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(4)7年前の回想 ミフユ PART4

(承前)


 研究会は4つのグループに別れた。6年生主体で会長の竹田くんがリーダーになった会長グループは近江先生の言う事はなんでも正しいと思うような子が4名集まっていた。

 この他、6年生主体の南田なんだ園美そのみさんがリーダーのグループ3人、竹田くんとはもっと距離を置いた丹波山たばやまらぶさんがリーダーの5年生、6年生半々の4名のグループが出来た。


 ミフユはというと近江先生に反発した吉川よしかわくんら5年生だけの4名グループを作る事になったがこれも一悶着あった。

グループ分けした際、県内の小学校教員の研究会が9月下旬にこの小学校で開催される予定で近江先生が勝手にそこで郷土研究会の発表会をエントリーすると決めていた話が出てきた。夏休み中も時間があるからいいだろう?という決めつけが元にあった。


「先生、私はまだ小さな妹がいて家の手伝いで面倒見てるんです。夏休みは早々に出られません」


ミフユがそう言うと近江先生は冷たくこう言い放った。


「じゃあ、古城さん、あなただけ別でやって下さい」


怒っているんだろうなと感じられたが言葉は気持ち悪いぐらい優しいふりをしていた。

その時吉川くん達5年生が5人ほど手を挙げた。


「先生、夏休みは祖父の家で過ごすのでほとんどいないんです」

「私は塾があって」


ミフユはその様子を見てすかさず立ち上がった。


「私達は夏休み前後できちんとやります。私達だけのグループでやらせて下さい。お願いします」


そして頭を下げた。吉川くん達もすぐミフユに続いた。


「お願いします!先生」


近江先生は顔を紅潮させていたけどこらえたらしい。そしてこう言った。


「古城さん、その言葉を守れなかったら責任は取ってもらいますからね」


こうしてミフユ達5年生だけのグループが認められたのだった。


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