の班は追加で2つのサービスエリアを解放した。皆、魔物の魂が宿る装備を手に入れたくて堪らなかったらしいが、流石に一日に3つと言うのは行き過ぎと言う物である。
4つ目のサービスエリアに行こうとしたところで、流石にレインボーウィザーズ総出で止めたのだ。気が逸る気持ちもわかるが流石にハイペースすぎる。命には代えられないという説得の元、ようやく収まったのだ。
その後、秋彦達の班は秋彦が使えるテレポテーションを使って一旦ホテルに帰還。明日になったら再度最後に開放したサービスエリアに戻り、サービスエリアの開放を再開することになっている。
なお、他の探索者チームは勿論そうはいかないので、サービスエリア内の施設に布団を敷いての寝泊まりになるらしい。お疲れ様である。
「……てなわけでな、今日は大分振り回されちゃったんだ」
『そっかー、お疲れ様』
「うん。しっかし……ああまで先走られるとなぁ……」
などとぼやいていると、部屋のインターフォンがなった。見に行くとジュディがいた。
「お? どうした?」
『用と言う程でもないんだけど、お茶飲みながらちょっとお話しない?』
「おう、いいぜ」
中に招き入れるとジュディはテキパキとお茶の準備をし出した。用意していたらしくかなり手際がいい。
「なんか手伝うか?」
「いいえ、大丈夫よ」
ちなみにジュディはエリザベスも一緒に連れてきており、エリザベスは龍之介と一緒に遊んでいた。
そして、お茶を淹れ、お茶菓子を広げた。
「さあ、準備が出来たわ。あまり遅くなりすぎないように楽しみましょう?」
「おう、ありがとう」
さっそく出された紅茶を飲んでまずは一息入れる。
「にしても今日はちょっと大変だったな……あ、そうだ。魔物の魂ゲットおめでとう」
「ありがとうね。にしてもエリーの素材がいくつかなくなっていたのと引き換えにこんなにいい盾になるとはね。本当は剣の方に欲しかったんだけど」
「そこはあんまりいうもんじゃないぜ、決められるんなら俺だって槍の方がよかったし」
「うふふ、それもそうね」
話は自然と今日の魔物の魂を手に入れた話題になる。話に触れられて、ジュディは改めて盾を取り出しうっとりと撫でる。
スペックは以下の通りになる。
【パワードオーガシールド(聖馬)】
≪ウイングミスリルシールドにパワード・ブラックオーガバーサーカーの魂が宿り、ホーリーランサーホースの素材を得たことで進化したもの。聖槍馬の素材と魔法鉱物を取り込み、強力な守りの力を宿す盾となった。
気高き聖馬の誇りは何人たりとも傷つけられない。
肉体力+4,500
魔法力+3,000
特殊効果:
騎士の誓いLv1(騎士の誓いは破れぬ誓い。自らに順守すべき誓いを科すことで騎士スキルの効果を上昇させる)
聖馬の誇りLv1(聖馬の誇りは気高さの証。弱きを助ける強き魔法の盾たる強力な防壁を展開する。魔防壁に比べ強度、持続性、展開範囲などが大幅に向上している。魔防壁と同時展開することで、通常の魔防壁と同様に効果を高めることが出来る)
???(さらなる成長にて解放される)
特殊能力:自己改造Lv1
特記事項:ユニークアイテム、御霊具(魔物の魂が宿った成長する魔道具)
使用者制限:ジュディ=シャーロット=マクベスのみ≫
正直肉体力、魔法力に関しては少しどっちつかずで中途半端に見えるが、その影響なのか特殊スキルが魔防壁の強化版と騎士スキルの効果上昇と言うなかなかいい効果を持っている。
しかし気になるのは使用者制限のところだ。
「にしても、ジュディってミドルネームあったのか?」
「ええ。日本ではあまり馴染みないものだし、ダンジョンウォッチのステータスでは表示させないようにしていたの」
「あれってそんなことできるのか?」
「本名は最初から入って取り消せないけど、チェックで表示させる時には表示を変えられるの。明らかに名前に見えないような名前も入れられるわよ」
「そうだったのか……知らなかった……」
