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(6)古城家 夜 PART3

(承前)


 ミフユでも学校が簡単にそういう対応を容易にする訳がない事ぐらいは見当がついた。つまりお父さんや他の親御さんがそこまで校長先生と話をつけたという事なんだろう。


「お父さん、お母さん。私は自分の過去にやった事のせいだと思う」


 改めてミフユは両親にそう切り出した。そう、それが7年も経ってから妹に跳ね返ってきた。これは私の責任だ。

そんなミフユの自責の念に対して両親はすぐ首を横に振った。守雄はゆっくりとミフユに言った。


「メッセでも書いたけど大人の側の問題だよ。お前のやった事が起こした訳じゃない」

「そうかな?」

「そうだよ、ミフユ。ミアキはミアキ自身の正しさのために先生とぶつかった。二人ともよく似てるなあって思ったよ」


ミフユはしばらくして父の言う事に頷いた。そんな長女を見た守雄は「ミアキが寝てしまう前に少し話してくるから」と言うと2階へ上がって行った。


 母親はミフユの様子を見ていた。そして右手を伸ばすとミフユの右手の上にそっと重ねた。


「ミフユはいつもその時に最前だって思った事をやる子だって分かってるから。ミアキだってユウスケくんにボール持って来てって言わなきゃ良かったとかいろいろ思っているはずだけど時計の針は逆回転したりしない。起きた事、決めた事の結果を踏まえて次によりよい選択するにはどうすべきかだけ考えて」


母親は言葉を重ねた。


「あなたもミアキも間違ったことなんかしてない。私と守雄さんの自慢の娘たちなんだから自信を持って。いい?」


ミフユは母のこの言葉にもはや頷くしかなかった。お母さんの言っている事は全て正しいと思わないけど、まず両親の言葉を信じる事から始めるしかないのだ。

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