天津村正
もう一つの石で出来た階段を登るとその先には夢で見た洞窟の入り口と同じ穴があった。
あれだ!
大輝は心の中で幼馴染が助けられる手がかりが得られるかもしれないと言う嬉しさが心の中で生まれてきた
大輝が心の中でそんな事を思っていると十三は洞窟の入口に入っていく、大輝も十三と同じ様に中へと入っていく
洞窟の中は夢の中で見たものと同じであった、天井から水が滴り、通路には水溜まりがあり、歩くと必ず水溜まりを踏む音が聞こえる
そうやって通路を通っていくと広い空間へ出た、そしてその先には刀が置いてあった
「あれだ!」
大輝はそれを見て一目散に刀に近づく、十三は大輝にゆっくりと近づく
大輝は刀を改めて見る、大きさはとても大きく大体1メートルぐらいあると大輝は予想する
そして刀の刃の部分は赤い鞘で覆われている、鞘の部分には『天津村正』と言う漢字が彫られている
大輝はこの刀を見て夢の中と同じ感覚に陥る、大輝の表情はとても恍惚としていた
「大輝、少し落ち着け」
十三の声ではっ!と我に帰る
「すいません、十三さん、と言うか十三さんはこれどう言う刀なのか分かりますか?」
大輝は少し気を紛らわす為に十三に刀について尋ねてみる
「この刀についてかぁ、まぁ分からないんだよなぁ」
「元々この洞窟が見つかった時にこの空間で置いてあった奴だからな、それに俺は余り刀に詳しくはない」
十三はきっぱりと言うそれに続けて、十三は刀に近づき「それに」と言い刀の鞘と柄を持ち、力いっぱい引っ張るが鞘が抜ける様子はない
「何か強力な接着剤でくっつけているのかびくともしない」
十三はそう言いながら刀を元の場所に戻す
大輝は少しがっかりとした気持ちが生まれる
「まぁ大輝、そうしょんぼりすんなよ、今度知人から刀を譲ってもらえないかこうしょうしてみるからさ」
十三は大輝を慰めるように言い、そのまま戻ろうとする時何かを感じたのか背中のバックから急いでハンドガンを取り目の前に銃口を向けた
「いるのは分かっている!誰だ!」
十三が叫ぶと、拍手と共にその姿が現れる
「流石息だけは長い男だな、尾形十三、経験と慣れで俺の透明化を見破るとは」
目の前の人、否、人ではない何かが透明化を解除する、その姿に大輝は驚き十三は銃を強く握る
そして人ではない何かの透明化が完全に解かれ、姿がはっきりと見える
人とは思えない白い肌、とても鋭い爪、頭から生えたつの、これらの特徴が人ではないと実感させる
「我が名は怨京鬼あるお方の命により天津村正を破壊しにきた者」
目の前の鬼、怨京鬼はそう言う
「………大輝、コイツは俺が抑えておく、お前はその内に天津村正を持って逃げろ、少なくともアイツは強い、そしてアイツを従えている奴が破壊を命じるって事はそいつには何かあるはずだ!、だから大輝逃げろ!」
「でっでも…」
「いいから!」
十三が言葉を言い切ると同時に二人の間を衝撃波が突き抜けた、衝撃波を発生させたのは怨京鬼だ
「会話は終わりだ、天津村正は破壊させてもらう」
十三は怨京鬼に向かってしかごめかごめを流す
「……かごめかごめか、そんな小細工が通用するとでも?」
怨京鬼はそう言うと足元の石を投げカセットラジオを破壊する、そしてカセットラジオを破壊した後大輝の前に一瞬で移動する。
それと同時に十三は即座に対応し、怨京鬼に向かって銃を発射するが怨京鬼はなんと手を使って発射された弾を潰してしまう、ならばと十三は怨京鬼に向かってタックルを仕掛けるが避けられてしまう
「ちっ!」
「尾形十三、15年間もこの世界で生きている貴様の情報量は厄介だな、天津村正と共に三途の川を渡らせてやる」
そう言うと怨京鬼は体制を崩している十三の腹を勢いよく蹴る、十三はもろにくらうが咄嗟に腹を腕でガードし何とか致命傷は避ける
「致命傷は避けられたか、まぁいいそれより天津村正を」
怨京鬼は周りを見渡すが、天津村正を持っている男の姿が見えない、だが入り口付近で怨京鬼はその姿を捉えた
捉えたと同時に怨京鬼は一瞬で大輝の前に行こうとするが、十三が銃を背中に向けて撃ち移動を妨害する
「ちっ!尾形十三!」
怨京鬼は移動を妨害された怒りで十三の顔を殴る
バキィ!
「ぐはぁぁぁぁ!!!!!」
十三の声が空間に響き渡る、それを聞いて大輝は自分に聞く
(なぁ、俺このまま逃げていいのか?、命の恩人をこのまま見殺しにしていいのか?)
グキッゴキッ
十三の左腕の骨が粉砕される
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」
余りの痛みに十三は悲鳴を上げる、そしてその声を聞いてさらに大輝は自分に聞く
(このままだと俺は命の恩人を見殺しにした最低な奴になってしまう、それだけはダメだ!)
大輝は自分の中で覚悟を決める
「はぁ、はぁ」
「ちょこまかと逃げ回りおって、小癪な、だがこれで終わりだ!尾形十三!」
尾形十三はこれで終わりかと目をつまるがそれと同時に大輝の声が聞こえる
「待て!怨京鬼!」
大輝は目の前で天津村正を持った状態で現れる
「ほう、天津村正を持ってきたか」
「なっ!?大輝!何で戻って!?」
「十三さんを助ける為です」
その言葉に怨京鬼は「大した奴だ」とでも言いたいように笑う
すると、怨京鬼は大輝に提案をする
「おい、お前その天津村正を渡せ、そうすれば十三とお前を見逃そう」
大輝は提案を無視し天津村正の柄を持つ
(一か八かだ、頼む!抜けてくれ!)
大輝は目を閉じ鞘を抜く、すると鞘が抜かれ刃が露わになる
「鞘が……抜けた?」
十三は驚いた様子で大輝を見る
「はぁ、はぁ、勝負だ!怨京鬼!」
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