(4)7年前の回想 ミフユ PART2
(承前)
……ミフユが小学5年生の時、高学年の子にはクラブ活動の時間があった。課外活動。ミフユは郷土研究会に入った。月2、3回集まって1時間ほど発表をしあったり次何を調べるか決めたりする。そしてグループごとで放課後に地元の事を調べたりする。去年はほどほどに熱心な先生がいて児童の自主性を重んじた面白い発表をしていたのはミフユも見ていて憧れていた。
顧問の先生は新年度にちょうど変わって新しく来られた6年生のクラスを担任している近江馨という20代後半の男性に変わった。
近江先生は去年までのやり方を変えた。ミフユにすれば計算違い。そういうのだったら入らなかったのに。
ミフユが希望した郷土研究会は16名が集まった。6年生8人、5年生8人。5年生、6年生とも各3クラスあったので1クラスあたり2〜3人というところだった。
4月下旬、最初の課外活動の日、指定された空き教室に集まった16名の5年生、6年生達を前に近江先生は会長を指名した。
「6年1組の竹田くんでいいよな?俺から連絡とかしやすいからみんなも楽なはずだ」
1組の竹田くんは言い含められていたのかそういう指名を使命だと思ったのか、
「近江先生。ボクもやりたいと思っていました!」
なんて言い出した。




