表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
デスゲームのお時間ですっ!  作者: rekemu
第一章 壊れた日常
3/6

(3) 救済

「新クエストモンスター討伐」詳細を読むにモンスターなるものが現れたらしい。


「モンスターってこんな都会に出てくるのかよ…」


ここは日本の首都、東京だ。高層ビルが立ち並んでいるためそんなやつらに暴れられたらモンスターに殺されるよりもビルが倒れてきて死にそうだ…。

よくもまああのときの俺は人を4人も殺してこんなふざけたことを言っていたもんだ。


もう全部どうでも良くなってた俺は早々に家を立ち去る。

「モンスター討伐って言ったってどこにモンスターがいるんだよ…」ため息混じりに歩きながら考える。


まず出会った人に聞くという手を思いついたがいつ誰に殺されるのかわからないので即却下。

「どうすりゃいいんだよ———」

目の前の景色を見ると、「あっ!」名案を思いついたようだ。高いところに登れば遠くまで見えるからどこにモンスターがいるかわかるのでは!?


もう俺は完全に狂っていた。「無料でスカイツリー登るぞおお」

法律なんか適用しない。警備員も殺されていたので自由に上り下りできる状態であった。


「ふふふ、アハハ」気持ち悪い笑い声を出しながらスカイツリーのてっぺんまでやってくる。


「え、まじで見えた」どうせ見えないだろうと目論んでいたのに本当に見えた。しかもでかい!


300m先あたりに見えたのは骨。まさに骨だった。魚の骨格をモチーフにしたようなイルカのような見た目??魚にまったく詳しくないので知りませんが。


そこで通知がなる。「新クエスト、500m以上の高さから飛び降りる」


「え?まじでいってる?は?死ぬでしょ?」期限を見るとなんと5分以内。

都合の良いことに俺は今スカイツリーのてっぺんだ。634m。500mより高い。


どうせ死ぬなら自分で死ぬか。もう命なんかどうでもいいらしい。


「3〜2〜1〜」一人で勝手にカウントダウンを始める。「えいっ」


身を投げる、がふわっとした感覚というよりもずるずる落ちていくような、鉄棒にぶら下がっている(?)感覚だ。速度も全然出ていない。

「ああ、そういうことか」まるで現実世界のように見せても重力とかいじったのかもしれない。


先程の治癒といい現実世界を遥かに超越してしまっている。

なので技術的に重力変化もできるのだろう。いや空気抵抗をいじったのかな?

馬鹿なのでわからない。


そこまで速度も出ていなかったので普通に着地すると「アチーブメント、命知らず」「クエスト達成」

の通知が来る。


報酬を見るためにいそいそと持ち物欄を確認する。どうやらアチーブメント報酬で「翼」というものがもらえた。

そしてクエスト報酬は「革のブーツ」

普段からオンラインゲームやRPGをやっている人にとってはそろそろ武器の配布、あってもいいんじゃないかと思っていたがそんなことは全然なかった。


まあそうだよな。こんな簡単なクエストでもらえるわけないよなうんうん。と自分に言い聞かせるが

「ってよく自分飛び降りれたな」とツッコミを入れる。


先程の「翼」をつけると背中の両側に白い羽がついた。さらに驚くほど身体が軽くなっている。

ジャンプをすると一瞬で身体が浮く。しかし止まらない。ずっと真上に飛んでいる。

「あ、わ、わ」そういうことか。羽がエンジンみたいな感じになっていて姿勢を変えるまで飛ぶ方向は変わらないのだろう。


宇宙まで行っちゃう前に、と姿勢を地面と並行にする。なんとかまっすぐ飛べた。

そうだ、さっきのボスみたいなやつ倒さなきゃ!と思い出し先ほどてっぺんから見た方角へ飛ぶ。


**********************************************


なんとか骨が動いてるらしきものが見えたのでそこから100m手前くらいに慣れないながらも着地。


回りに人もいなかったのでヤツを倒したら報酬独占!?(報酬があると確定したわけでない)と期待を込め翼をしまって走る。


案の定実際に戦っている人もいなかったが「でかっ」そいつは一軒家3個分の体積はあった。

遠くから見たら倒せなくもないか、、?と思うくらいだったが、いざ数メートル目の前まで来てしまうと迫力がありすぎて怖気付いてしまう。


あれ?ていうかなんで襲ってこないんだ?どうやって倒すの?腰の剣を抜いてボスに叩きつけて見たが透明な壁に遮られて攻撃が届かない。力が足りないのか?と思って強く叩くが「ガキン!」っていう音とともに手にしびれを感じた。

「いっって!」


周りを見渡すと手のひらより一回り大きいサイズのパネルがある。そこの目の前に行きパネルの文字を読むと、手形とともに「戦う↓タップ」と書いてある。「なるほどね」迷わず手のひらを合わせると

目の前が眩い光に包まれ勇ましいbgmが始まる。


自分のウインドウの真上に「海洋の守護神」という名前とともにHPバーが出た。

海洋の守護神はおそらく今から戦うモンスターだろう。


ヤツが甲高く吠え動き始めたので「くるぞ…」と身構える。


*******************************************

かれこれ5分はたっただろうか。あちらの攻撃を避けることに精一杯で向こうに攻撃が全くできない。

しかも魚のくせに飛んでいる。身長が160cmもない自分には背伸びしないと届かない位置。

身長ないと女子からモテないとかいわれるが、生まれてから身長に困ったのは初めてだ。


地面の何箇所かが赤く丸く光る。これから攻撃が来る地点だろう。0.5秒後そこからは水しぶきが上がる。

間一髪で避けるがイルカ本体も突進してくる。「くっ…」

かろうじて避けるもよろけて尻もちをついてしまう。


そしてイルカが口を大きく開け周辺の空気を吸い込む。

もう2度出しているビーム攻撃だ。しかし今は態勢が悪すぎる。避けるのには間に合わない。


右手の剣と左腕を顔の前に構える。なるべくダメージを軽減する作戦だ。

次の瞬間両手に衝撃が走る。構えも虚しく後ろにハエのごとく飛ばされてしまった。

受け身を全く取れず民家の塀にぶつかり「うぐっ」と情けない声を出してしまう。

自分のHPバーが左に進みオレンジ色になる。おそらく次の攻撃を食らったら死ぬだろう。


しかしイルカは突進攻撃をしてこちらに向かってくる。もう後ろに避けるスペースがない。

横に避けてもイルカの攻撃範囲内。

おわるのか?ここで?まあそりゃそうか。1日も経っていないのに既に人を4人殺している。

殺しに躊躇ない自分に天罰が下ったのだろう。

「ハハ、当然、だよな」イルカの顔が完全に迫る。すぅっと風が来た。

考えると涙がでてきたので目を瞑る。この世界に別れを告げようとした。


しかし、その瞬間前からではなく左側から突風が吹いた。カーンという物体と物体がぶつかる音とともにイルカの鳴き声が聞こえた。

恐る恐る前を向くと誰かが立っている。


涙で前が見えない。しかし白い髪、翼が生えている背中。それだけははっきりと確認できた。

プレイヤーネームrekemuを助けた人物。

誰なんでしょうか。


(評価よろしく)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