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(1)県立中央高 放課後 PART1

 5日金曜日16時。高校3年生の古城ミフユはSHRが終わると学校の図書室へ向かった。受験勉強してから帰ろうと考えていたのだ。


 廊下を歩いていくとなんかいい香りがする。お料理研究会、今年の文化祭ではインドやパキスタンの料理を披露するらしい。ちょっと楽しみかもなんて事を考えていたら図書室へ着いた。


 閲覧席はほとんど空いていたのでよく使っているお気に入りの北側の窓際の一角に向かった。空調はこの時期換気モードで動いているはずだけど動作に不信を抱くような唸り声をかすかに立てていて空気が澱んでいた。暑いわけじゃないからいいけどさ。


 ミフユは席に座るとバッグから参考書やノート類を取り出して閲覧席の机の上に広げた。参考書に書き込みしたりしながら読み進めているとチラホラとミフユと同様の受験勉強やら下級生の一、二年生たちの宿題の調べ物の子など図書室にやってくる生徒が増えて賑わい始めた。


 15分ほどして手を止めると通風口から微かにしてくる香りから夕食に考えが飛んだ。

「ミアキは遠足で腹ペコにして帰ってくるだろうし。夕食はカレーにしようかなあ。今回は何を隠し味にしようか?……っていうかなんでカレー?」とか思いを巡らした。

 するとミフユのスマフォが振動した。ポケットから取り出して見てみるとメッセではなく電話だ。慌てて廊下に飛び出すとスクリーンをタッチして電話に出た。


「はい。ミフユです。お父さん、どうかした?」


 ミフユ、ミアキの父親はいつもより少し口調が早かった。


「小学校に行ってミアキを連れて帰って欲しいんだけど行けるかい?」


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