表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロジック  作者: なかじまこはな
134/135

君と手を繋ぐ未来9

蓮に手を振り先に玄関を出た。


突然の事で蓮は返事を返せなかった。竜太朗はニヤニヤしながら彼を突いている。


朗が言った言葉は魔法の言葉みたいに、蓮は笑顔になり、そして、涙ぐむ。





◆◆◆


「マキコさん!」


朗と華は控室のドアをノックする。


「遅い!母親より朗を取った薄情娘!」


控室の真ん中でウェディングドレスを着たマキコが仁王立ちしている。


「マキコさん…すげぇ綺麗」


と朗はマジマジをマキコを見ている。


「朗ったら、正直者ね~」


怒っていたマキコは途端にニコニコ笑顔になる。


「お母さん、マジで綺麗…お父さんには見せたの?」


華もマキコのウェディング姿に見取れている。


「まだよ、楽しみは後で」


「お母さんズルイよね、2回もウェディングドレス着てさ」


「あら、エディがどうしてもって言うから、悔しかったら華も早く結婚すればいいじゃない」


マキコはニヤニヤと笑う。相手はもちろん朗だと言わんばかりだ。


「華はまだガキだから無理だろ、ウェディングドレス着たら七五三さんみたいに…げふっ」


最後のげふっは華が拳で朗の腹を殴ったからだ。


「朗のバカ!お父さんのとこ行ってくる」


と華は不機嫌そうにドアを開ける。


「あ、華、多分凜ちゃんが居ると思うからおめでとうって伝えて」


「なんで?」


「凜ちゃんおめでたなのよ、私と近い予定日なんだって」


華は朗をチラリを見た。


大丈夫?そう聞きたかったが、「うん」と返事を返し、部屋を出た。


「マキコさん、つわりは?」


「まだないわね…、華の時も実は無かったのよ」


マキコは妊娠していた。


「そうなんだ」


「それより、華をからかうの止めてね、あの娘なりに真剣なのよ、…全く、鈍感なんだから」


朗はマキコを見て笑った。


「あら?もしかして、知っててからかってる?」


「華…からかうと面白いから…俺もエディのとこ行くね」


と部屋を出た。



◆◆◆


エディの控室に行くと崇とウォン、凜に華がいた。


「よ、パパ」


朗は崇の背中を叩く。


「バカ朗、パパとか言うな!」


照れ臭そうに笑う。


「おめでとう凜」


朗は凜に微笑む


「ありがとう」


凜は凄く幸せそうに微笑む


「結婚式は?」


「赤ちゃん産まれてから…つわり酷くて」


「おめでとう。明日は崇にランチおごって貰おうと」


「はっ?普通はおごられるんだぞ」


『絶対におごってもらおうなウォン』


とウォンに同意を求める


『うん、そうだぞ、順番は守ろうよ』


ウォンもからかう。


『エロ大王め!』


『なんだよ、だったらエディも一緒だろ?』


二人にからかわれ、崇はうろたえている。


『えっ?私はエロ大王なのか?』


準備が出来たエディが顔を出した。


『いえ…、あの』


さらに崇はうろたえる。


『父親になるんだね、おめでとう…君なら立派な父親になれるよ』


エディは崇を抱きしめた。


『ありがとうございます、俺の理想の父親はエディだから、エディを目標にします』


はにかんだ笑顔の崇は幸せそうで…エディと出会ったばかりの頃の崇はもう、どこにもいない。



◆◆◆


式はスムーズに進み、終わりかけ、マキコが花束を投げる儀式を始める


「華、前に行けよ」


沢山の群がる女性陣の気迫に負け、華が後ろに居るのを見兼ね、朗は声をかける。


「朗…」


何か言い足そうに華は朗を見上げている。


「何だよ」


「…凜ちゃんの事、ショックかな?って思って」


もしかして、傷ついて落ち込んでいるんじゃないかと華は気にしていた。


「何で?凜の事はとっくに諦めてるし、ほら、マキコさん投げるぞ」


と華を前に出す。


「ねぇ、あの…そしたら、今は…」


今は誰が好き?それとも強がりで諦めていると言ってる?


そんな思いが頭を過ぎる。


「今?今って?」


「…だから、その…気になる人とか…居るのかな?って」


「いるかな?多分居る」


朗が即答した時に花束が空に舞った。


朗が華を前に出すが前で待ち構えた女性が人目も気にせずに、掴み取った。


「…あ、あの人、よっぽど結婚したいんだな」


朗は呟く。


「華?どうした?花束欲しかったのか?だから言ったのに」


俯き、元気がない華の肩を軽く叩いた。


「違う…」


華は首を振る。そんな理由じゃなかった。


気になる人が居る…確かに朗はそう答た。


「もしかして、足痛いとか?だからヒール高い靴は止めろって」


「違う…気になる人って、仕事場の人?」


「えっ?違うよ、何で?」


「どんな人?可愛い?」





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