第百三十三話 大阪入り、会議場到着
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蘭怜佳@小説家になろう様(@araragino87)より、ファンアートを頂戴いたしました!
こちらになります。
デフォルメされた可愛らしい姿のジュディです。ポニーテールを下ろした姿ですね。
これも皆さまからのご愛顧の賜物です。特に今回は蘭怜佳さん、本当にありがとうございました!
蘭怜佳様のツイッターはこちらです!
https://twitter.com/araragino87
これからもりあダンをよろしくお願いいたします!
騒乱騒ぎの様な歓迎を受けて、バスで向かう先は、大阪府立国際会議場である。
本来、関西国際空港から大阪駅まで空港リムジンバスで60分、その後電車を乗り継いでいく道のりなのだが、今回は特別に直通のバスを用意したらしい。つくづく手際がいい。
これを行うためにギルドと政府はどれだけ無茶を通したのだろうか?
そしてそんな無茶を通してまで地方都市奪還作戦を強行する理由とはいったい何なのだろうか?
謎は尽きないが、とりあえず会議場へ直行だ。
今、大阪府立国際会議場は多くの探索者達が集い、作戦発令の為の説明を今か今かと待ちわびているところだ。勿論テレビ各局及び民間のマスコミたちも。
現在の大阪の盛り上がりっぷりは、もはや祭りでもこうはならないであろう程の賑わいだ。
今大阪にいる人物は地元の人々だけでない。
テレビで会議を行う予定が発表されたあの日から、飛行機は連日満員になり、何とかこの会議があるうちに大阪へ行き、会議を近くで鑑賞、あわよくば探索者とお近づきにと考えている人々や、そんな人々の緩んだ財布を目当てに動く商人たち等様々な人々が大阪に来て、早くも祝勝会を上げかねない勢いで大騒ぎしているのだとか。
ダンジョンが始まってから辛酸をなめさせられっぱなしの人類の反撃とは、ここまで大きな騒ぎになるというのか。
「テレビ局もあっちこっちから来てるっていうし、本当に大騒ぎの最中だなぁ」
「それはそうに決まってるわよ。知ってる? 海外のメディアだって日本支部がある所はみんなここに来てるんだから」
「あらま、ホント……そこまでなのかよ」
「……今はどこのテレビ局も特番しかやってない。今世界中が日本に注目している。おかげで株価も上がっている。日本の復活を期待しての買い注文が多いらしい」
「あ、そうなんだ……株はよくわからんけど」
「僕も」
「……二人とも少しは興味を持った方がいい……というか二人もちょっと投資して経済活動を手助けするべき」
「あ……あー、うんまあ、そのうちな」
などと話しつつ、バスは進んでいく。
………………………………
そうこうしている間に大阪府立国際会議場へ到着した。
到着した後もマスコミや地元の歓迎で埋め尽くされていた。他の人々、特に今回の作戦に地位や名声や得るために参加している第二陣の色めき立ち具合は凄いものがある。
すっかり慣れた様子でテレビカメラや集まってきた人に笑顔で答えながら大阪府立国際会議場に入っていく。
通された場所は五階にあるメインホールだ。二千五百人以上を収容可能であり、幅20mのステージに、大型スクリーン。音響、照明、同時通訳設備を備えた場所である。
探索者側は総勢約五百チームおり、さらに一チームが平均で五人であることからして、すべてのチームをギリギリ収納できることから今回の会議の場所に選ばれたようだ。
会場はすでに満員に近く、どうやら関東チームが一番最後だったようだ。また、探索者以外もマスコミや自衛隊の要職等も参加しており、その様子も様々だ。
だが、関東チームが会場入りした瞬間、ざわめいていた会場が一瞬で静まり返る。
そして先ほどよりもさらに大きくざわめき始める。
「さあ皆。君たちの席はここからだ。チームごとに集まって列になってついてくれ」
雨宮の案内に従い、順序良く列を作り座っていく。
「じゃあ悪いんだけど、僕はそろそろ運営側と合流する。まだ時間はあるから周りを歩いてきてもいいし他のチームと交流を図っててもいい。けど時間になったら席についているようにはしておいてね」
全員をいったん座らせてから、雨宮はそういうとそそくさとその場からいなくなった。
準備も相当切羽詰まっていたらしい。大慌てという程ではないが早い足取りにそれを感じざるを得ない。
ともあれまたしばらく待ち時間となるらしい。一応秋彦、優太、ジュディ、茜の四人は同じチーム扱いだが、桃子はすでに別チーム扱いになるようで、少し距離は離れてしまった。秋彦達のクラスメイトチームも同様だ。
まあ今離れている分には問題ない。どうせ会議中は私語厳禁で話を聞いていなきゃいけないのだ。
自由時間に会いに行けばいいだけの事。
とりあえず秋彦はモンスターキラーズと桃子に連絡を入れてから、レインボーウィザーズのメンバーを連れて会場を出て自動販売機の所に来る。
とりあえずお茶を買ってメンバーに手渡す。
「まずは一つ、お疲れ様だな」
「やっとここまで来たわね」
「……長かった」
「本当にね。僕、大阪なんて始めてきたよ」
ガラス張りの窓の外、三階から下を覗くと人が相変わらず出待ちしているのが見えた。テレビ中継するんだから家で見ればいいのに、とは思っていても口に出せない迫力がある。
「お疲れー!」
「おう、桃子、こっちこっち」
そういっていると桃子とビューティフルドリーマーのメンバーがこっちにやってきた。
……後ろにカメラマンとADを伴っているが。
「あれ? みんな連れてきちゃったの?」
「一度挨拶させておかないといけないなって思ってね」
「ああ、成程。えっと、で……」
そういってから優太が気まずそうにADの方を見ると、カンペらしきものを掲げてきた。
『無視して結構です。自然な会話をしてください!』
そう書いてあった。優太もそう指示を受けて尚相手にはしないらしく、ため息一つついて桃子とビューティフルドリーマーに向き直る。
「あとさ、悪いんだけど俺のダチのチームも呼んじまったんだが」
「いいよいいよ、赤龍で一緒にご飯食べた人達でしょ? あの人たちとも良い仲を築いていきたいからね」
「そうか、サンキュー。なんか飲むか?」
「私オレンジジュース!」
「おいーっすアッキーっておわぁ!?」
「おーう皆来たか。こっちこっち」
そうこうしていたらビューティフルドリーマーのファンであるエミーの声が聞こえた。どうやら生のフルメンバーに対して驚いたらしい。その後モンスターキラーズの面々もやってきたので、再び全員にジュースを配って一息つく。
「さて、お初ですな。ビューティフルドリーマーの皆さん。お互い話には聞いていても、こうして会うのは初めてなわけですから、自己紹介いたしますね。私、レインボーウィザーズのリーダーを務めさせていただいています。南雲秋彦と申します」
改めてわざとらしく大仰に頭を下げておく。
その後、その場にいる全員が挨拶を一人づつしていく。
南雲秋彦率いるレインボーウィザーズ、エミーもとい笑屋健治率いるモンスターキラーズ。そして楠桃子改め桃坂桜率いるビューティフルドリーマーが、初めて全員そろって顔を合わせ、話をした、最初の瞬間であった。
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