かごめかごめ
ごぽごぽと空気の泡が上に上がる、水の中に二人の男と少女が居る、少女はまるで怖いものを視界に映さないように目を閉じている、対する男は手を伸ばして少女に触れようとしている
二人は水の中にいる、しかし不思議と苦しさは感じない
沙由里!
男が少女の名前を呼ぶ、少女は男の声に反応し目を開け、男の方に手を伸ばす、少女の目はまるで助けを求めているかのようだった
男は少女の手を取ろうとした時、苦しさを感じた、そして男は少女の手に触れる前に意識を失った
男こと神代大輝は夢から目が覚めた、大輝の左腕は上に向かって手を伸ばしていた、そして大輝本人の目は今にも泣きそうな顔であった、そして大輝は悲しそうな目で
「……またあの夢を見た……」
と自分の部屋で呟いた
最近、俺はとある夢を見る、その夢はいつも決まって水の中で目を開ける、そして目を開けるとそこには15年前に失踪した俺の幼馴染の、綾乃沙由里が目を閉じている、そして俺は沙由里の手を取ろうとすると途端に溺れてしまう
「何で今になっておもいだすんだ…」
そう言いながら俺はジャムもハチミツも付けていない食パンを口に入れる
「行ってきます」
俺はそう言って誰もいない玄関にそう言う、俺は今から仕事に走って向かう
俺は急いで家を出てバスに乗る、そしてそのまま駅に着いたら電車に向かう、電車に乗り込み、時間が経ち目的の駅に着いた俺は駅を出て職場に付く
俺の仕事はゲームテスターだ、テストが始まり俺はゲームのコントローラーを持つ、そしてそのままゲームをしていると再度あの沙由里の表情が脳裏に浮かぶ
俺は何故沙由里があんな表情で夢の中で俺に手を伸ばすのか分からない、結局俺はその夢の事で頭がいっぱいになってしまいゲームのテストプレイに集中できなかった
ゲームのテストプレイが終わり自分は同じゲームテスターの安藤実誠をご飯に誘った、安藤は最近金欠気味な事もあり誘いに乗ってくれた
「いやー大輝さんが俺をご飯に誘ってくれるなんて、珍しい日もあるもんですねぇ」
そう言いながら実誠は頼んだ料理を美味しそうにガツガツと口の中に放り込む
「あぁ、実誠ちょっと聞いてほしい悩みがあってな」
「悩み?大輝さんそう言うのと全く縁が無いように見えるんですけど?」
「お前は俺をどういう風に見ているんだ?」
俺は苦笑しながらも話を進めて、例の夢の話を実誠に言った
「ふむふむ、成る程ーつまり、失踪した筈の幼馴染が夢の中に現れて助けを求める夢と」
実誠は少し悩んだ様子で言った
「まぁーもしかしたら大輝さん、その幼馴染を忘れかけたんじゃないですか?」
「忘れかけた?」
「そうですよ、多分それで脳が幼馴染を忘れないように夢を見せているんじゃないですか?」
そう言った実誠は最後に「知らんけど」と言い食べることを再開した
「…俺が沙由里を忘れかけた?」
大輝は頭の中にもやもやが残りながらも帰路に帰る事にした
「じゃあな実誠、明日もよろしくな」
「大輝さん、ばぁい」
俺と実誠はそう言って分かれた
夜6時、今は季節も関係してるのか、6時になっても太陽はまだ沈んでいない、だが暗くなると不味い
俺は急いで家を目指した
『だいちゃん……』
微かに幼馴染の沙由里の声が聞こえた、俺は振り向いてみるが後ろには誰もいない、俺は幻聴だと思いさらに足を進めた、しかし声は未だに聞こえる
俺は声の主を探す為に、声を辿る事にした、声を辿ると俺は路地裏に居た、そして声も段々とはっきり聴こえて来るようになった、少し不味いかも知れないと考えても足は止まらずに居た、そして路地裏を徘徊していると光が差している場所があった、スマホで時間を確認すると現在の時刻は9時30分だった
俺はまるで光に群がる蛾の様にその光に近づいて行った、段々と光が消えていく、そして俺は気が付くと路地裏を抜けていた、其処には大通りがあった、沙由里の声も聴こえない、俺は元いた道を帰ろうとするが後ろを向くときた筈の路地裏がなくなっていた
「どう言う事だ?」
俺は頭の中に疑問が大量に浮かんだ
此処は何処だ?
