第十一話 対策
累計PV3700突破、並びに日間PV1500突破、累計ブックマーク数30突破、そして三度目の評価ありがとうございます!
そしてそしてなんと!
昨日に引き続いて今日もブックマークと評価を頂いたことで、日間ランキングローファンタジー部門にて30位でランキング入りを果たしました!
驚きと、喜びと、皆様からの期待を胸に、これからも頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いします!
ダンジョンからでた秋彦と優太は、今後のダンジョンに対する対策を相談するために秋彦の家に向かう。途中で飲み物やお菓子を買っていくあたり遊び半分なのか現実味がないのか、あるいは大物なのか。
秋彦の家は、優太の住む商店街に近い一軒家だ。両親は海外へ仕事に出ており帰国の目途は立っていない。今となってはそれが正直ありがたい。
帰って早々、菓子を広げながらの会議が始まる。BGM代わりにテレビをつけるとニュースが流れていた。
秋彦たちは気にせず会議を始める。
「とりあえずどっちの話からする?」
「ん~、そうだな……自分の成長もそうだけどやっぱ商店街周りどうするかだよな。赤龍さんぶっ潰れたら俺泣くぞ?」
「縁起でもないこと言わないでよ……僕んちが潰されたら、絶対ダンジョン許さないし」
「で、だ。とりあえず見てみたらこの辺りにあるダンジョンは4つか」
優太の実家である中華料理店【赤龍】のある【中谷商店街】の近くにあるダンジョンは全部で4つ。【中谷町廃墟のダンジョン】、【中谷町林のダンジョン】、【中谷町マンホールのダンジョン】、【中谷町路地裏のダンジョン】
うち三つは入門編であることがダンジョン検索の表示からわかるが、問題は一つだ。
「【中谷町林のダンジョン】……ここ、初級ダンジョンだな」
「しかもここ……割と商店街の近くだね……」
「ああ。ここ放っておいたら間違いなく大変なことになんぞ」
「攻略……出来る?」
「わかんねー。だが、攻略まではする必要ねーんじゃねーか?」
「え?」
「ライゾンの奴、その日数を過ぎてだれもダンジョンに入らず、モンスターを倒さないでいた場合ダンジョンから魔物が溢れ出るっつってたろ? だから……」
「そうか、入った時点でも氾濫日数がリセットされる可能性があるんだ!」
「ああ。だが楽観視はできねー。が、そこはそれでいいと思う。後どうすっか。他の入門ダンジョン」
「そうだね……遅かれ早かれ露見はすると思うんだよね……」
「じゃあ放置すっか?」
「ていう訳にもなぁ……うん、せめて氾濫の日数を遅らせるくらいでいいと思う。それか先に発見してもらって場所の把握してもらえればなぁ」
「てか氾濫したときの世間の反応がわからんし……何より俺らじゃ止めようがねーし」
「だよね……」
「とりあえず世間の反応見たいって気もするが……大丈夫なのかね人類……」
「それは……わかんないけど……」
意気消沈していると、テレビのニュースキャスターが気になるニュースの報道をした。
「次のニュースです。本日、全国各地で謎の横穴が発見されております」
「んん?! あんだって!?」
「秋彦、しー!」
二人はニュースを食い入るように見る。
ニュースによると、今日になって全国各地に謎の横穴、という名のダンジョンがあちこちで発見され、対応に追われている。
調査をすると見たこともないような大きなネズミやら蛇やらが出てきて調査に入った警察や一般人。あるいは大学の研究チームなどが被害を受けたらしい。
今はもっぱら害獣駆除の専門家や便利屋といった人たちが駆り出されて対応しているのだとか。
「こういう人たちって強くなっているのかな?」
「たぶんそうなんじゃねーのか? 流石にこういったところで発言はしねーだろうけど……あ、親友!」
「あ! 今の人ダンジョンウォッチ着けてた!」
インタビューを受けていた便利屋がダンジョンウォッチをつけていたのを秋彦たちは見逃さなかった。と言う事はダンジョンを走破したのか。流石に入門というだけあり、一日がかりなら走破出来る様にはなっているようだ。
「う~ん、これは入門ダンジョンに関しちゃ本当になんとかなるかもな」
「だねぇ。ああ、でも、こういった人たちと連絡とりたいなぁ」
「……なんとかアポをとれんもんかな」
だが目下最大の懸念材料はそれなりに薄まった。この調子なら何とかなるだろう。やはり問題は……
「初級ダンジョンだな。問題は」
「うん……ああいう人達が今後も増えてくれればいいんだけど……」
「少なくともこの辺りは俺らが受け持つ感じだな。で、それと並行するのがこの……」
「DPの使い所だね」
「ああ……」
今回DPを手に入れたことで、秋彦たちはかなりの戦力増強を行うことができるようになった。しかしだからと言って無駄遣いするわけにはいかない。慎重に決めるべきなのだ。DPが無限にあるわけではない以上、慎重すぎるくらいでちょうどいい。
「とりあえず魔法とかどう? ちったぁ強くなったか?」
「僕はばっちりだよ。炎魔法がレベル3まで行ったし、使っていない風と光まで2になったよ!」
「攻撃魔法も?」
「ちょっとだけどレパートリー増えたよ。秋彦は?」
「俺は……無属性がレベル2になったんだが……」
「が?」
「……どうも戦闘向きなのがちょっと少ねーんだよな……防御力を高める魔法の【バリアー】はいいとして……パワーで力を込めたものを自在に操る【コントロール】ってのとかな。しかし……よくわかんねぇな。パワーは武器の攻撃力上げるもんじゃないのか?」
「ねぇ、そもそもパワーって、どういう説明があった?」
「え? えっとだな。「対象に力を籠める」だったな」
「そっか……う~ん……ちょっとテレビ消すね?」
何か思いついたらしく、優太はテレビを消し、コンセントを引き抜いた。
「え、親友?」
「秋彦。これにパワーをかけてもらえる?」
「え、テレビにか?」
「うん。予想が正しかったら、多分これ。コンセント抜けてるけどリモコンでテレビつくと思うんだ」
半信半疑だったが、秋彦はパワーをテレビに唱える。すると……
「電源ランプがついた!?」
「じゃあリモコンで……やっぱり。起動した」
優太は予想通りとうなづく。秋彦は驚きうろたえる。
コンセントがつながっていないのにテレビがついたのだ。
「パワーで槍が強化されたのは……?」
「たぶん、使い方の一つってだけだったんじゃないのかな?」
「な、なるほどな……」
「しかしそうするとこれ大分使用法が多いねぇ」
「つったって、あんまりバンバン使えねーけどな。結構消費激しいし……フォースとかめっちゃ負担になるから使えなかったんだよなぁ」
「今後の課題だねー。入門ダンジョンでそこらへんガンガン使っていったりもして、せめて強化魔法は普通に使えるようになろうよ」
「……今回そこらへんちょいテコ入れすっか……」
新たに自らの魔法に可能性を見出したものの、その先の苦労を思い、ため息がこぼれる秋彦であった。
皆様からのご愛顧、誠に痛み入ります。
これからも頑張っていきますので、ぜひ評価感想の方を頂戴したく思います。そうしたら私はもっと頑張って作品を展開できますので。これからもどうぞ、よろしくお願いいたします!