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外伝(3)


極限まで無駄を省き、無の境地にて執筆。現在に至ります。



30分が限りなく長く感じるアニメである。

なんとなくそう思った。


――――――


「支度を整えたら出発よ」


王様の話が終わった二人は城下町で買い物することにしていた!


「支度って言ったって何をすればいいのさ?」


「お金貰ったでしょ?それで食料なり武器なりを揃えたら?私には伝説の剣があるし、元は魔法使いだから武器は必要ないけどね」


「お金か。王様から貰ったのは……50Gだぜ?」


「えっ、50!?」


「…あ、もしかしてこっちの世界の相場じゃ50Gってかなりの大金だったりする?」


「いえ、たしか50円と同じくらいの価値しかないわ」


「あのクソ眉毛……」


勇者は歯ぎしりをした!


「はあ、やれやれ。それじゃ大した物買えないわね。仕方ないから一回私の家によりましょ。そこで準備して出発よ」


「あ、その前に武器屋とか見ていきたいんだけど」


「ん?どうして?50Gしかないのわかってる?」


「そりゃそうだけど……。ほらこの世界来るの初めてだから、ちょっと興味があるといいますか……」


「しょうがないわね。武器屋はこっちよ」


勇者とスフィンは武器屋に行くことにした。


「覆面かぶったオッサンが店を切り盛りしてんのかな」


「頭、大丈夫?」


武器屋についた!


「いらっしゃい」


「とりあえず見せてもらうわね」


「へい、どうぞ!」


「…冷やかしの許可をいただいたわ。ん?どうしたの、勇者様?」


「……どうしたもこうしたも、」


勇者はショーウィンドーに張り付きながら呟いた。


「なんで銃が売ってんだよ……」


勇者の視線の先には黒光りする拳銃が何丁もあった!


「なんでって、……武器屋だから?」


「いやいや、おかしいでしょ。剣とか槍とか盾とかブーメランが売ってるのが普通でしょ」


「ブーメランはおかしい」


「なんでこの店は壁一面に銃しかなく、剣が置いてないのさ!?うおっ、スナイパースコープまで売ってる!」


武器屋というより、銃の専門販売所といった様子だった。


「そりゃ銃は剣よりも強しだからよ。遠距離からリスクなしで相手を殺傷できる武器のほうが強力だもの」


「それは俺の世界の常識だ!こういう、剣と魔法が支配する国……みたいなノリだったら武器屋にあるのは剣じゃなきゃだめでしょ!」


「そうは言われても、余暇のハンティングは人気の娯楽の一つなのよ」


「どっかの金持ちのボンボンかよ!」


「かくゆう私も鹿追にかけちゃ一級の腕を持ってるんだから」


「魔法使いじゃないのかよ!」


「とまぁ、お店で騒ぐのは迷惑よ。冷やかしなんだからせめて静かに見ましょ」


「あ、ああ、そうだな……」


勇者は完全に意気消沈していた。


「どうしたの?まだ不満でも?」


「いや、ちょっとな」


「言いたいことは一度に出した方がすっきりするわよ」


「ああ、じゃこの際言わせてもらうけど」


「うん」


「俺、王様から50G以外に武器受け取ってるのよ」


「あら、いいじゃない。やっぱり50Gじゃ少なすぎるもんね。で何を貰ったの?マグナム?リボルバー?」


「銅の剣」


「え?」


勇者は銅の剣をかかげた。


「拳銃が流布している世界で、銅の剣って、…はぁ」


「あ、えーと、まあ」


スフィンはかける言葉に困っている!


「お、落ち込むことないわよ」


「なんでさ?」


「ま、まず武器代が浮いたじゃない。ここの店の武器はどれも10万Gを超える高価な品物ばかりだもの」


「そりゃあな」


「そ、そうよ!ぶ、武器があるならこんなとこに長居は無用!取りあえず出ましょ」


「あ、ああ」


二人は武器屋を飛び出した!


「……はぁ」


勇者は落ちこんでる。


「お金が使わなくて良かったじゃない」


「50円浮かせてどうすんだよ」


「う、あ、そう、言い忘れてたけど、武器や防具はちゃんと装備しないと意味がないわよ」


「あ、それお前が言うんだ」


「さあ、私の家に寄りましょ」


スフィンはこの話題をスルーすることにした!


