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試し書き  作者: 紗嶋秀樹
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同好会の3文字を無くすのだ!!

途中までしかないです。ごめんなさい。

  「だーーっ!!よっしゃ決定的成功キタコレ!!このままだと私バーサーカーになっちまうなぁ!?」と黒い煌びやかな長髪を持った女子が声高らかに叫んだ。

  「とんだ人殺し下あご野郎じゃねえか」とその反応に反して低い声を持った背の小さい美男子が変な名前のツッコミを入れた。なんだ下あご野郎って。

「うるせぇ猪舐めんな!マタギとか私ちゃんの下牙で脳天ブスリよ?」そのマタギ背小さすぎでは…いや猪がでかいのか?

  「てかそいつ殺してよかったん?なんか色々聞き出せたんやない?」と関西弁を喋る糸目の筋肉質の体を持った男子が言った。

「まぁいいんじゃないっすか?どうせ喋らしてもすぐ殺しになったと思いますし」とそのゲームの進行をしていたショートの茶髪の背の小さい女の子が言った。その見た目で殺しなんて言わないで…


 すると、コンコンッと扉を叩く音が聞こえた。

 黒い髪をした女性がフーー…と息を吐くと、どうぞー、と外にいる人に声をかけた。

「さぁ、私たちの活動を部活にするために悩みを持ってきてくれたくれた人だ。みんな丁重に扱えよぅ?ささ、椅子をお出ししよう。」と部屋にいる人たちに呼びかけた。


 私は今この部活、「盤上遊戯部同好会兼悩み相談部」という色んなツッコミどころ満載の部活に入っている。盤上遊戯?同好会?お悩み相談?字を見ただけで3つも出てくる。


 なぜ私がこの部活(同好会)に入部(入会?)しており、なぜ悩み相談をしているかにはそれなりの経緯があるので、まずはそちらを説明しようと思います。




  まずは軽く私の自己紹介をしようと思います。

  私の名前は荒牧香と言います。運動神経は割と自信があり、特に反復横跳びはクラスや学年、全国的に上位の成績でした。勉強はそこそこできます。幼い頃漫画で見た青春を追いかけて生きてきました。

  さて、そんな私が新しく入学する高校、「間晴高校」通称かんこう、は比較的偏差値は高い方の高校であり、東大に行く人もひとりや2人ではないとか。それでいて部活に励む人も多く、良い成績を残している人も多い。

  勉強も部活もどっちも頑張って、良い青春送ったるぞ……やったるぞ私は…と、春という1文字に若干浮かれ、変なテンションになりながらも、期待を胸に入学しました


  そして迎えた部活動探訪の日。

 はやる気持ちを抑え、いそいそと自分も参加できて青春を送れそうな部活を探す。すると、女子バレー部といういかにも高校!!という感じの部活があった。早速見に行こうと思ったら周囲の話し声が聞こえてきた。

 今年の女子バレーの1年やばいらしいぞ…。「北中の清流」の北川、「南中の巨人」南田、それに全国大会2位のチームのエース「東中の星」東星までいやがる…。

  そんなキセ○の世代が集まった中で私はスタメンに入れるのか…?という不安がじわじわと広がり、まだ「〜やばいらしいぞ」が終わらなかったので入部は断念した。申し訳ないが私は試合とかに出たいんだ、ベンチではなく。

 キ○キの世代、楽しみにしてます。


  なぜだ…どこに行っても○セキの世代しか居ない…。こうなりゃマネージャーやって甲子園行ったる!!って思って野球部見に行ったら「伝説のマネージャー桑田招子」なんて人がいるなんて聞いてない…。中学生でなんの伝説を立てたんだ。応援したらそのときのバッターが必ずホームランでも打つのか。



 まずいどこにも居場所がない…と廊下をアタフタしていたら後ろから「君、入る部活探してたりする?」と声をかけられた。

 後ろを振り向くと、突き刺すような、青くて綺麗な目をした、黒い煌びやかな長髪を持った背の高い麗人がそこに立っていた。

  私は藁にも縋るような思いで、はい…と恥ずかしさ6割、期待4割を込めた声で反応した。すると、その女性は、「私の部活、文化系だけどいい?よければ案内もするけど」と提案してくれた。

 私はろくにどんな部活かの質問もせず、すぐにお願いします!!と言ってしまった。

 じゃあ入部届け貰ってもいい?と言われたので素直に先輩に渡す。

 やったやった部活に入れるぞぅ!こんな綺麗な先輩と仲良くなれるのかな?かるた部とかの可能性もあるかも?などと春はとっくにすぎているというのに、この時の私は浮かれてしまっていた。


