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りあダン! 現実世界にダンジョンが?!  作者: 大道寺 禅
地方都市奪還作戦 準備編
123/385

第百二十一話 装備の受け取り(木)

累計PV数184万突破しました!

これも皆さまからのご愛顧の賜物です。

今日はクリスマスと言う事で臨時更新となります!

これからもりあダンをよろしくお願いいたします!

「いい服を買えたな~」


 装備を登録したドレスアップリングを撫でる。やはり新しい装備というのは心躍るものだ。


「じゃあ次の目的地に向かいましょう」

「ええ、向かっております」


 少し走ったところでジュディが田村崎さんに声を掛けた。


「ジュディさん、次はどこにいくの?」

「次は、木工房【フジミネ】よ。ここでは優の杖と茜の弓を取りに行くわ」

「……楽しみ」


 次は優太の武器と茜の武器を取りに行くらしい。


「おー、じゃあこれで本当に僕の装備は終わりになるんだね。あれ? モモちゃんは?」

「あたしの武器ね、今は変えないよ。あのマイクね。新スキルとして【何とかの歌】ってつくものを使うと効果が上がる効果があるんだよね。新スキルが出てきた後で出てきたみたいで知らなかったんだけどさ」

「……いずれ性能が上の物は出て来るかもしれない。けどそれは今じゃない」


 その後もわいわい騒ぎながら次の目的地に向かうのであった。


………………………………


「到着しました。ここが木工房フジミネです」


 到着した場所は、植物園の近くにある木工房だ。店自体も丸太を並べた小屋の様になっており、木工房というイメージによく合う作りになっている。

 さっそく中に入ってみるが、中には誰もいない。外の札には営業中と書かれているし、普通に店の扉は開けっ放しだったのだが。


「あれ? 誰もいない?」

「えー……すんませーん!」

「あ、はーい! 少々お待ちくださーい!」


 秋彦が大声を出したら店の奥から声が聞こえてきた。どうやら作業場に籠っていただけらしい。

 ドタバタと慌ててやってきたのは初老の男女だ。バンダナと作業着にエプロンという、いかにもついさっきまで作業をしていましたと言いたげな格好だ。


「いやはや、お待たせいたしました。私達、木工房フジミネの店長です。藤峰ふじみね 正和まさかずと申します。こちらは家内の彩音あやねです」

「よろしくお願いいたします。レインボーウィザーズの皆様、お会いできて光栄でございます」

「いえいえこちらこそ、自分たちの武器とか作っていただいちゃって、ありがとうございます」


 互いに深々と頭を下げた。頭を上げて改めて店内を見てみると、細かい木工細工が所狭しと置かれており、どれもに木の温かみが感じられる物が揃っている。


「いやしかし、どれもいいものが置いてありますね。お店の雰囲気と相まって素敵です」

「ありがとうございます、私達夫婦は木工が好きで好きで。脱サラしてこんな店を始める程でしてね」

「最近は木工素材も面白い物がいっぱい入ってくるようになりまして。魔法素材ですか。あれにもぜひ着手したくて探索者としても無理のない範囲で行って、【木工】の生産スキルを獲得もしたんです」

「妻ときたら、ノリノリでダンジョンに向かうものだから私はもう心配でして」

「あなたが木工の生産スキルが欲しいといったんじゃないですか、いやですよこの人ってば」


 なかなかの仲睦まじさだ。見ているこっちの精神力が試される構図でもある。あんまり目の前でいちゃつかれると、なかなか辛いものがある。


「あ、それでですね」

「ああ、すみません私たちとしたことが。では石動様と舞薗様の武具ですが、こちらになります」


 そういうと藤峰夫妻は奥の工房へ案内してくれた。

 工房の中は店の中よりもごちゃごちゃしていた。主に設計図や資料などで埋まっているらしい。しかし、作業場だけはとてもきれいに整理されており、そこには二つの箱が置いてあった。


「こちらが石動様の杖【ニンフの杖】です。そしてこちらが舞薗様の弓【功夫パンダの竹弓】です」


 店主が蓋を開けて見せてくれた。

 改めて見てみると、ニンフの杖と呼ばれた杖は、形状は持ち手に何かをはめるようなくぼみがある両手で持つタイプの杖だ。明るい茶色をしており、かなりの魔力を感じる。魔法使いが持つにふさわしい逸品と言えるだろう。

