落堕
「だ、だめだ!圭介はここから出さない」
「しかし、第三王女は見目麗しい人間を好みます。対人能力、イレギュラーに対しての適応能力、我らへの忠誠心。考えるほど適任です」
「却下だ!下がれキース」
「御意」
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ーー・・・
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いつものように激しく絡み合った後、メリーは珍しく甘えるようにじゃれついてきた。
「圭介」「ん?」
「おまえはあたしの物だ」「ああ」
「あたしはどうしたらいい?」
「メリーはどうしたいんだ?」
「あたしはおまえと離れたくない」
「俺もだよ、メリー」
「だが、この奴隷館はあたしの宝物だ」
「知ってる」
「・・・・一ヶ月、一ヶ月で終わらせて帰ってこい」
「了解、ボス」
き、き、き、キター!キター!アタックチャンス!逃亡アタックチャー〜ンス!
今まで猫被ってきた甲斐があったぜ!くそったれが!メリーのことは好きではあるが、さすがにメンヘラレベルがカンストしてる。ミスを犯していつ殺されるかわからない恐怖は勘弁だ。
しかも潜入先が王女様の側近だあ?上等!逃亡先のパイプ作りには最適やないかーい。
適当な女こまして潜伏先を確保やでー
「浮気したら殺すぞ、わかってるよな?」
「バ、バカ当たり前だろ。愛してるメリー」
今夜の俺は機嫌がいい。高速ドリルクン○に逆松葉崩○までくりだしちまったぜ。ふぅ
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ーー・・・
ー
「新しい側近ですって?推薦者は?バラン伯爵?強いの?はあ?戦えない?じゃあ外交は?はあ?特には?はあ?はああ?」
イラつくわー、クソビッチが!てめえいいとこの嬢ちゃんだか知らんけど調子のんなや!あーん?コラ。
「クリス王女。確かに私は戦えないし、外交に強いカードがあるわけでもありません。しかしながら、王女様に有益な情報を多数持っております」
「ほう、言うじゃない?その情報は何?」
「アービガルド奴隷館の秘密について」
瞬間、クリス王女の纏う空気が変わった。
「その者を拘束せよ!」
あ、あれー?