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中学3年〜高校1年生

……某所……某植物公園……


春のお花見、やっぱり桜だよね。

写真が趣味で学生の頃からインスタントカメラやデジカメで写真を撮り続け、桜は特に大好きだ。

散り際の桜吹雪とか…池に落ちる桜の花びらとか……

あぁ、桜餅は関東派なんだけどねぇ。


桜は大好きだけど……最近特に思い出す事がある。

歳取ってきたせいかなぁ……今…会えたら……謝りたいんだけどな。



_____________




「だからさぁ!ここの高校に何で行けないんだよっ!」


「お前の成績じゃギリギリだろうがっ!」


「だ~か~らっ!クラブ重視だから特進じゃなくて普通科っつ~てんじゃん!!」


中学3年の夏……春から先生とずっとやりとりしていた高校進学先。

噂じゃ学校の先生の評価?とかで、安全には安全をと生徒の進学先を偏差値を見て1ランク下を進めてくる。

俺は元々偏差値ギリギリだったが、本来やりたかった数少ない国体レベルの新体操部がある私立高校の普通科に行きたかった。

なんの為に新体操したくて中学に新体操部自体無いからと器械体操を頑張ったと思ってんだ⁉︎

先生が「そこに行くなら、こっちの私立の特進科に行け」と言う。


「あ゛~っ!!お前じゃ埒が明かん!!工藤!一度お母さんと三者面談するぞ!!」


「おぉ!望む所だぁ!!」



___母上……言いくるめられました……___



……で、先生の言われるままに言われて決まった男子校。

席を立って母が先に出るのを見送ったタイミングでボソッと、先生が言った。



「……ま…お前が()()()()受かりゃ……良いけどな。」



___カッッチィィィン!!!___



はぁ?お前、ここの特進受けろって言ってたよな⁉︎()()()()受かりゃ?内申に何書く気だっ!

母の聞こえないタイミングとはいえ、先生として言って良いことと悪いことあんぞっっ!!


そこからの俺は頑張った。

1日3時間の睡眠時間………初めて風呂で寝落ちしそうになって、あんな狭い空間で溺れる事を経験した。


………で、挑んだ受験当日。

問題がスラスラ解けていく。

まぁ、対策されていた参考書が良かったんだな。

ビックリするほど問題が解けて2度確認しても時間が余っていた。

普通科だし、テスト自体も難しすぎた訳ではなかったんだろうけどさ。


入学式当日、入試結果順のクラス分けはBクラス。

(振り分けは1番から順にA~Fへと振り分け、再びAに戻っての繰り返し。)

A~Fクラスで先生に上位10番以内だったと言われた俺は、上位がほとんど特進と言われたので……おぅ、普通科2番?人生初めてだよ!中学の英語と社会、赤点常習者だったのにな☆

先生には今からでも特進にクラス変更するように言われたけど、この魅力のない学校であの睡眠3時間はキツイと母に言って俺はのらりくらりと過ごしていたら……中間試験は急降下で100番になった。

器械体操の試合で、偶然審査員に来ていた新体操を教えていた別の学校の先生から新体操向きの筋力と柔軟だと高評価され、夢を肯定されて嬉しくなって更に頑張って夢見た高校ライフも打ち砕かれ…夢も希望も無い…器械体操部さえ無かった行きたくもない男子校へ……と、思っていたら、クラブ活動で面白い部に出会った。


漫画研究部…漫研だ。

元々アニメ好きの俺はそこで腐男子の先輩からBLを教えてもらい、気持ち悪く思うはずがなぜかそれが純愛だったせいかどハマりし、先輩達の何人か演劇部で誘われるままに演劇部に掛け持ちになった。



「おぉ!竜ちゃん‼︎演劇部へいらっしゃ~い♡」


誘ってくれたテンションの高いイケメンの先輩が抱き着いてきた。


「うわっ、藤本先輩…苦しっ!」


藤本先輩は3年の先輩から可愛がられ、綺麗な顔とコミュ力が高いせいか同級生からも受けが良い。


「わ~酷いっ!竜ちゃん、俺の事は拓海先輩♡って呼んでって言ってんじゃん♪聞かなきゃ……チュ~するぞ……」


「嫌です……っ…俺にBL的展開は……いりませんからっっ!」


顔をガッシリ掴んで近付く先輩に、恥ずかしくて全力の力で身体を反り返る。

器械体操やってて良かった。


「クスクス…その辺にしときな拓海。本気じゃないくせに。」


藤本先輩と同級生の浅田先輩。

小さくて可愛くて…こんな可愛い男がいるんだと俺でもドキドキしてしまう先輩だ。


「え~ん、瑞希~。竜ちゃんが冷た~いっ!」


「ハイハイ、可哀想にね~(棒読み)」


「………瑞希も冷たい……」


「……当たり前でしょ?僕以外の人に抱き着くからだよ。」


「ゴメン………」


……これ…ドキドキするでしょ?

これ、後輩ウケに良いんだって。

2人はよくW主演でカップルとしてファンも多いらしい。

下手にお似合いだから最初はドキドキしてたけど…慣れって怖いよなぁ。

俺以外の周りはザワザワしてるよ。


入学してから可愛い可愛いと構われる様にはなったが、俺は正直自分は不細工の部類だと思う。

小さい頃から父に可愛くないと言われ、親戚からは弟の方が愛らしいとよく言われていた。

顔はツリ目の一重瞼。身体は真っ黒でガリガリだからゴボウの様だと。

クラスの女子からもカッコイイ男子ではなく、サッカーやキックとかの外遊びで泥だらけだったのでモテやしねぇ。

…いや…モテなかった訳ではないな………



………何故か同性………男にモテていた………



小学時代は知らない男に跡を付けられ、声を聞いて「女じゃねぇのかよっ!」と、驚かれるのはまだ良い……いや、良かねぇか。犯罪だな。

中学時代は何故か共学なのに男から大量にチョコを貰って、密かに思っていた幼馴染に塾で男からチョコを貰ったのをクラスメイトにバラされた………うぅ…どんな公開処刑だよ……

体育祭のメドレーリレーは女子の黄色声援じゃなく、野太い男の声援がとんだ。


そんな俺が男子校………

だけどBL知った俺には、毎日が人間観察で少しだけ学校が楽しくなった。

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