(考えてみれば女の子の部屋に入るのなんで小学生以来かもしれん)


勇者もこの話題について触れるのは止めることにした!


「さ、ここが私の家よ」


「思ったよりは普通だな」


スフィンの家についた!


「どんな家を想像してたのよ?」


「お菓子の家、とか」


「愉快な頭をお持ちね」


「ただ言ってみただけだよ」


「じゃ、準備してくるから、ちょっと待ってて」


「え?」


(入れてくれないのっ!?)


「ん?」


「いや、だって、ね?」


「なに、どうしたの?」


「……そう、だよね。普通、そうだよね」


「もう、わけわかんない?一体全体どうしたのよ?」


「いや、別にぃ。じゃ、ここで待ってるから準備してきてください」


「すぐ戻るわ。あ、覗いたら極大消滅魔法かけるから」


「アイアイサー」


勇者は渋々まつことにした。

スフィンは家に入っていった。


―――――

このアニメを見ていてふと、去年の合宿のことを思い出した。

たしか和水んちのメイドのイロハさんと一緒にRPGごっこと称して色々とバカやったもんだ。

実はというとあんまり記憶に残っていない。

きっと忘れたいという思いが強いからなのだろう。

俺の高校生活は忘れたい思い出ばかりである。

やり直したいとは思わないけど。めんどくさいから。

――――――



(平和だなぁ。異世界とは思えないくらい長閑だ)


勇者はあくびをした。


(……マジでこれから魔王とやらを倒しに行くのかな……、だとしたら洒落になんないよな。俺まだ死にたくないし)


一人になった勇者は冷静に物事を考えている。


(そもそも俺は勇者じゃないじゃないか、無理矢理同行させられてるだけの一般人。全部スフィン一人でやればいいことじゃないか。めんどくさいし)


「おまたせ」


スフィンが帰ってきた。


「おう」


「それじゃ、行きましょうか」


「え、ちょっとまってよ」


「なに?」


「旅の準備ってそれだけ?」


「ん?そうよ」


スフィンはリュックサックを背負っているだけである。


「近くの山に遊びに行くんじゃねぇぞ!魔王を討伐しに行くんだろ!?なのに君のその軽装はなんだ?事の重大さわかってる?魔王舐めてんのかッ!?」


「え?舐めてなんかないわよ。でも、私は騎士じゃなくて魔法使いだからそんなに装備は必要ないのよ。伝説の剣さえあれば十分」


スフィンはカッポンをかかげた!


「君はそれでいいかもしれない。だが俺はどうなる?」


「え?」


「見ての通りひ弱な異次元人の俺は戦闘要員じゃない。そんな俺の持つ武器は銅の剣だ。こんなんで魔王と対峙できるわけないだろ?」


「まあ、それもそうね」


「だろ?だから俺は武器ないし防具を要求する。よくよく考えたら俺の防具、パジャマだし」


「あ、言われて見れば寝間着っぽいわね」


勇者

E銅の剣

Eパジャマ


スフィン

Eカッポン

E布の服

Eリュックサック


「寝起きでクエストはしたくないな。だから鎧、もしくは服。それが無理なら強力な武器が欲しいところだ」


「鎧か……うーん、ウチにそんな金ないからなぁ。知ってる?アレって結構高いのよ」


「国家予算でなんとかなんないのかよ?魔王はこの世界の脅威なんだろ?だったら国の後押しくらいあってしかるべきだろ」


「国の予算編成的に国力を魔王に傾けることができないのよ。残念だけど魔王討伐は宮仕えの有志なの」


「それにスフィンは参加したわけか。……なんで?」


「出世の足がかり」


「それに俺を巻き込むなよ……」


「今のは冗談だけど、無関係だった異世界の住人のあなたを巻き込んだことは正直反省してるわ。ゴメンナサイ」


「そんな高圧的な謝罪がどこにある。まあ、いいさ、1ヶ月の辛抱だ。1ヶ月たったら絶対帰るからな!晴れなきゃこの世界を呪ってやる」


「ま、ともかく話が分かる勇者様で助かったわ」


「そういえば、俺は本当は勇者じゃないのになんで勇者扱いすんのさ?」


「あなたの立場を考えたら、なんでもないのに呼び出され、挙げ句、勇者ではないと……」


「ああ、もういい、皆まで言うな」


要は勇者が惨めだからである。


――――――


なんでだろう。主人公がところどころ俺と被る。

…気のせいだな。


それにしても、この主人公、可哀想だ。

ナレーションにも勇一という本名をとなえてもらえないだなんて…。惨めだ。


――――――


「仕方ないから装備を整えることにしましょう」


「それはすごく有り難い。だけどなんだよ。ここ?」


「市役所」


「やっぱり?」


勇者たちは市役所にいた!

