第百十三話 友人チームのレベリング開始!
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これも皆さまからのご愛顧の賜物です。
これからもりあダンをよろしくお願いいたします!
「とまあ、俺らのやり口はこんなもんよ。楽なもんだろ?」
「……わぁ簡単」
「やっぱり無属性ずるいなぁ!」
「ずるくないし! こういう系統なんだもんしょうがないじゃんか!」
秋彦は、現在高校の友人チームを連れて、東京駅から行ける地下初級迷宮駅へきている。現在、二階のオークが出る階層にて秋彦達はのんびりしている。
……味方同士で殴り合うオークを鑑賞しつつ。
秋彦達がレベリングする場所はたいていここだ。ここならばオークの殴り合いを見て、時折範囲魔法で攻撃したり、共食いしそうになっている奴に対してとどめを刺すくらいで、リスクらしいリスクはほぼないからだ。
おまけに第二階層目というだけあって、倒すことで得られる経験値もかなりいい。ここは秋彦にとっては最適な狩場と言えるだろう。
「本当に羨ましいよ、僕たちじゃこんな稼ぎ方は出来ない。いや、他の誰でもこんなに早く、大量に倒すなんてできないよ。倒せる敵ではあるけどね」
しかし、ここは、普通の探索者にとって、この地下初級迷宮駅は、一階のゴブリンたち以外は、単純なクリア難易度は低い物のレベルアップのための経験値稼ぎにはあまり向いていないとされている。
一階層目にいるゴブリンは集団にまとめてスリープをかけてしまえば、ゴブリン一匹を五人そこらで集中攻撃してしまえば簡単に倒せるので楽なのだが、二階層目からはそうはいかない。
何せ二階層目は体力と攻撃力に特化したオーク、三階層目は相手が状態異常を使ってくるアンデッド集団だ。
第三階層目は当然としてもオークも意外にも一般的には経験値稼ぎには向いていないと言われているのだ。
オークはスリープやブラインドなどの状態異常によって無力化はたやすいが、持ち前の有り余る体力によってなかなか倒すことが出来ないのだ。おまけに向こうは一撃でもあたれば即形勢逆転可能な攻撃力を兼ね備えている。
ブラインドによって、何度攻撃を行っても当たらなかろうが、絶対に当たらなくなるわけではない。いつ事故が発生してもおかしくない。そしてその事故から形勢をひっくり返される可能性もゼロではないのだ。
スリープで眠らせても、攻撃を行うことによって起きるときがあるし、ポイズンやバーンで毒や火傷にしてスリップダメージを与えても、倒しやすくはなるが体力が高いと倒すのに時間がかかる。
これがボス戦など一匹や二匹しか出ない様な魔物であれば効果的な戦術で終わるのだが、雑魚戦のように数多く倒す敵においてはここまでやらなきゃ倒せないのは、倒しにくい印象しかないのだ。
だが、コンフューズの魔法による混乱付与を行えるなら話は全く変わってくる。
何しろ事故要因であるオークの攻撃力が敵に向かうのだ。持ち前の高体力もこれでならガンガン削ることが出来る。
もとよりオークは高攻撃力、高体力が売りの魔物だ。逆に言えばそれ以外は全くないと言っていい。オークには、攻撃を軽減させられる防御力もなければ、攻撃をかわすための素早さもない。故にオーク自慢の体力もあっという間に削れてしまうのだ。
おまけにオークは頭が悪く、同じオークから攻撃を受けると攻撃したオークも敵とみなし攻撃をする。なのでオークの一団をコンフューズで混乱させ、敵寄せの笛でオークを集めてしまえば、自分たちが手を下すまでもなく勝手に倒れていくので、事実上ノーリスクでレベル上げを行うことが出来るのだ。
真崎が悔しそうに歯噛みする。
「僕らの誰か一人無属性持ちがいればなぁ……」
「ない物ねだりしたってしょうがないわよ。むしろ無属性魔法使いが近くにいたってだけ幸運でしょ」
「……それはそうなんですけどね」
『そうそう! アキヒコおじちゃんとお友達なのは自慢出来るのよ!』
真崎を諌めたのは敵寄せの笛を吹いていた桃子だ。そう、いるのである。
昨日茜に笛を借りようと連絡をしたら、桃子に貸したとの事だったのだ。テレビで道具の検証コーナーの収録を行った際に使ったらしい。なので桃子に連絡を取ったら、珍しく今日は休みだったらしく、このレベリングについてきたのだ。茜からしても、男との間接キスに繋がるのは嫌がるだろうし渡りに船ではあったのだが。
そして当然桃子の従魔であるルビィちゃんも来ている。早々とファイヤーエンチャントの魔法石を優太に作ってもらい、大粒のルビーは宝石店で探し回って手に入れ、早々と進化させたようだ。
ステータスは以下の通り。
名前:楠 ルビィ
種族名;レッドストーン・カーバンクル→ルビー・カーバンクル
レベル1→12(上限解放Lv20)
肉体力:10→480
魔法力:10→1200
戦闘力:10→2100
有利属性:水、闇
不利属性:炎、光
スキル
体長調整:(【従魔スキル】【アクティブ】自身の大きさを自在に変える。最大で元の大きさ程度。最小で蝿1匹程度)
宝玉の赤き輝き:(【モンスタースキル】【アクティブ】額の宝玉から出る炎で敵を焼き尽くす)
ルビービーム:(【モンスタースキル】【アクティブ】額の宝玉からビームを出す)
宝玉光のヴェール:(【モンスタースキル】【アクティブ】額から発せられる優しい光から紡がれる、光のヴェールを味方にまとわせる。一定時間敵からの炎・光魔法を無効化させ、闇・水魔法の威力を半減させる)
レッドストーン・カーバンクルが進化した姿。
愛くるしさはそのままに、額の宝玉が美しく、さらに強い輝きを放つようになった。並大抵の炎や光では傷つけることはかなわない。
仲間に対してとても愛情深く、額の宝玉の光で仲間を守り、幸運を授ける。
進化ロードマップ
レッドストーン・カーバンクル→ルビー・カーバンクル(大粒のルビー。ファイヤーエンチャントの魔法石)→???(紅の宝玉)→???(天女の涙)→???
戦闘力はチーム断トツのトップである。広範囲攻撃もさることながら、味方に対し強力なバフをかけることが出来ることも素晴らしい。
「しかしルビーちゃん立派になったな」
『うらやましーなー』
『きょうでしんかできるようにするのです!』
なお、今日は龍之介と、コロナちゃんも連れてきた。この二匹はちょっとレベルの上がりが悪いので、今日で進化出来るようにレベリングさせているのだ。
「皆には悪いんだけどさ、俺らも今日以降はあんまり付き合えないからさ、今日でレベル上げ完了させるつもりで行くぞ?」
「望むところだね。地方都市奪還作戦まで時間がないんだし、作戦開始に滑り込めるようにレベルアップして、とっとと初級ダンジョン制覇するよ」
「そうそう、それにこんなに楽なら一日中いればレベルアップもそれなりの所に行くさ!」
意気揚々と話すエミーと真崎。このチームの平均レベルは15らしい。別にさぼっているわけではなかったのだが、やはりちょっとレベル上げにてこずっているようだ。
今日一日で、どれほどレベルがあげられるものなのか。正直秋彦もちょっと楽しみではある。
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これからも評価、ブックマーク、感想など、皆様の応援を糧に頑張って書いていきます。
次の投稿は12月3日午前0時予定です。
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