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りあダン! 現実世界にダンジョンが?!  作者: 大道寺 禅
地方都市奪還作戦 高速道路解放戦線編
131/385

第百二十九話 会議の詳細と今後に対する不安

累計PV数196万突破しました!

これも皆さまからのご愛顧の賜物です。

これからもりあダンをよろしくお願いいたします!

 地方都市奪還作戦が本格発令して数日後、関東のシルバーランク探索者やブロンズランクの有志達は全員悪夢の終焉(ナイトメアターミナス)に集められた。勿論日本探索者ギルド連盟会議出席のための手筈の確認のためだ。

 会議室ではシルバーランク探索者やダンジョンポリス、アイアンランクの有志の面々がそろい踏みで雨宮の説明を聞いている。


「いやー、皆さん申し訳ない。発表が急になってしまって。それでもこちらの調べの結果、あまりもたもたしていられないことが判明したんだ」


 雨宮はいつもの柔和な笑顔で話をするが、目の下に出来たクマが激務を思わせる。


「その事情についても日本探索者ギルド連盟会議にて説明をするから、今はまず大阪に行くための説明をしようと思う。皆、席においてある物を見てほしい」


 雨宮に促されるままに茶封筒の中を覗いてみると、紙が入っていた。取り出してみると、それはチケットだった。飛行機に乗るためのチケットだ。


「うん、これが今回の移動手段。今は高速道路って使いづらい、というか事実上使えないからね。大事を取って飛行機で向かうことになったんだ」


 なるほど、と秋彦は思った。

 魔物があちこちに蔓延る中、今の日本、いや日本のみならず世界中で今唯一、世界中にダンジョンが出来る前とあまり変わらずに稼働している飛行機で行くのならば、予定的には見通しも付きやすいし、早々と目的地に着ける。


「出発予定日は、高校生とかも割と多いことを考慮して大体の学校で終業式が終わるであろう日の少し後、七月二十一日に羽田空港から、関西国際空港に飛ぶことになった」


 それを聞いて、秋彦達はスマホを見る。

 今は七月の十八日だ。秋彦達の学校では七月前半に期末テストを行い、その後しばらくは補習対象者だけが学校で先に補習を行う形を取っていたので、補習対象外の生徒は早めの夏休みが始まっていたのだが、その関係で終業式はまだ行っていなかったのだ。

 終業式は七月二十日。ドンピシャだ。

 秋彦は実は今まで京都や大阪などの関西圏に行ったことが無かったので、テレポーテーションが使えなかったからすごくありがたい。一度行ってしまえばあとは魔法でいつでも行けるようになる。


「日程調整とか本当に厳しいのは重々承知なんだけど……チョークの集まり具合とかも諸々加味してやるしかないと判断したんだ。お願いだ、僕たちも必要なら全力でバックアップをする。どうか国に、ギルドに、そして僕に力を貸してほしい」


 雨宮が深々と頭を下げる。

 どうもこの下げられた頭を見ると、その気にさせられてしまうから不思議な物だ。それに今はギルドに集められた探索者の士気が高く、雄たけびの様に声を荒げて意気込みを語る人々も多い。

 声を高らかに上げる先発の探索者ではない、自分の知らない探索者達。これは負けていられないと思う反面、浮ついているようにも見える。少しの頼もしさと、少しの不安を感じる。


「残りの時間も少ないし、呼びつけた僕が言えたことではないけれど、残りの時間。十全に万全に準備を行って欲しい。地方都市奪還作戦を見事完遂し、生きてギルドに帰って来よう!」


 その場にいる全員から拍手が送られる。


「今回はギルドの緊急クエストだ。当然報酬も期待していてほしい。国の防衛費からも一部賄われているしね。頂く物をたっぷりいただいた暁には、またみんなで食事会でもしようじゃないか!」


 拍手の音がさらに多くなり、口笛やヨイショの声も混じってくる。


「では僕からは以上だ。解散!」


…………………………………………


 その後は全員ドタバタと今後の為にあちこち動きだしてしまった。ジュディは本国であるイギリスの両親に連絡を取り、茜も両親に呼び出されて、田村崎さんと一緒に家に戻った。優太も、寝泊りの準備や、実家の料理屋のためにやっておくことがあると言い、秋彦のテレポーテーションで戻っていった。

 ちょっと旅行の様な準備をするだけでいい秋彦は気楽な物だ。

 そう思うと、ふと考えてしまう。

皆自分の領分を持っていて、その領分をもって自分や仲間をサポートしている。自分は果たしていったい何をチームのためにしているだろうか?

 せいぜい最近始めた装飾具をメンバーに渡すくらいしかしていない気がする。今の自分は戦い意外には役に立っていない気がする。

 家に帰って来て自室でパソコンを眺めてぼーっとそんなことを考えていると、龍ちゃんが覗き込んできた。


『パパ、どうしたの? お家に帰って来てから元気なさそうだよ?』

「ああ……龍ちゃん。いや、何でもないよ」


 そういって龍ちゃんの頭を撫でてやる。

 進化も終わり、大きさ自体は調整できる関係上変化はないが、角や鱗の光沢や爪や牙の鋭さ。喋り方からも龍ちゃんの成長が見て取れる。

 以下、龍ちゃんの現状だ。


名前:南雲なぐも 龍之介りゅうのすけ

種族名;ベビードラゴン→チャイルドドラゴン

レベル6→10(上限解放Lv20)

肉体力:600→2000

魔法力:300→1000

戦闘力:1200→3750

有利属性:無し

不利属性:無し

生まれたばかりの龍が成長した姿。成長したとはいえまだまだ幼く、立派な龍とはまだ言えない。それでも戦闘力には目を見張るものがあり、ブレスに咆哮等、龍としての攻撃は一通りすでに揃っている。うかつに戦いを挑まない方が得策だ。下手な探索者では餌になるのがオチだろう。

進化ロードマップ

ベビードラゴン→チャイルドドラゴン(魔物の肉100㎏)→???(魔物の肉1000㎏)→???(王者の冠)→???


 もはや初級ダンジョンでも通用する戦闘力だ。装備をそろえたことでこちらの方が圧倒的に戦闘力は高いとはいえ、まだレベルが10であることを考えれば十分と言えるだろう。成長が楽しみである。


『ねーねーパパ、龍ちゃんお腹すいちゃった』

「おー、そうかもうそんな時間か。よっしゃ、ならそろそろご飯にすっか。龍ちゃんもうすぐお泊りでお出かけるする事になるけど、いい子でついてこれる?」

『え! どこかにお泊りしに行くの!? 龍ちゃんいい子にする! パパについていく!』

「よし、ならちゃんと支度もしなきゃな」


 そういって無邪気な龍ちゃんの頭をなでると、将来の心配が少し和らいだような気がした。

 この子とは、いつまでも仲のいい親子の様な関係でいたい。そう思わずにはいられない一時だった。


皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります。

これからも評価、ブックマーク、感想など、皆様の応援を糧に頑張って書いていきます。

次の投稿は1月19日午前0時予定です。

よろしくお願いします!

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