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14(6.5)


この話は本編の筆休めでパパッと書いた作品です。

時間軸的には次の日にあたりますが、まぁ、気にしない方向で。

次は普通に本編を進めます。


(前回したミスというのはこの話の冒頭が前話の最後に入ったという、しょうもなぁい失敗でした)




1


《特別コラム》


後日談/寸評:柿沢秤


どうも、主演女優の柿沢秤という者だ。一言だけ言わせてもらいたくこの場を頂いた。

突っ込まれる前に言っておくが出演者が寸評をする事は間違っていることだ。だがここの欄は寸評の寸評。批判の批判だと思って頂きたい。出演した君たちは途中でなにか違和感を感じた事だろう、『これなんか違うなぁ』と。

今回私はこの気持ちに対して反論させて頂こうと思っている。


まず一つ。なんで時代劇を被っているかといえば、監督ミカゲスピルバーグ氏のご命令、ずっしりと構えろ、との事だから、武士しかいないだろ、という短絡的実情的に考えた結果である。なおこの点については喋り方だけであり、間違ってもストーリーの背景は江戸とかではない。

我々(主に美影)の告白という基本概念は胸の下あたりがズキンといたむ『青春』である事を忘れないで頂きたい。もちろん、告白した場所も校舎裏という大変『らしい』場所である。

そしてもう一つ。

その背景を伝えるに置いて活躍したナレーションをボロカスに言うのはやめて貰いたい。

確かに心情描写はダメダメだし、風景描写もうまいものとは言えない。

それでも私は彼を擁護しよう。何故ならナレーションを担当したキートン表氏は今回が初ナレーションだからである。間違っても約3ヶ月前から主役としてナレーションをしていたなどという事は断じてない。それに何もない『部室』という状態からあれだけの世界を構築した彼の手腕は素直に褒めるべきであろう。


さて、これで最後になったが、ここからが余談の本題だ。


君達もいきなり私が昨日の下らない寸劇の事を話題に出してきて疑問に思った事だろう。それは単純に私が回りくどい言い方が好きだからというのもあるし、話のつなぎとして話題に出さざるを得なかった、というのもある。言わば昨日の寸劇はハンバーグを作る際の卵にあたるわけだ。


おっと、また話がずれていたな。本筋に戻そう。

質問は簡略に分かりやすくするのが基本だ。これ以上グダグダを繰り返していたら私自身なにをしているのかわからなくなってしまう。

これから私は君達に一つの質問をする。身に覚えがあるものは静かに挙手する事を期待しよう。

それでは質問だ。

我が娯楽ラブの部室の白い壁の部分に深夜絶賛放送中のアニメのポスターを無断で貼ったものがこの中にいる。

一部ではカルト的人気を誇るそのアニメだが、私は見ていないし、興味もない。

そもそも深夜アニメ自体私は興味ない。

何故なら常時女キャラがパンチラしてるなんて見てて腹立たしいからだ、私はそういうキャラクター達に声高らかに尋ねたい。『大きいおにいちゃん達に媚びている暇があったらもう少しストーリーをパパッとすすめんか!』、制作者の意図するところが物語よりもパンチラというのが気に食わんのだ。…おっとワ○メちゃんやウ○ンちゃんを比較にだすのはやめてもらおうか。彼女らはパンチラではなく見せパンだからな。

話が逸れたな、ともかく私が言いたいのは、ポスターを貼った者は正直に名乗りでろ、この一言の冥利につきる。今なら、鼻フック30秒で許してやらん事もない。


…誰も手を上げないか。


良かろう、全員、私がよしと言うまで目を瞑って下を俯け。

よし、全員下を向いたな、そのまま目を開けるなよ。

犯人。これで安心して名乗り出る事が出来ようぞ。ちなみに私の合図なくして目を開けていたものは問答無用で鼻フックだ。オマケにゴムパッチンの刑も追加してやる。


…これでも手を上げないか。


ふむ、いいか犯人。お前が粘れば粘るほど他の人が迷惑するのだぞ。今日はホシが名乗り出るまで誰も家に帰さん。おっと勘違いしないでくれ、誰も昨日の部活が長引いたせいで見逃した番組の腹癒せなんかじゃないぞ。



おい犯人、お前もなかなか粘るな。きっとみんな今心の中で、『一言だけ…、っていったじゃん』とか思ってるに違いないが、校長の話と同じように、私の話はここからが長いぞ。ふふふ…、私は腹を据えた。ホシが現れるまでこのままお前らと月見と洒落こむの悪くないな…、なかなかうまい事いったと思うんだが、どう…



…なるほど。

よし、今、犯人が自ら手を上げてくれました。犯人、私はあなたのその名乗りでるという勇気を讃えます。それから他のみんなは犯人が分かっても、けして責めないように。彼-便宜上こうよばせてもらうが-にも思うとこがあって、そういう行為をしたのだ。それが抑圧された精神の清浄につながったのかは知らないがな。

さて、よし、いいぞ、全員顔を上げる事を許可する。

みんな帰宅していいぞ。


…あ、そうそう雨音はちょっと残るように。


2


今から取り調べを開始する。

なぜこういう事をしたんだ?