 私はこの時の選択を間違えてしまった。あまりにも美しいと思ったこの人の入っている部活ならば、大会のようなものはなくとも念願の青春、アオハルの4文字が私にも…と思ってしまったのだ…。


  案内してもらった部室は南校舎の2階にある一室。私はまだ校舎全体を知ってはおらず、途中途中知らないところがあった。

  扉の前に立つと密かに話し声が聞こえてくる。

  じゃあ入ろうか、と言われ、先輩がドアノブに手をかける。

  振り切ってしまった期待メーターを抱え、ギィィと扉の開く音がする。するとそこには――

 

 真剣な横顔で机の上で何かをしている男子2人の姿があった。人数や部屋を見た感じ、そんなに部員数が多いとは思えないが、その2人もかなりの美男子でありその2人が真剣にしている何かに、とても興味が湧いた。

 だが部屋を1周見た時に1つ違和感を覚えた。それは、部屋の棚のようなものに小さい頃にやった事のある人生ゲームが置かれている事だ。

  おや?と思いながらその棚の周りをよく見てみると、ショッピングモールのおもちゃ売り場とかによくあるボードゲームであることがわかった。

 まさか…と思いながら2、3歩下がるとガチャンッとドアの閉まる音がした。

 驚いて後ろを振り向くと、そこには先程の凛とした表情の先輩はおらず、いるのは邪悪な笑みを浮かべ、扉の前にがっしり陣取っている黒髪ロングの先輩であった。


「ようこそ!!我が間晴高校盤上遊戯部同好会へ!!」

 と両手を広げ、大きく張った声で私にそう言ってきた。

「とりあえず君には絶対に入ってもらうから!!拒否権とかないから!!入るまでここ出さないから!!」と半ば脅しのような勧誘をされた。

 まずちょっと待ってくれさっき盤上遊戯部って言ったけど要するにボドゲ部ってこと?しかも最後同好会って言ってなかった!?同好会で部!?どういうこと!?とアタフタしていると、さっき渡した入部届けに先輩が早速何かを書いている。

「あっちょっとっ…」と制止する間もなく先輩は書き終わり、先生に提出してくるーー!!と言い部屋を去っていった。

 おや〜?と思っているとボードゲームをしていた糸目の筋肉質の人が話しかけてきた。

「なんや新入部員か?嫌な人に捕まったなぁ。まぁでも部室に人が増えてくれるんは嬉しぃなぁ、ありがとう。」と言われた。横にいる背の小さい子もその通りと言わんばかりに頷いている。

 あっいや私は別に入りに来たわけじゃ…と言いかけると黒髪ロングの先輩が帰ってきた。

「おっ、おかえりぃ、もう提出してきたんか?」

「まぁな!!廊下を全力疾走だぜ!!」

  そうして、私の青春の1ページ目は、どう考えても普通じゃない、黒髪ロング先輩によって怪文章にさせられてしまったのだった。

 状況を飲み込めずボーッと立っていると、さっきの黒髪先輩が部員の紹介を始めた。

「はいじゃあまず自己紹介!こっちの筋肉糸目の関西弁

 は安座間純って名前な!得意なゲームはブラフ系!」と言われると、糸目の先輩、安座間先輩はよろしくな〜と気さくに答えてくれた。

 あっはいよろしくお願いします?と早口の疑問形で答えると、じゃあ次にいくぞ!と次にいかされた。

「こっちの背小さいのが菱田秀成!得意なのがタイル配置系!」と紹介されると、背の小さいという部分に引っかかったらしく、若干眉をひきつらせながら、どうも…と言ってくれた。

「そして最後にこの私!このボドゲ部の現部長、佐々波千裕じゃい!よろしくぅ!あ、得意なのはTRPGね。」と私の10分前まで持っていた清楚というイメージをフルスイングでぶち壊してくる自己紹介をしてきた。

 私が今起きたことに呆然としていると、佐々波先輩があともう1人新入部員いるんだけどな〜と廊下の方を見た。

 すると、佐々波先輩のように全力疾走してくる生徒がひとり来ていた。

「おやちょうどいい、今廊下にいるあの子が君ともう1人の新入部員、西谷麻衣さんだ。仲良くしろよぅ?」と言い終わると、西谷さんが扉の目の前に来ていた。

 西谷さんが、こんにちはっす先輩!そちらの方はどなたっすかね?と佐々波先輩に問いかけると、先輩が、そうだね。じゃあ君にも自己紹介してもらおうか、と私のターンが回ってきた。

