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愛&哀


「すごいよ!圭介!!もっと!もっとして」


俺の上で喘ぐメリーを無感情に見つめる。

俺は何も考えずに腰を振る。振り続ける。


何も考えたくない。


メリーを恐れる気持ちと愛しい気持ちが混ざり合い、感情が爆発しそうになる。


その感情から逃げるように今日も彼女を抱く。


ーあぁ、なんでこんなことになっちまったんだ。


ーー・・・


ー三ヶ月後


「椿、奴隷の仕入れに行く。留守を頼むぞ」


昼飯後の休憩中にキースが声をかけてきた。


「おう、キース、帰りにあれ買ってきてくれよ!あれ、えーと、ロイジェンダーのステーキ!」


「ふっ、椿はロイジェンダーが好きだな。わかったよ」


最近はむっつりキースとも軽口で会話出来るようにもなった。ちなみにロイジェンダーとはこちらの世界特有の動物の名前だ。牛に近い味がして気に入っている。

今日は週に一度の奴隷セリの日だ。奴隷売買にはいくつかルールが存在する。街に一軒しか営業許可が下りないことや、専属の呪術師がいること、そして貴族連中に太いパイプがあること等々たくさんだ。もちろんだが、我らがご主人様はそんなことはやってない。


全ての業務をキースがこなしてるわけだ。


ご主人様のお仕事はというとー


「てめえらぁ!誰に向かって臭え口開いてんだ!くそが!くそったれが!ちん○だせ!潰してやっからチン○だせって言ってんだよ!」


主に調教、暴力、縄張り争い等々ー


はぁ、掃除しよ。


ーその夜


風呂上がりいつものようにメリーの部屋に行く。ドアノブを回そうとした時、メリーとキースの声が室内から聞こえ、動きを止める。


「ずいぶん仕入れ量が減ってるな、キース」


「はい。どうやらディズガイアの連中が戦争に向けた準備を始めたようです。セリに出る奴隷の数が例月の半分程になってます」


「ちっ、戦争奴隷か。」


「それよりも直近の問題がごさいます」


「なんだ?」


「奴隷解放派のアービガルド第三王女が奴隷制度撤廃に本腰を入れるそうです」


「くそったれのアバズレ女が!どれだけあたしらを利用した口で喋りやがる?!」


「奴隷推進派の貴族も急速に取り込まれてるそうです。このままではアービガルド奴隷館は遠からず・・」


「・・・策は?」


「ございます。第三王女の側近に我らに息の掛かった者を潜伏させます」


「・・・で?」


「王女の動きを報告させ、貴族取込みを妨害。願わくば弱みを握り脅します」


「そんなうまくいくかよ」


「適任が一人」


ガチャー


「おわっ!」

急にドアが開き、耳をドアに当てて盗み聞きしてた俺はみっともなく室内に倒れこむ。

顔を上げるとキースの冷めた目が俺を貫く。


「椿 圭介を潜入させます」











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