私の思うところによるとお前にはそういう趣味は無かったと思うがな。なかなか驚きだぞ、お前の隠れた趣味。だが、それこそ本来のあるべき『ヲタク』の姿だな。コスプレ以外で他人に見せるというのは間違いだと思うからな。


さて、また話がずれてしまっていたな。理由を問おう。素直に言わないのなら、質問は拷問に変化させるしかないぞ。偶然にも鼻フックに丁度いい形のフックもある事だし…

なに、山本先生?なぜ彼の名があがる、彼は今は関係ないだろ、はぁ?命令されたぁ?知るか、そんな事。

っふ。

こらこら、雨音、何を言うか。責任逃れを通り越して転嫁まで始めるとは見苦しい事この上ないぞ。開き直ったか?第一お前の話を鵜呑みにするとしても幇助したのは確かだし、計画犯ではないにしろ実行犯は間違いなくお前だろうが。

…なかなかおもしろ事言うな。言い逃れ出来ないと分かった途端に別の角度から私を責める、…お前のそういうところ嫌いじゃないが些か男らしくないぞ。

では私も反論させてもらおう。

わざとじゃない、私の反論はこれだけだ。確かに最後にお前を名指しした事で犯人がみんなにバレたかもしれないが、私はそれを意図してやったわけじゃないんだから仕方ないじゃないか。

まぁ、安心しろって。娯楽ラブのみんなは犯人が分かっても知らない振りをしてくれるよ。見て見ぬふりってやつだ。友情だな。


3


「よぉう、表、ちゃんと貼っといてくれたか?」


「…」


「おいおいなんだよ、その畑の腐ったドテカボチャみたいな浮かない顔は。暗い暗いよーもっと明るくいこうぜ!お前が貼ってくれたはずの『マジカルファラOH!☆スフィンたん』みたいによ!アレなにげに劇場版限定ポスターだからレアなんよ、ヤ○オクじゃ幻の品物よ、ん、なんだよその目は?」


「…全部アンタのせいだ」


「アンタじゃない、山本ティチャーだろ?それから意味が分からないぜ、何が俺のせいなんだよ」


「部長にこっぴどくしかられたのも、和水の目が冷たいのも、美影が妙に優しくなったのも、だ。まだ鼻孔痛いッ!」


「痛い?…優しくなったならいいじゃないか。かぁー、俺も優しくされてぇ、…おっと俺の目が届く範囲で色恋沙汰は勘弁な、何故なら俺が俺を押さえられなくなるから」


「そういう優しさじゃないんだよ…」


「ん、なんだい?悩みかい青少年?いいよ、悩み乗ってやるぜ!但し恋を成就させた場合は俺はお前を許さない」


「悩み?ああ、悩みね。じゃ聞いてくれよ。アンタが俺に貼れって言ったポスターのせいで俺の人生が崩れちまったかもしれないんだよ」


「えっ?ポスター、ポスターが悪かったのか?」


「大体俺もポスターなんて張りたくも無かったんだ。あんなバカみたいな頼み聞くんじゃなかったよ。顔の半分が目で覆われてるような造形なんて見てるだけで不安になってくるのに」


「ふむ、するというと雨音はスフィンたんが気に食わなかったわけだな」


「気に食わなかったのは部長だけどな」


「ならうちにある『小公女チャン子の相撲な冒険』の初回限定版ポスターもってこようか?」


「そういう話じゃ、ねぇ!」


4


おし、全員そろったな。それではみんな席についてくれ。はい着席。そして何も言わずに目を瞑るんだ。ああ、ハテナマークを飛ばすのはやめろ。それを飛ばしたいのは私の方だ。

入って来た時点でまた何人か気が付いたかは思うが、

…ポスターが変わった。

前回の『砂漠』から今回は『土俵』に変わったのだ。

同じ砂地でもこれはエラい違いだぞ。意味がわからないのは私も同じだ。だが、一つはっきりさせたい事がある。前回のポスターの犯人は判明している。また彼が同一犯とか限らないが、確率は高いと思う。そう思わないか、雨音?

さて、それでは今回も前回同様下を俯いてくれ。そして犯人は名乗りでるんだ。時間をかければかけるほど、犯人がわかった時の罰も増やしてやる。今なら何もしないぞ、どうかな雨…

よし、それではみんな顔を上げてくれ。今犯人がわかりました。だけど彼が名乗りでたというわけじゃありません。

犯人が分かった理由は簡単です。鞄から前回のポスターが覗いているからです。


それじゃ美影以外は全員帰宅していいです。

さようなら。


5


「山本、話がある…」


「ちゃんと先生をつけろといったら分かるんだ。なんだ、話だと?こっちにはないからさっさと帰れ、見て分からんのか、今ランチタイム!なんで休み時間まで生徒と戯れなきゃいけんのだ!俺が戯れんのは女子だけだ!性転換してから来い!」


「…なんで美影に頼んだんだよ」


「なんの話?ポスターの話?」


「分かってんなら話がはやい、そもそもなんでポスターを貼ろうとするんだアンタは?」


「あそこの壁がさびしいから以外の理由があるか」


「…」


「おいおい、無言になるなよ。ほらエビフライのシッポやるからよ、うわぁい雨音くん、イートミー〜」


「いらんッ!」


「分かったよ、醤油挿しでいい?お魚さん可愛いでしょ?もっとも中身はないけど」


「2万回死ねぇッ!」



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