第百四十九話 高速道路解放戦線、本格出撃!
累計PV数227万突破、評価者数380人突破、感想数180件突破しました!
これも皆さまからのご愛顧の賜物です。
これからもりあダンをよろしくお願いいたします!
「そ、そうなんだ。それで二人とも付き合うことになったんだね!」
「おう。まあ関係はちょっと変わったけど、俺らがチームであることは変わらねーし、これからもよろしくな」
「……間に合ってよかった。ここでくっつかなかったらもう二人がくっつくのは無理と思ってた」
「茜? どういう事?」
「……そのまんまの意味」
秋彦達のデートの次の日。レインボーウィザーズは現在再びバスに揺られていた。
早朝になってギルドから再びの会議場への呼び出しを受け、探索者の会議が行われた。と言っても今回の報告と連絡だったのだが。
結論から言うとギルドマスター達は、今回の高速道路解放戦線はこのまま推し進めて問題ないと判断した。予想以上の成果であるとも。
そして今回の作戦においての1班における最適チーム数も割り出せたようだ。
1班におけるチームはS、またはAクラスが1チーム、Bクラスが2チームか3チーム、そしてCクラスは5チームの、1班8チームから9チームで構成されたチームで行くことが望ましいとの事である。
単純にクラスごとにいるチームを割り振っただけの様に見えるが、それで通用するかどうかは別問題。この割り振りチームで行けるかどうかは威力偵察の末に判明したことだ。
このチームで出来る班は60班。
それを、各サービスエリア約500の個所に割り振った結果1班8個所か9個所のサービスエリアを処理すればいいことになった。
その後、班の割り振りと、各班の担当サービスエリアの連絡を受けた。
今回の高速道路解放戦線、一日一か所を倒すことを前提にしても9日目には終了する見通しだ。
「意外にあっさり決着つきそうだよな」
「うん、のんびりやってても、安全面を考慮した結果っていえば怒られないし」
「そうね、この後に本命の地方都市奪還があるにしても、まずはここをしっかりしないとね」
「……でも、9日では絶対に終わらない」
「ああ……まああれ見てるとな……」
茜の言葉に秋彦が思わず後ろを振り返る。
後ろの席では意気揚々と武器を磨いたり、精神を集中させていたりしているCクラスとBクラスの探索者が戦いの準備を万全に整えていた。
今の探索者達はやる気に満ち溢れている。疲労面や安全面を考慮すると、正直に言うと一日2か所で終わらせたいのだが、彼らは一刻も早く戦い、そしてこの高速道路解放戦線において名を上げたい様だ。
「なんというかちょっと心配ですよね、変なテンションになってへましなきゃいいんですけど」
と言って話に入ってきたのは、前回の班でも一緒だったBクラスチーム「アンリアルコード」の面々だ。彼らとは今回も一緒の班に回されたのだ。顔見知りがいるのは正直心強い。
そして、この緊張とは違う雰囲気。手柄を立てることが優先されているような、欲でぼけてしまっているようなこの感覚。正直あまりよくない。
「そうですね。まあそこら辺はしっかりサポートしていきましょう。補助魔法とかもありますし、前回よりも数多いですし、今回も大丈夫だと思いますよ」
「心強いですねぇ。今回もよろしくお願いします!」
………………………………
そうして到着した今回のサービスエリア直前の拠点。秋彦達の班はBクラスが2チームの構成だ。まあトップがSクラスであることを考えれば妥当なところではあるのだが。
それぞれのチームへの挨拶もそこそこに、今回のサービスエリアの情報を拠点にいる偵察担当の自衛隊の人に伺う。
「お疲れ様です。今回のサービスエリアの情報を頂けますか?」
「はい、ではご説明いたします。ここを根城にしているのは、オーガタイプの魔物となります」
「オーガ、つまり鬼ですか?」
「はい、そうなります。データをお渡しするのでご確認ください」
自衛隊員はそういうとデータを渡してきた。
名前:パワード・レッドオーガ
レベル32
肉体力:6,000
魔法力:0
戦闘力:7,500
有利属性:無し
不利属性:全属性
スキル
棒術Lv5
ぶちかましLv3:(【モンスタースキル】【アクティブ】相手を力任せに殴り、命中させた相手を後方に吹き飛ばす)
人喰いLv3:(【モンスタースキル】【アクティブ】人間、または人間型の魔物に噛みつき食う事で自らの体力、傷を回復させる)
雄叫びLv3:(【モンスタースキル】【アクティブ】大声を出すことで威圧し、敵の動きを確率で止める)
鬼の身体Lv5:(【モンスタースキル】【パッシブ】酒による酩酊以外の状態異常を防ぐ)
近距離戦の心得Lv5:(【パッシブ】魔法、武器にかかわらず遠距離攻撃によるダメージを減らす)
オーガが同種を食らい合う事により強化され、変化した姿。
巨大な棍棒を振り回し、力任せに敵を吹き飛ばし、弱らせて喰らう。近距離での戦闘に至高の喜びを見出し、遠距離の攻撃を激しく嫌う。それ故に対策を行っており、遠距離攻撃はいずれも効きづらい。
自らの攻撃を一人で受け止めきる物にその魂を捧げる時がある。
特記事項
パワード個体:同種の魔物を喰らう事で強化され、変化した個体。
「おお! 結構強い!」
「数値上の戦闘力ではそうです。しかし、こいつらは防御力もあまりなく、魔法力も全くないので近距離で魔法攻撃を放てばそれほど苦戦する相手ではありません。魔力撃なども有効です」
「ふむ、ほかにもパワード個体の色違いがいますが?」
「そいつらも同様です。またここのボスも同じような物です」
「……つまり総じて遠距離攻撃では倒しにくい物の、近距離での一撃を喰らいさえしなければ大したことはないと?」
「そうなります。また、この系統の敵がいるところには施設内に罠が仕掛けられていることはありませんでした。今回は駐車場にいる敵とどこかに潜むボスを倒せば終わりと言う事ですね」
「成程……よくそこまで調べられましたね?」
「我々も威力偵察の際に、様々な角度で情報収集をしました。罠を仕掛けているタイプはゴブリンや絡繰りタイプの場合が多かったようです」
説明を受けながら秋彦は成程と感心した。
威力偵察の結果、こいつらと同じような、あるいはまったく同じ個体に当たったものがいたのだろう。
そういった人々から戦った感想や戦術戦略を聞くことによって、こちらの戦術戦略の目途を立たせ、より効率よく、より楽に解放になるのか。
「勿論今回も情報収集をさせて頂きますので、撮影スタッフの準備が済み次第突入とさせていただきます。それまでは待機をお願いいたします」
「わかりました。ありがとうございました」
全員一礼し、その場を後にする。
皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります。
これからも評価、ブックマーク、感想など、皆様の応援を糧に頑張って書いていきます。
次の投稿は3月16日午前0時予定です。
よろしくお願いします!