第一話 南雲秋彦
初の小説家になろう投稿です。
どうかお手柔らかに。そして生暖かく見守ってくださいますようお願い申し上げます。
世の中というものは、巨大な生き物のようなものであり、世の中の変化というものは、起こるときは突然だが、起こる要因自体は前々からあり、それが積み重なっていった結果なのである。どんなものにも原因があるから結果があるのだ。いわゆる因果律と言う物だ。
だが、この変化に関しては突然起こった。少なくとも何か原因があるようには見えなかった。少なくとも今の人類には。
これはこの世の中の変化の最前線にうっかり立ってしまった少年達の物語である。
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「ふああ……眠い……」
「しっかりしろよ、後一週間は続くんだぞこれ?」
「ああ……ゲームしすぎた」
「馬鹿。そろそろ生徒が本格的に来始めるんだからしゃんとしろって、俺ら風紀委員なんだから」
「へーい」
ここはとある県のとある高等学校の入り口。そこに立つ彼らはこの学校の風紀委員で、現在挨拶運動および校則違反の服装を取り締まる風紀委員としての活動を行っている。一か月の持ち回りだ。
来る生徒来る生徒に「おはようございます!」と明朗快活に挨拶をしていく。それに対し、生徒も挨拶を返し、学校に入っていく。
が、入っていった後に小声でひそひそと話している言葉が耳に付く。
「なんだあのデカいの……」
「怖い……」
デカいの、とか、怖い、とか言われているのであろう方は、短くため息をつく。
まあ無理もないだろう。体のデカさは本人も自覚している。なんせ2mを超えているからだ。正確には201㎝。しかも体重は102kg。縦にも横にもデカい。おまけにその体重が引き締まった筋肉ゆえだというのだからなおさら怖い。格闘技(空手)をやっているため、本格的に体を鍛えていたのだが、中学に入ってから自分でも驚くほど急激に伸びて、こんな体が出来上がったのだ。
とはいえそれ以外は全くの普通であり、平均並みの頭と年長に対する礼儀正しさから先生からは好印象を得ている。
彼の名は、南雲 秋彦
世の中の変化の最前線にうっかり立ってしまった少年の一人であり、この物語の主人公というべき少年だ。
彼が世の中の変化に飛び込んでしまうまで、もう間もなくである……
少し短めですが、今回はここまでです。