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思い込みの魔法

作者: たぬき

その形式が発表された時、

一部の人々の間で音質に関する論争が巻き起こった。


「データ量が10倍も違うのに、同じ音質が保てるわけがない。」

「聞いてみろ。違いはほとんどないじゃないか。」

「よく聞いてみろ、ドラムの音が潰れているだろ。」

「いやいや、その違いがわかる人なんてほとんどいないだろ。」


確かにその形式の音質は、元の音質よりも劣化したものだった。

しかし、静かな部屋でじっくり聞いてやっとわかる違いを気にする人がどれほどいるだろう。

そもそも、質が悪い再生機が多く出回っていた時代。

様々な観点から実用的である、その形式は普及していった。



それから15年の月日が流れた。

音質に関する論争があったことなど、誰もが忘れてしまった頃。

その形式は標準的なものとして広く使用されるようになっていた。


そんな折、今までの再生機よりも格段に音質が改善された再生機が発売された。

値段も他の再生機の10倍。


ここに新しいもの好きの青年が1人。

彼は、発売日にその再生機を手に入れた。

そして、昨日まで使用した音楽ファイル達を再生し、おもむろに呟いた。


「音質が段違いだ。」















耳は人の持つインターフェイスの中でも、慣れが早く訪れやすい器官です。

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