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第十三話 二度目のダンジョン

累計PV9000突破、並びに日間PV3000突破、累計ブックマーク数100突破、そして10人の方から評価を頂きました!

昨日に引き続いて今日もブックマークと評価を頂いたことで、日間ランキングローファンタジー部門にて22位でランキングの順位を更新しました!

また、週間ランキングローファンタジー部門でも48位でランキング入りを果たしました!

皆様のご愛読、誠にありがとうございます!

「うおおおお! 『力よ、我が命にて、敵を穿て』フォース!」

「よいっしょ! てやあ!」


 日曜日、会議を行った次の日に二人は最初に挑んだダンジョンとは別のダンジョンに来ていた。【中谷町マンホールのダンジョン】である。

 マンホール、というだけあり、ネズミやハエ、蝙蝠といった感じの敵がウヨウヨといる。見た目がよろしくないのも相まってさっさと出ていきたいのだが……やはりそう上手くはいかないようだ。


「ふ~……だいぶ戦ったが、そろそろ良いんじゃねーか?」

「マップを……あ! やっと氾濫日数がリセットされたみたいだよ! 日時に猶予が出来てる!」

「おー! 本当だ! 良かった~……じゃあもうさっさと出ようぜ、臭くてしゃーねーわ」


 そうなのである。氾濫日数は、やはり入っただけで即リセットされるわけではなく、ダンジョンの中である程度戦わないといけないようなのだ。

まあ入って出るだけで氾濫しなくなるっていうなら誰も苦労はしないといったところか。


「まあ出たいよね……だからこそ、ここ一旦取っておかない? こんなとこ誰も来たがらないし」

「……確かにな。氾濫を抑えるために入門ダンジョンでの戦闘って粗方やって、最後、入るの凄い嫌だったけどここ入って……うん、俺らが嫌がるってんなら、皆嫌がるだろうし、ここも取っておくか。さて……2回目のボス戦か……」


 といって秋彦は自分のステータスを確認する。


名前:南雲 秋彦

レベル10

肉体力:150

魔法力:80

戦闘力:300

獲得DP:74,115

使用魔法属性:無(力)Lv3

入手スキル

【戦術】

槍術Lv3(600DP)槍術を習得し、習熟する。

格闘術Lv1+2=3(100DP+自力の強化)格闘術を習得し、習熟する。秋彦の場合は空手。

体術Lv3(600DP)体術を習得し、習熟する。

【魔法補助】

高速詠唱Lv1(1000DP)魔法の詠唱を早める。

魔法効率化Lv1(2000DP)、魔法を効率的に使用することで、消費魔力を抑え、威力を上昇させる。

魔力制御Lv1(2000DP)範囲攻撃魔法を行う時、味方を巻き添えにしない。

【補助】

解体術Lv1(500DP)モンスターをうまく解体出来るようになり、相手の急所を突きやすくなる。

魔物学Lv1(500DP)モンスターの弱点を知り、相手の急所を突きやすくなる。

【感知】

危機感知Lv1(1000DP)罠を察知し、不意打ちを受けにくくなる等、自分に降りかかる危機を感知できるようになる。

直感Lv1(1000DP)感知系スキルを強化する。


 改めて自分のステータスを確認し、頷く。

 どうやら自力で鍛えた分とDPによる強化分は別扱いになるらしく、DPで上げた分と努力で上げた分でレベルが共存されないようだ。なので、昨日【格闘術】を取得した際のDPはLv1分の100DP だけの支払いで済み、ダンジョンウォッチによる表示も足し算のような表記になるようだ。新たな発見である。

 それを確認した後、秋彦はダンジョンウォッチでチェックを選択し、ダンジョンウォッチの光を優太に当てる。すると、秋彦のディスプレイに優太のステータスが表示される。


名前:石動 優太

レベル10

肉体力:60

魔法力:180

戦闘力:280

獲得DP:73,615

使用魔法属性:炎Lv5、風Lv3、光Lv5

入手スキル

【戦術】

杖術Lv3(600DP)杖術を習得し、習熟する。

盾術Lv3(600DP)盾術を習得し、習熟する。

体術Lv3(600DP)体術を習得し、習熟する。

【魔法補助】

高速詠唱Lv1(1000DP)魔法の詠唱を早める。

魔法効率化Lv1(2000DP)、魔法を効率的に使用することで、消費魔力を抑え、威力を上昇させる。

魔力制御Lv1(2000DP)範囲攻撃魔法を行う時、味方を巻き添えにしない。

【補助】

解体術Lv1(500DP)モンスターをうまく解体出来るようになり、相手の急所を突きやすくなる。

魔物学Lv1(500DP)モンスターの弱点を知り、相手の急所を突きやすくなる。

【感知】

危機感知Lv1(1000DP)罠を察知し、不意打ちを受けにくくなる等、自分に降りかかる危機を感知できるようになる。

直感Lv1(1000DP)感知系スキルを強化する。



 どうやらチェックはダンジョンウォッチを持っている人間のステータスも調べることができるらしい。

 暗いダンジョンで、明かりが欲しくてダンジョンウォッチのチェックの光をライト代わりにしていたら、チェックの時にダンジョンウォッチから出る光が優太に当たった事で気づいた事なのだが。