そもそも何故あの声が沙由里だと分かった?
あの声は本当に沙由里の物なのだろうか?
あぁ、考えるのは一旦やめよう、これ以上考えてもキリが無い
俺はひとまずどう言う場所かスマホを開こうとするとスマホの画面に表示されてる時間がとてつもなく早いスピードで次の時間になっていた
更にスマホを開いてマップを見ても何と現在地がパリになったかと思えばロンドンになったり佐賀になったりと意味不明だった
「壊れたのか!?嘘だろ!?この前発売されたばかりの新機種だぞ!?くそっ!」
だがっいつまでもスマホの事でイライラしてはいられない、俺は一旦深呼吸をして落ち着き此処が何処なのか調べる事にした
「とは言ったものの、スマホが壊れた以上現在地を調べるものがない、何処かに地図でも有れば良いんだが」
俺は早速地図を探しに移動を始めた、だが地図が見当たらない、体感で1時間探したがそれらしき物が見当たらない、俺は一旦休む為に近くにあったベンチに座った、すると向こう側に人らしき影が見えた、俺はその人に近づき此処が何処なのか聞こうとした
「すいません、此処が何処なのか教えてほしいのですが」
俺が道を聞くとその人はピクッと動きを止めて静かに俺の方に振り向いた、するとその人は俺を見るとニヤリと笑った
直後その人はパタンと倒れた、俺が大丈夫かなと近付くと、その人の背中から人の物とは思えない腕が生えた、やがてその人の形をした何かは肉塊となり中の化け物が出てくる。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
俺は恐怖を感じて全速力で逃げた、だがあの化け物も俺を狙っているのか負けじとを追跡してくる
俺はそれでも構わずに逃げた、足が悲鳴を上げている、こんなに走ったのはいつぶりだろうか?、だがそんな事を考える余裕は無い
化け物は四足歩行で俺を追ってくる、かなり走ったと思うが化け物は減速する様子が無い
それでも走れ!走るんだ!俺!止まったら死ぬんだ!俺は自分にそう言い聞かせ足を止めない、ゼェゼェと息が上がるも現実は俺に減速する事も、止まる事も許さない
そして走っていると足に刃物で切られた程の痛みが走った
俺は足を止めてしまった、俺は周囲を見ると、さっき俺を追ってた化け物ともう一体別の個体が居た
それでも痛くても足を止めない、しかし現実は無情だ、後ろを見ると行き止まりだった
「くっ!来るなぁ!」
俺は近くにあった石を化け物に向かって投げる、化け物に効いてる様子は無い、それでも投げる、悪足掻きをする、俺は此処で終わるわけには行かないのだ
化け物どもは、そんな俺の様子を見てゲラゲラと嘲笑う様に俺にゆっくり近づく
俺は石を投げながら後退していると背中が遂に行き止まりの壁にぶつかる
「あっ……ぁぁ」
俺は絶望した、やはり現実は無情だ、俺は此処で死ぬ、殺されるのだ
いやこれは夢だ、悪い夢なんだ、そうだきっと悪夢だ、夢から目覚めたら何をやろうか、美味しいご飯を食べようか、ジャンクフードを思いっきり食べようか、前々から買いたかったプラモを買おうか
俺がそう考えていると化け物は俺に向かって向かって来た
俺は目を閉じた、だがその瞬間かごめかごめが流れた
すると俺の目の前の化け物達は悶え苦しみながらそそくさとその場を後にする様に俺の元から離れて行った
俺は走りすぎて動けない、未だにかごめかごめは流れている
俺が動けなくなってから1分経つとかごめかごめの音が大きくなって来た、やがてその音の元がこっちに来た
俺の目にはリボルバーっぽい銃と片手にかごめかごめが流れているカセットラジオを持った男が俺の前に現れた、男は俺を見た瞬間
「大丈夫か!怪我はないか!」
と言った
だがさっき化け物どもから逃げる為に全力疾走しすぎて、俺の意識は朦朧としていた
そして俺の意識は消えた。
感想もしくは評価を下さると嬉しい限りです、お読みくださりありがとうございます




