第百四十四話 サービスエリア、友人たちの戦績
累計PV数222万突破しました!
これも皆さまからのご愛顧の賜物です。
これからもりあダンをよろしくお願いいたします!
「いやー、とりあえずお互い生存おめでとう。どうだったよ?」
「いやー……あはは……きつかった」
「命を懸けた殺し合い、ダンジョンの中でもそうだったのはそうなんだけど、あそこは非日常的過ぎてあんまり違和感なかったけど、普通に自分達のよく見知った生活圏での殺し合いってのは結構クルものがあるね……」
大阪駅近くのムケドナルド。そこで現在食事をとるレインボーウィザーズとモンスターキラーズ、そしてビューティフルドリーマーの三チーム。
それぞれ、別の班として行動していたが、全員無事に生存したまま帰還できたので、報告もそこそこに食事をとることにしたのだ。
威力偵察の行動は朝からの行動で、それが終わって今は昼過ぎ。ちょうどいい時間帯でもあった。三チームはそれぞれ合流し、ハンバーガーを片手にチームで話をしている。
ビューティフルドリーマーの面々とジュディ、茜、言葉、奏はすっかり女子会中だが、男子陣とビューティフルドリーマーのリーダーと言う事で無理やり引っ張ってきた桃子を加えて高速道路解放戦線、威力偵察の感想を聞き合う。
「まあ、そらそうだよな。あそこで何も思う物がないって方が人としてやばいと思うもの」
「うんうん、やっぱりモンスターキラーズの皆さんって偉いと思うよ。あたしらも初めは相当やばかったし、主に精神的にね」
「まあ、僕らは仮にも親しい人たちで乗り越えた訳だしねー……」
労うように喋る秋彦と桃子。それに対し少し悲しそうにいう石崎。少し空気がよどんできている。
話題を変えるべく秋彦がちょっと気になっていたことを聞いてみる。
「それはそうと桃子の所とエミーのとこってどんな組み合わせだったんだ?」
「え? 俺んところは全チーム俺らと同じくBクラスを8チームの班だった。第12班」
「そうなんだ。どうだった? ちゃんと討伐できた?」
「うん。と言うより途中からは敵の奪い合いになってたね。はじめは数的にもちょっと押され気味だったけど、向こうの数の優位が崩れたら、後はどんどんこっちが有利になっていったから、最終的には少しでも手柄を得るために奪い合うように敵を倒して行っていたよ」
どうやらBクラスになると、単チームでもとりあえずはやられない程度ではあるらしい。始めこそ手間取ったが、向こうの数が減ってくれば、そこから切り崩すことは訳ないらしい。
また、施設内にはやはり罠や隠れた敵が多くいたらしく、そこは関西方面出身の探索者と数による捜索によって解除したらしい。
「成程なぁ。モモはどうだったよ?」
「ぬっふっふ~、よくぞ聞いてくれました! あたしのとこは単チームだったよ。ビューティフルドリーマーだけ」
「え?! それ大丈夫……は、メンバー全員いるから大丈夫だったんだろうけど掃討できたのか?」
「うん、うちのチーム、今はちょっと相性が良ければ数も何も関係ないくらいに行けるってわかってさ。ほら、バードのアクティブスキルに鎮魂歌ってあったじゃない? あれが予想以上の効果でさ」
どうやらビューティフルドリーマーはバードのアクティブスキルの効果の検証の意味もあったらしい。
現在、ビューティフルドリーマーは桃子以外のメンバーはDPの関係で合唱だけしか覚えていないこともあって、桃子がセンターで、聞いた味方の戦闘力を上昇させる、支援効果の戦いの歌と、死霊系魔物特効効果の鎮魂歌を使い分けて歌で支援や攻撃を行うアイドルチームだ。
今回は死霊系の魔物に占拠されたサービスエリアを担当し、音響機材だけで、バード技能がどこまで通用するかを検証したらしい。
ゾンビ系、ゴースト系、スケルトン系といったアンデッドの代表格の魔物は大体いたらしいが、鎮魂歌をサービスエリアの放送も利用してサービスエリア全域に届くようにした所、歌いきる前に全滅したらしい。勿論、ボスでさえも。
「マジかよ! すげーじゃねーかそれ!」
「アンデッド特効の歌は伊達じゃないみたい。でも、それ以外には一切通用しないから、そこでバランスとってる感じかな」