「まあまあ強くなったな。魔法力も上がったし、肉体力もついでに上がったし」

「今回は役割逆にしたからね。僕も肉体力だいぶ上がったよ。魔法力も上がったし」


 そう、役割分担は大事だが、一点集中で特化しすぎると逆にそれ以外の事が出来なくなってしまう可能性と、互いに最低限肉体力や魔法力をつけなければいけないという事情があったので、今回はあえて秋彦が魔法を撃ち、優太が杖での近接攻撃を行った。

 幸い秋彦は、高速詠唱や魔法効率化を取得していたからなのか魔法も早く、威力もあがったし、優太も杖術をLv3まで取得していたこともあり、スタミナの効率が上がり、杖の攻撃力も上がった。

 なので、初めだけ苦戦をしたが、後半では、苦も無く戦えるようになっていた。


「これなら昨日ほどは苦戦しないで行けるかね?」

「大丈夫だと思う! 今度はもうビビったりしない。張り切って行こう!」

「うし。とりあえずとっとと最下層に行くか。こっからは撃破数とか気にしなくていいし、駆け抜けるか」

「はーい!」


………………………………


 レベルも上がった身で駆け抜けるといっただけあり、それほど時間がかかることもなく、最下層、要するにボス部屋の前までたどり着いた。


「いよいよだな。取り合えず、ボスは俺が前衛に戻るよ。親友は後衛を頼む」

「OK! じゃあこれ、廃墟のダンジョンで拾った新しい槍ね」

「おっと、サンキュー」


 秋彦は【中谷町廃墟のダンジョン】で拾った新しい槍を受け取り、ビュンビュンと振り回す。新しい槍は、【パイク】という長い槍だ。ショートスピアも悪くはないが、長い方が威力が出るので、決戦時はこちらを使用することにする。


「親友も、新しい杖だっけ?」

「うん、廃墟のダンジョン武器が出やすい気がするね」

「……厳選は廃人の道だから程々にしような?」

「……そうだね、もういこうか」


 ドアを開けると、前回同様、宝箱のある部屋が待ち受けていた。ただし、部屋全体が水浸しになっている。幸い水は臭ってはいないので汚水ではないようだが。やはり、それっぽいというだけで、本当に下水道である訳では無いらしい。

 バシャバシャと音をたてながら部屋の中心部へ進む。すると、奥にぼんやりと光るものがあった。それは……


「……カエル?」

「だねぇ。これがボス?」


 予想外の生き物に首をひねると、カエルが一鳴きした。

 すると、カエルの体が部屋の水を吸ってどんどん大きくなっていく。あっという間に水浸しの部屋から水がなくなり、代わりに巨大なカエルが現れた。


「ボスだったな。じゃあ始めるか」

「よーし、やるぞ、やるぞー!」


 巨大生物も一度見てしまえば少しは心持も変わってくると言う物。慌てず騒がず武器を構える。

 カエルはぴょん、と小さく跳び、ぴょんとちょっと大きく跳んだあと、もう一度ぴょんと跳んだ。天井に届きそうなほどに大きく。こちらに向かって。要するに……ボディプレスだ。


「落ちたところ狙うぞ」

「はいよ」


 タイミングを計って、押しつぶさんと落ちてきたカエルをかわす。落ちてきたカエルは目を回している。何ともわかりやすい弱点だ。

 秋彦が目を回しているカエルに飛びかかり、槍を上から思い切り突き刺す!

 そしてそれを確認した優太が、炎魔法を秋彦もろともカエルに叩き込む!

 炎はカエルを焼くが秋彦は焼かれていない。魔力制御のおかげである。魔力制御は範囲魔法を行っても味方を巻き添えにしないスキルだが、まだ慣れていないので時々秋彦に攻撃が当たってしまう時がある。しかしこのスキルは味方を巻き添えにしないと練習にならないので、余裕があるときは秋彦も攻撃を受ける覚悟で敵に飛び込んでいくのだ。

