表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロジック  作者: なかじまこはな
87/135

ココロのドア8

「きす?!」


二人の同時に華に詰め寄る。


華は、余計な事を口走ったと後悔した。


「キスされたの?したの?」


「いや…その…」


言い逃れは出来ない…華はそう直感した。


「ハッキリ言いなさい!」


マキコは普段怒るよりも迫力があり、華はもう…白状するしかなかった。


「したの!アタシから朗にしたのよ、悪い?」


マキコと同じように開き直る。


「あら~、やれば出来るじゃない!見直した!」


マキコはバンバンと華の背中を叩き、喜んでいる。


「朗め、何も言ってなかったぞ」


竜太朗はブツブツと文句を言う。


「その調子で告白しちゃえ」


「だから、出来ないってば!」


「キスはしたのに?」


その突っ込みに言葉は出ない。


「じゃぁ、お母さんがお父さんに好きだと言ったらアタシも言う」


「話そらさないの!今は華の話してるのよ」


「同じ事でしょ?お母さんだって言えないのをアタシがどうして言えるのよ、アタシの性格1番よく知ってるのお母さんじゃない!」


今度は華が有利に立つ。


「それは…そうだけど」


「でしょ?お母さんが先に言ってよ、夫婦だったんだから今更照れないでよ」


「華だってキスしたくせに照れないでよ」


マキコは、意地悪っぽく笑う。


「あ~、もう!キスの事は言わないでよ」


華は顔を赤らめる。


「…夫婦だったからよ、だから言えないの、もう心のドア閉めてだいぶ経つもの…それにさぁ、いくら綺麗で若く見えても40過ぎてんのよ、こっぱずかしくて言えないって!」


「うわ…サラッと自画自賛した」


華はそう言って笑う。


「ドアを閉めてるのはエディも一緒かもな、だから伝わりにくいんだよ、そろそろ締め切ったドア開けて空気の入れ替えしろよ」


決まった…竜太朗はそう思った。


二人をチラッと見る。


「竜…よくそんなクサイ台詞言えるわね」


マキコはあからさまに嫌な顔をしている。


華も頷いている。


竜太朗は、落ち込むしか無かった。


「けど、お母さんって竜太朗さんを好きだったのね」


「あはは、こう見えても俺はモテモテだったのさ」


竜太朗は、決めポーズをつけている。


彼は立ち直るのも早かった。


「横瀬には男の子が少なくてね…、都会に出たらカッコイイ男の子はたくさん居たわ…あの頃に崇君や朗が居たら思い出はもっと綺麗だったわ」


「ひ…酷いマキコちゃん」


マキコのキツイ言葉に、竜太朗はまた落ち込むのだった。



◆◆◆


『崇…私は魅力ないかな?もうオジサンだからかな?』


エディは、ため息つきながら落ち込んでいる。


『いきなりどうしたんですか?』


崇とエディは、車で仕事先から帰る途中だった。


『マキコが話を聞いてくれない』


『ちゃんと真剣に言ってますか?相手に伝わらないのは本当に真剣じゃないからだと思います…エディもマキコさんに対して壁があるように思えます、ドアならドアノブを回すかノックをすれば開くでしょ?それが壁なら、ぶち抜くしかない』


『壁?…そうか壁か』


エディはまたため息をつく。



◆◆◆


「絶対に足かけたよな?」


朗は、しつこく崇に言い寄っている。


「掛けてないって、お前しつこいぞ」


崇は半場呆れ顔だ。


「そっちこそ、いい加減に認めろよ」


「認めたら何?謝って欲しいわけ?」


「そうだよ!謝れよ、今なら許してやる」


そう言って強気な態度を見せる。


が…「器の小さい男」と鼻で笑われ朗はジタバタと子供のように怒りだす。


「ハイハイ、喧嘩はそこまで」


ずっと、二人の会話を見ていた竜太朗はたまり兼ねて仲裁に入る。


いや…仲裁とは言えないかも知れない、すでに朗は負けているのだから。


竜太朗、竜之介、朗の3人はエディの宿泊先へと来ていた。


もちろん今朝、ディナーをご馳走すると言う言葉を実現するべく…なのだが、部屋に入るとすぐに朗が崇に絡んでしまったのだった。


「子供っぽい喧嘩はしない!」


竜太朗に窘められる。


「それにお前、負けてるから」


竜太朗の言葉に朗はカチンときたらしく、「どこが負けてんだよ、どこだよ」今度は竜太朗に詰め寄っている 。


「だから、その子供っぽい所と…」


「器の小さい所」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