勇者の世界の市役所と比べ、目立って変わった所はない。


「なんで市役所なのさ。俺が言ったのは防具ないし武器がほしいってことだよ」


「だからこその市役所よ。強力な武器を得る為には色々な手続きが必要なの、まずその人間性のチェック。つぎに資格の有無。何十もの面接を経て人は銃を手にすることが出来るの」


「……銃?」


「ええ、だから銃の所有には市役所に申請、登録ナンバーを得なきゃいけないのよ。勇者様は銃が欲しいんでしょ?」


「そんなこと言ってない!大体俺は防具が欲しいっていったんだ!なんで強力な武器イコール銃になってるのさ!?」


「武器屋でもの欲しそうな目で見てたじゃない」


「そりゃ、本物見るのは初めてだったからなぁ」


「番号札72をお持ちのお客様、窓口までお越しください」


アナウンスが流れた!


「あ、私たちだわ。行くわよ」


「行くってまじかよ!?俺別に銃なんてほしくないよ!」




「今日はどうされました?」


「あ、えーと」


「結婚届けですか?」


「違います」


スフィンはそれだけ言うと口を閉ざした!

勇者は仕方なく言葉を紡いだ!


「何か強力な武器が欲しいなあ……、と思いまして……」


「は?」


「その、武器、を」


「銃登録の申請でしょうか?」


「あ、いや、ちがくて、ああー、なんといいますか。ともかく、魔王に対抗できるようなすんごい武器とかないですかね」


「……魔王、ですか?」


「魔王です」


「……ロケットランチャーとかスタングレネードレベルの重火器になりますと、もう一段階上の申請が、」


「あ、まって、ちがいます!銃じゃなくて、剣とかでお願いしたいんです!実際、俺も魔王に対抗するなら近代兵器が一番だとは思うんですけど、出来るだけパパっと事を済ませたいんで、申請とかしたくないんです」


「……魔王に対抗できる武器、ですか……、そういえばD地区にお住まいのアリスさんが伝説の槍使いの子孫だと言う話を聞いたことがありますね。なんでも家宝でその武器を祭ってあるとか」


「伝説の槍使い!?」


「ええ。伝説の武器を簡単に貸してくれるとは思いませんが、一応尋ねてみたらどうです?」


「そうします!ありがとうございました!助かりました!」


勇者とスフィンは市役所を後にした!

―――――

今まで散々バカにしといてなんだけど、男は『伝説の○○』みたいなのに弱いよね。

うん、男のロマンだ…!

―――――


「いやぁ、聞いてみるもんだな」


「だから言ったでしょ?市役所はとても素晴らしいんだから」


「この国の公務員を見直したよ。にしてもこの世界、伝説が多いね」


「まぁね。なんせ魔王が現代に蘇ったくらいですもの。伝説の相手どるには伝説を使うしかないわ」


勇者たちはD地区にいた!

スフィンの家があるのと同じ地域だ!


「アリスさんってどんな人かな。美人かな。ついでに槍使いとして仲間になってくれたりして」


「なに言ってんの?」


「この流れ的にアリスさんは俺たちと一緒に魔王を倒しにいくでしょ。たぶん」


「それは無理よ」


「いやー、希望的観測ってのはわかってるけど、可能性としてなくはないじゃん。美人の槍使いとパーティー組めるなんて幸せだよね」

「まあ確かに無いことはないわね。あ、ついたわよ。アリスさんのお宅」


「おっ!んじゃ呼び鈴ならして……」


――――――

次回、ベールに包まれた槍使いが明らかになる!

こうご期待!

って…まだ続くのかよ。

――――――





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