怒り
どうも、狩野理穂です。
本当に戦闘シーンが苦手と思い知らされる一話となっています。
勝った……のか?
山の向こうから見える朝日は明るく、俺達を祝福しているように思えた。
気が抜け、乾いた土に尻を着いた途端に大地が開いた。大地が開いたのだ。
「ケラウノス!」
ケラウノスが放電をし、俺の身体が宙に浮く。
ただ、皆は──
「うわぁぁぁ」
捕まるもののない皆は、奈落の底へ落ちていく。
〈小賢しい。本当にニンゲンは小賢しい生命体ですね〉
聞き覚えのある声がした。この声は……ガイア!
〈ニュクスなどという小童を倒してその喜びよう。あの子は先鋒。大将は残っていますよ〉
余裕ぶりやがって……!
「ガイア……質問してもいいか」
〈なんでしょう。聞いてあげます〉
「お前の中はどうなっている」
怒りに身を任せて暴れることは簡単だ。まずはユピテリアの皆の安否を確認しないと。これが弱みになっていれば、手のだし用がない。
〈さあ?私も知りません。ただ一つ言えるのが、私の中に入って出てきた者はいないことです〉
それだけ聞けば充分だ。ゼウスには悪いが、堪忍袋の緒が切れたよ。
「ケラウノス、槍になってくれ」
〈わざわざスペックを落として、何のつもりですか〉
「黙ってろ、雑魚」
嗤ってるような声色のガイアを一蹴する。俺をこんなに怒らせた代償がでかいことを思い知らせてやる。
一度高く飛び上がり、ケラウノスが纏う電磁波を解く。そのまま神の槍を上段に構える。
〈──まさか!〉
ガイアが気づいたようだが、遅い。
俺は、右手を大きく振り下ろした。
ケラウノスが浮上とは真逆の周期を持つ電磁波を発し、更にスピードが上がる。
ガイアが地面を閉じる直前、ケラウノスはそこに滑り込んだ。ギリギリセーフとでもいったところか。
意図せず異物を飲み込んだガイアは沈黙しているが、手加減をする気なんか無い。
「神器、解放」
地中で放電現象が起き、地表が消し飛ぶ。いや、地表だけでない。土塊の中に神のような姿も見える。見たことのない、土色をした女神だ。
幸いなことにも柔らかい土に落ちた俺はケラウノスを探す。
――あった。多少曲がっている気もするが、電気を感じる。
「終わったか」
一度小さな落雷がして、ゼウスが現れた。
「ああ。ガイアは消えた」
死んだ、という表現は使うべきでないと思った。
「そうか」
そう一言いうと、ゼウスは俺が渡したケラウノスを杖に戻し、天に掲げた。
次の瞬間、どこからか牛、蛇、フクロウなどの動物が集まってきた。そして、それらは神へと姿を変えた。
「足労いただき、感謝する」
ゼウスが十一の神々に挨拶をし、俺を見る。
「お前も知っての通り、此度の混乱はガイアとニュクスが起こしたものだ。取り調べたところ、へーメラは一切関わっていないらしい」
次に、フクロウから変身した女神──アテナが口を開く。
「私達は臨時のオリンポス会議を開きました。その結果、神々は引退を決しました」
驚きです。ストックを確認したところ、次話で第二部が終了のようでした。
以前から言っている通り、第三部は書き終えていません。正確に言えば、あまり手を付けていません。よって、28日に裏話を載せた後はしばらく休止する予定です。
何はともあれ、最終話投稿は12/25(火)!最後までよろしくお願いします!




