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さよならのかわりに  作者: 夢羽
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触れたい

 あなたのでっぱった喉仏に触れたい。

 猫のように首筋に擦り寄って、温もりを感じたい。  

 首に手を回し、まっすぐその瞳の奥を見つめたい。  

 伏せ目がちなあなたの視線を私に向けたい。

 瞬きしたとき上下に揺れる睫毛があまりに愛しくて。

 わたしは彼の上瞼にキスを落としたい。

 彼の頬に手を添えて、おでこをひっつけて笑いあいたい。

 でもそんなことは恥ずかしくてできないから――――

 わたしは粛々とあなたが来るのを待つの。あのカフェで。

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