別にダンジョンウォッチに取扱説明書がある訳では無いのでそんなにいじっている訳では無いが、そんな機能があったとは知らなかった。ペンネームの様なものでも行けるらしいが、まあ今の秋彦達が今更名前を隠してもしょうがないだろう。
「まあ、それはともかくとして……これは聖馬の盾、私のための盾。なのにどうして私には光魔法が使えないのかしら」
「ああ、それ言ったら俺だって無属性以外いまだに使えないもんなぁ。レベルを上げていけばそのうち覚えるっていう物ではないのかもな?」
話が盾の話になり、聖馬といういかにも光魔法が使えそうな人が持つ盾であることから自分達の魔法属性の話になっていく。
確かに魔法の扱いにもそこそこ慣れてきている今、そろそろ何らかの新たな属性を覚えてもいいころではあると思う。
「でも、新しい属性を覚えるのって魔導書がいるわよね。一定のレベルに達したら読み直す必要があるのかのしれないわね」
「初めに全部読んだけど、それじゃダメってことか……って、そうだ」
ここで秋彦、一つの重要なことを思い出した。そういえばずっと忘れていたことがあった。
「どうしたの?」
「いや、一つ忘れてたことを思い出してな。ちょっと親友と茜も呼んでいいか?」
「……わかった。紅茶用意しておくわね」
秋彦が忘れていたことを思い出した事で、恋人同士の語らいがお開きになってしまったのは残念だが、この話の流れからおおよそ何を忘れていたのかが予想がついたので残念に思いながらもジュディが紅茶の用意を始める。
………………………………
「てな話になってな。んで思い出したんよ」
「……もったいぶらないで、予想はつくけど何を思い出したの?」
「あー、あったねそういえば」
秋彦は話をしながらその場に魔導書を置いた。
そう、秋彦達は最初に魔法を習得した時にライゾンから魔導書を譲り受けていたのだ。もうずっと前の事ですっかり忘れていたが、そろそろ新しい魔法の系統を覚えたいと思う所ではあったので好都合だった。
「……なぜこんな重要なことを忘れていたの?」
「いやだって今までも別に不都合なかったし」
「……私はおおあり。覚えられるなら風魔法をすぐに覚えたかった」
事も無げに言う秋彦に詰め寄る茜。どうやら風魔法の中にある矢の強化魔法が欲しかったらしい。
「ま、まあいいじゃねーか、ともかく新属性習得を兼ねたお茶会だ」
「とりあえず改めて全部読んでみようかな。まだ使える魔法が増えるのかな」
「うう、私は光魔法を使えるようになるといいな!」
「……風魔法、これからも弓を使うなら必須、風魔法……!」
「俺は何でもいいから使える系統増やしてーわ」
そういい、互いはそれぞれに魔導書を読んでいく。
………………………………
「やった! 新しい力をゲットだ!」
まず喜びに声を上げたのは優太だ。新たに水と闇属性を習得した。はっきり言って今の時点での多彩さは世界一と言っても過言ではないだろうか。7系統の内5系統を習得した人物などいないだろう。
「オッケー! 光魔法だけゲットできればと思ってたけど、炎魔法も習得しちゃったわ!」
続いてジュディだ。最悪光魔法だけでも使える様になればいいと思っていたようだが、炎魔法も使えるようになり、とてもうれしそうにしている。
「……風魔法習得!」
茜もしっかり新しく属性魔法を得ることが出来たらしい。お目当ての風属性だ。
「……なんでだよぉ……くそぉ……」
机に突っ伏している秋彦。新系統の習得が出来なかったのだ。
「なんだろうね? 無属性ってそういう所も特殊なのかな?」
「わからないけど……アッキー、そんなに落ち込まないで」
「……とりあえず満足」
こうして夜は騒がしく更けていくのだった……
皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります。
これからも評価、ブックマーク、感想など、皆様の応援を糧に頑張って書いていきます。
ちなみに魔導書の事、実は僕自身すっかり忘れていまして、感想にて指摘があった事で今回作品に反映となりました。11111さん、ご指摘ありがとうございました!
次の投稿は3月25日午前0時予定です。
よろしくお願いします!