 もう片方の功夫パンダの竹弓も負けず劣らず強力そうな弓だ。エネルギーが漲っている。全体的に漆が塗られているのか全体的に黒いのが特徴的だ。これで矢を放ったらいったいどうなるのだろうかと、恐ろしくなる半面、試してみたくもなる。


「こちらはイギリスのダンジョンから出てきた宝箱より出てきた【ニンフの枝】を加工して作られたものです。あちらではそれなりに出て来るもののようでして」

「え、でも今輸入品って結構値が張るんじゃ?」

「はい、海洋の守護像があるとはいえ、まだ全然船に行き届いていませんからね。長い時間のかかる航海を伴う物なので、まだこちらにはあまり出回ってはいないのですが、ジュディさんの持ち込みによって今回は加工の請負となりました」

「そうか、ジュディは実家がイギリスだから……でも一体いつの間に……ていうかどうやって持ってきたんだよ……」

「私だっていろいろ動いているってだけよ」


 自慢気にウインクしてきた。やはりそこが知れないというか侮れないものがある。


「そしてこちらは中国で最近出るようになった魔物である【功夫パンダ】のドロップアイテム、というか功夫パンダが武器として振るう棍である【功夫パンダの竹】を加工して作った弓ですね。こちらは海運での輸入です」

「ああ、そういえば最近は中国が白鋼欲しさに日本に対して海運を強行してるんだっけ、なんかニュースで見たぞそれ」

「はい。いつ沈められてもおかしくないというのに、よくやりますよ……」


 そう、最近はより良い武器を求めて、中国が海運を日本に対して行っているのだ。

 別にそれは悪い事ではない。日本だって資源が不安になる頃合いで、海洋の守護像もだんだんと出回り始めていることから、海運はゆっくりとだが再開されている。

 だがイギリスやアメリカなどといった場所にも船は行く以上、現状海洋の守護像の数は船に対して全く足りていないと言える。

 しかし中国は、距離が近いからという理由で日本に対して海洋の守護像もないのに海運を強行しているケースがある。

 いつ沈められてもおかしくない上に沈められたら、中国は船を失い、日本はネット上で売買した商品を失うというどちらにとっても大損になる。

 尤も、それを防ぐために、日本は代引きにすることで、商品が届くまではお金を払わないようにするようにしているケースも増えた。そうなったら損になるのは海洋の守護像なしで航海をする中国であり、損失は丸々中国だけということになる。

 だが、それでもなお、中国の海運業者が日本と取引しようと船を出してくるのだ。護衛の船を大量につけてまで。

 騒動の終息の目途がついたとたんにこの強気の姿勢だ。驚きを通り越して呆れ、それをさらに通り越して見直してしまうほどだ。


 とりあえず改めて商品を受け取り、アナライズしてみよう。


【ニンフの杖】

≪木の精霊の加護が宿った杖。木製ではあるが加護のおかげで燃えにくい。くぼみに魔法石を付けることで様々な属性にブーストをかけることもできる魔法使い垂涎の一品。肉体力+500魔法力+2500≫


【功夫パンダの竹弓】

≪功夫パンダの持つ武器である功夫パンダの竹を加工して作られたもの。もともとが武器として使われていたものをさらに加工したことで、強度や威力がさらに上昇した。肉体力+2000魔法力+1000≫


「ほっほう! いい上がり幅だ。こりゃすごいね」

「わ、わぁ! す、すごい! こ、これが僕の新しい相棒……!」

「……凄いエネルギーを感じる。これは強い」

「うう、まああたしは後方支援に回るし、まだ慌てる時間じゃないし、いいもんね!」

「あらあら、モモったらすねないの」


 新しい武器に大いに盛り上がったところで、時間がまたおしかかっていたので、一行は次の目的地へ向かうことになるのだった。


皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります。

これからも評価、ブックマーク、感想など、皆様の応援を糧に頑張って書いていきます。

次の投稿は12月27日午前0時予定です。

よろしくお願いします!

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