 秋彦は、優太の攻撃を確認せずに、先に向かって行ったら、魔力制御を使って攻撃していいといっている。

 今回は巻き添えにならずに済んだようだ。

 突き刺した槍を引き抜いて、優太の所へ跳ぶ。

 が、カエルが起き上がってこない。というか、カエルの体から水が噴き出ている。そして、それに比例するかのようにカエルが縮んでいく。


「……え?」

「ちょっと待てよ、まさか……」


 そしてカエルは元も大きさに戻って……動かなくなった。


「……嘘だろもう終わり?! 前回のあの戦いからして呆気なさすぎねーか?!」

「……まあ無事なのはいいことだよね……それにほら、あの時の僕ら、サッサか行ってたせいでレベル低かったし……適正レベルならこんなもんなんだよ。うん……」

「……え~……なんか釈然としねー……」


 宝箱の中身は一応確認するが、ダンジョンウォッチしか入っていない。二人は奥の部屋に進んで、台座にダンジョンウォッチをかざし、ボタンを押す。

 ファンファーレとおめでとうのメッセージがディスプレイに出てきた。今回の獲得したスコア条件はこうなった。


入門ダンジョン制覇……………………入門ダンジョンを制覇した

アナライザー……………………………ボスの弱点を突いた

ペアチーム………………………………二人の冒険者チームでダンジョン制覇

血に飢えし者達…………………………一回で100体以上のモンスターを討伐

魔法の修練者1…………………………魔法力を一定数まで鍛えた

フィジカルトレーナー1………………肉体力を一定数まで鍛えた

無欲………………………………………アイテムを拾わなかった

ダンジョンを駆け抜けろ………………目標攻略時間よりも早くダンジョン制覇


 そしてスコア自体はこうなる。


入門ダンジョン制覇……………………100DP

アナライザー……………………………50DP

ペアチーム………………………………5DP

血に飢えし者達…………………………50DP

魔法の修練者1…………………………10DP

フィジカルトレーナー1………………10DP

無欲………………………………………50DP

ダンジョンを駆け抜けろ………………100DP

 TOTAL            375DP


「……たったこんだけ……?」

「……うわぁ……少ない……」


 その量に二人は愕然としてしまう。

 当然だ。この量では槍術等、武器の習熟ならLv2まで上げられるが、高速詠唱や魔法に関わるスキルは覚えられない。なんせ魔法スキルは1000や2000がLv1を習得するのにかかるのだ。レベルを上げるならさらに多くのDPが必要になる。10回や20回は当たり前のように要求されることになる。


「ちょっとこれは……DPは慎重に使おう」

「そうだな……てか、初回特典貰えてラッキーだったな、俺ら……」

「うん……」


 足元がふらつく感覚を抑え、二人は外に出る。とりあえず今は考える気力が失せた。


………………………………


「さて、予定では明後日だよな……モンスターが溢れかえるのって……」

「うん。この辺りに関してはやれるだけやったと思う。けど……」

「他は間違いなく大混乱だろうな。どうなっちまうんだろう……この国、いや、この世界、だな」

「まあ、考えてても仕方ないよ。それより中間試験の勉強しよう」

「うげ……あ、そうだ。学術的知力ちょっとあげようっと……」

「あ、そういえばまだステータスいじってなかったね。僕も後であげなきゃ」

「俺は今ちょっとやって、勉強にどんだけ差が出るか見てみるわ。せっかくだ。格闘術でちょっと浮いた分ぶち込んでみるか」

「じゃあ僕はちょっと【ツブヤイッター】でも覗いてようかな」


 ツブヤイッターとは要するにSNSの事である。個人のつぶやきに対してコメントしたりする、ありがちな物のひとつだ。

 とはいっても優太はそんなにつぶやかない。主に他人のつぶやきに対してコメントをする程度だ。

 今日もどうでも良い様なつぶやきや、下らないゴシップであふれているツブヤイッターを見ると本当に後数日で世界にモンスターが溢れるとは思えない。

 ぼーっとした頭でそんなことを考えながら高速でつぶやきを追っていく。

 そのうちの一つのつぶやきを一瞬見て、次のつぶやきを見ようとして……先ほどのつぶやきを即座に二度見する。


「よし、ちょっと上がったぞ。さてどんなもんか……」

「秋彦!」

「うお!? な、何だよ親友」

「こ、こ、これ、これ見て!」

「え? 一体どうしたんだそんな慌てて……あ、ああ?」


 そのつぶやきにはこうあった。一枚の写真と共に。


 このイカした時計を持ってるやつ集まれ! 主要都市で開催されるこのイベントに乗り遅れるな!


 そのメッセージに添付してある画像には、金髪のイケメンがキメ顔でダンジョンウォッチを身に着け、見せていた。


皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります。

これからも頑張っていきますので、ぜひ評価感想の方を頂戴したく思います。そうしたら私はもっと頑張って作品を展開できますので。これからもどうぞ、よろしくお願いいたします!

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― 新着の感想 ―
[一言] ステータスのスキルだけは()して購入消費DP分が記載されてるけど、購入した武術や魔法スキルには消費DPが記載されていません。 全部記載するかしないか統一したほうがいいですが、多分この先の全…
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