夜のクロコダイル
たったひとつしかいない僕は
たったひとつしかいないクロコダイルの背中に乗って
沈んでいく
たったひとつしかない僕の未来へ
たったひとつしかないクロコダイルの未来につかまって
嵌っていく
目を閉じるクロコダイル
眼を光らすクロコダイル
ジャンプする
尻尾を叩きつける
口を開ける
パクっ
たったひとつしかいない僕が
食われていく
たったひとつしかいないクロコダイルに
両足から少しずつ
引きずりこまれていく
じーちゃんは言ったよ
僕は僕だから自由に決めていいんだって
たったひとつの僕だから
僕が生きることも死ぬことも
僕だけが決められるって
たったひとつしかいない今日の僕は
たったひとつしかいない今日のクロコダイルの背中に乗れなかった
沈んでいきたいなー
パクっ