「いやいや、十分っすよ! アルバム出さないんすか?! 俺買って配っちゃいますよ!」
「ありがとうエミー君。ミニアルバムで出す予定になってるよ。戦いの歌の【ブレイブヴィクトリー】と、鎮魂歌【微睡みの先に】CDとかにしても魔法の曲は効果を発揮するのかとかも検証するんだって」
「効果あったら商売あがったりになるんじゃねーの? CDだけあればいいって話にならねー?」
「そんなことないと思うけど、どうなるかもまだわかんないしね。それで話し戻すけどさ。ボスもこれで終わらせられたんだけど……ほらこれ見て!」
そういうと桃子はマイクを取り出してきた。
今まで桃子が武器として使っていたマイクだ。今の装備からすると格が3,4は落ちるが、バードスキルのレベルアップに貢献しているために使っていたものだ。
だが、今そのマイクは全体的に色が紅くなっており、赤い宝石がはめ込まれている。マイクに込められている魔力もついこの間見た時とはけた違いだ。
「あ、モモちゃん、これってもしかして」
「そうそう! たぶんだけど、魔物の魂を手に入れたんじゃないかなって思うんだけど!」
「おおー、それすごいね! 僕の杖とおんなじだ!」
「ユータンも?! やったじゃない!」
優太と桃子がハイタッチをする傍ら、興味ありげに見つめるモンスターキラーズの男子陣。穴が開きそうな程に凝視している。
「ね、ねぇちょっとそれ見せてよー、どんな装備なのー?」
「うん、僕も気になるよ。ちょっと見せて」
「ああ! お、俺も俺も! 気になるー!」
「あーもう騒ぐなよ、じゃあどうせだしちょっとスペック見てみるか」
という訳で本人の承諾を得て、二人の強化された武器を見てみることにした。
まずは優太の杖から。
【パワードキングスタッフ(虎)】
≪ニンフの杖にパワード・ゴブリンキングの魂が宿り、ファイアータイガーの素材を得たことで進化したもの。火炎虎の素材と、魔法鉱物を取り込み、炎使いにとってさらに強力な力を行使する事が出来るようになった。
また、それに伴い炎の妖精を召喚、使役することも可能。
主の成長に従いさらに成長する。
肉体力+2,500
魔法力+6,000
特殊効果:
炎纏Lv1(杖を持っている間は、常にファイアーエンチャント状態になる)
精霊召喚(炎)Lv1(精霊を召喚し、使役する。使役している精霊は従魔扱いとなる)
???(さらなる成長にて解放される)
特殊能力:自己改造Lv1(持ち主の成長に従い、自ら素材を取り込むことで肉体力と魔法力を上昇させる)≫
特記事項:ユニークアイテム(この世にたった一つしか存在しえない装備である)
使用者制限:石動優太のみ
続いて桃子のマイクだ。
【パワードワイトマイク(宝)】
≪呪歌姫マイクに宿るパワード・ワイトの魂が宿り、ルビー・カーバンクルの素材を得たことで進化したもの。緋宝石獣の素材と魔法鉱物を取り込み、炎だけでなく光属性の魔法も使えるようになった。
また、このマイクを使用してバードスキルを行使すると、バードスキルの効果が上昇する。
主の成長に従いさらに成長する。
肉体力+1,500
魔法力+7,000
特殊効果:
スペシャルマイクLv3(バードスキルのスキルレベルを上昇させる)
輝きのアイドルLv1(輝くアイドルの光はあらゆる魔法を跳ね返す。戦闘が始まってから一度だけ攻撃魔法を相手に跳ね返す)
???(さらなる成長にて解放される)
特殊能力:自己改造Lv1≫
特記事項:ユニークアイテム
使用者制限:楠桃子のみ
驚きの成長具合だ。武器として両方魔法に偏っているものの上がり幅がすごいことになっている。
「うーん、いいなぁ……元は大したことのない装備でもここまで変わるのかぁ」
「ちょっと次は魂をゲットできるようにしなきゃ……これは大きい」
武器をもって盛り上がる一行。食事が済んだら、再びの会議場だ。今回の威力偵察の最終的な結果報告が待っている。
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次の投稿は3月4日午前0時予定です。
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