「えっ、え〜と……私の名前は荒牧香、です。いっ一応新入部員?です。…よっ、よろしくお願いします。」と私もよくわかっていないため疑問形で自己紹介をすると、先輩達はとりあえず拍手をしてくれた。

 あぁ…自分で言っちゃった…。私本当にボドゲ部なんだぁ…。

 すると安座間先輩と菱田先輩は先程やっていたゲームに戻り、佐々波先輩と西谷さんは部員後増えた喜びを変なダンスで表現し始めた。

 私はというと今起きたことを全て理解した上で、何が起こったかを整理するためにただ呆けるしかないのであった…。 





 そして私がボドゲ部に入ってから10日はたった頃の放課後、佐々波先輩が何やら大事な話があるらしく、ボドゲ部のメンバーを集めた。

「ここにいる君たちが知っている通り、我がボドゲ部は活動内容、人数などのことにより今まで同好会とされてきていた…。名前が自由、という名目を使い名前に部をつけて我慢してきたが、それでは足りず時には、やーい同好会〜とバカにされる幻聴が聞こえた…。が、しかーーし!!」急に声を張り上げた!!

「本日2人の新入部員が加わったことで、いけるのではないかと、いけるのではないかと思うんだよ私は!!というわけで、全員で!!部活動担当の萩本ティーチャーに突撃じゃぁ!!」

「つまりやけど、同好会をなくしたいってことやんな?」

と安座間先輩が聞くと佐々波先輩は、そういうこった!!いくぞぉーー!!と言い、半ば強制的に部員たちを職員室につれて行った。




 先輩達について行き、職員室で萩本先生にお願いするが、いやムリムリ、と一蹴された。そりゃそうだ。

 佐々波先輩は部活のときの先輩を抑え、私が初めて出会ったときの凛とした先輩になっていたが、どうしても引き下がらないので、先生がこんな提案をした。

「他の部活。ちゃんと活動している部活の部長全員から、部活にしていいよって署名集めてからならいいよ。」

 部長に署名貰うだけ?それだけだったら佐々波先輩が静かにお願いしたらいける気がするが…と思っていたら、顔で読まれたのか、先生に

「言っとくけどこの学校の部活はそれぞれが結果を残しててな、部長達もへんにプライドがあるからなかなか集まりにくいと思うぞ?特に活動内容がだけに余計難しいかもだが。」

 と言われた。

 これは厳しいのでは…と佐々波先輩を見ると、一瞬また邪悪な笑みを浮かべ笑っていた。話を聞いて貰えただけ大進歩なのかもしれない。

「分かりました。では、署名を集めるためにすることはこちらで考えてもよろしいですか?」という問いに対し、先生は簡単にいいぞと答えた。


 1歩は前進したということで私達が職員室を去ろうとすると、今から職員室に入っていこうとする気品溢れる男子生徒が目に入った。その人は周りを見ながら大事そうにバッグを抱え、職員室に入っていったのが妙に目に焼き付いていた。



「で先輩、結局何やるんすか?」と西谷さんが佐々波先輩に問いかける。

 先程まで先輩達3人で何をやるかの会議をしていたため、その問いかけを待っていたかのように話し始めた。

「ズバリ!私達が行うのは!…………」

 先輩が妙に間を開けるため、少し緊張してしまう。一体何をするんだ…。やばいことではないよね…?

 すると先輩が大きく息を吸い、

「お悩み相談アンドお悩み解決じゃい!!」と言い放った。

 ……お悩み相談?と私が首をかしげると、先輩は続けて、「プライドの高い人達に言うことを聞かせる鉄則って、なんだと思う?それはな、その人のプライドをへし折るか、恩を売るかなんだよ。多分。」

「でも部長達が悩みを持っていないかもしれない。そこでその部活の部員たちに恩を売っておくことで、部長の周りから落としていくことができるんだ。将を射んとすばまず馬を射よってね。」と言った。

「でも、そんなポンポン悩みを持ってきてくれますかね?」と西谷さんが問いかけると先輩は、大丈夫、明日には1人来るね。と自信ありげに話ていた。




 翌日の朝、学校の玄関前の告知版のようなところにボドゲ部の場所と、悩み解決をするという紙が貼ってあった。

 こんなんで効果はあるのだろうか…と思いながら放課後、ボドゲ部に行ったら昨日の職員室に入室していた生徒がいるではないか。



まずは描ききります。

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