わたし
疲れ果てていた
自分の心の悲鳴すら気づけないほどに
目に映る世界が荒れ果てていることも
何にも心を燃やせないでいることも
見ないようにしていた
この心が喜びに震えるような出逢いを求めていた
生きる力 沸きあがる情熱 心の求めるままに
けれど実際はその逆で
私は疲れ果てていた 求めることすら忘れるほどに
けれどそんなときにあなたが現れた
私の人生の転機になるなんて思いもせず
それはある日突然 翼の生えた天使のように
舞い降りた
あなたは私とは対極の人だった
生きる力に溢れ 情熱を持っていた
そんなあなたの瞳に映る世界を覗いてみたい
心に描く未来を見てみたい
疲れ果てていた そんな私に
小さな望みが芽生えたのは奇跡かもしれない
心の中が砂漠になると与える力も失くしてしまう
だから欲しがる けれどあるのは一面に広がった砂漠で
求められる人すらいないことに気づく
誰もが与えられたら同じように返してくれるわけじゃない
だから時には休んで良い事を 私は知らなかった
時にひとりになって 自分のことだけを考えていいことも
自分の心の傷む声に向き合って 泣いたっていいことも
何も知らなかった
知っていたのは 与えるだけ与えて失っていく感覚すら
強がって なんともないように振る舞うことだけ
誰もが時に救いを求めていいように
自分もそうだということを諦めていた
私が手を差し出した時に 掴んでくれた人はいなかったから
ただ不満と愚痴の的のように聞くだけ
奪われていくような気力を奮い立たせて励まして
自分のことは飲み込んだ
誰もが救いを求めたら与えられるわけじゃない
だから時に休んで良い事を 私は知らなかった
疲れ果てていることすら気づかないように
自分を殺すことだけが上手くなっていく
そんな自分に気づかないように目を覆う
そんな時あなたは現れた
それは突然に遥か彼方から舞い降りた
まるで天使のように 光るように
そんなあなたに気づけたのは ほんの一握りの奇跡
あなたは私とは対極にあるような人
想うのもおこがましいほどに
けれど知っているでしょうか
何もない砂漠だと思っていた心の中で
温かくて希望のようなものが止めどなく溢れてくる
その喜びを
この感情をなんて呼ぶのか
私は今から 探しにいく
小さな舟に乗って
初めて 心から望んだことを胸に抱いて
舵は私が握る
私は自由で 私は満たされていた