6話 好みの問題
今回から慣れないパソコンからの投稿です!
ミスがあったらすみません…
sideツムギ
息が詰まるようだった。母さんから告げられた衝撃の誘いは、まだ小さい私には、あまりにも重くのしかかってくるものだったのだ。訳がわからない、というものとは違う。母さんだって、慧音さんだって、妖怪としての血を流すもの。だから、妖怪というものが分かってしまう。その苦労も、その楽しさも肌で感じているからこそ、妖怪になりたいという思いと人間のままでいたいという二つの思いが、私の中で渦巻いていた。母さんは、相変わらず何を考えているか分からない顔で、
「もちろん、すぐにとは言わないわ。今の生活も大切でしょうし。だから、決まったら私を呼びなさい。すぐに駆けつけてあげるわ。」
と。それだけを言って、消えてしまったようだ。
「待ってよ!せめて何でそんな話を出してきたのかだけでもっ…!」
私の悲痛な叫び声は、あたりの壁に吸い込まれて、そして薄れていった。
(せめて何でかくらい分かればなぁ…)
母さんが消えてから家に入ったが、当然ながら全く落ち着かなかった。まず、何でいきなりそんな話を。そして、妖怪になったら何が変わって、何が変わらずにいられるのか。さらに一番大きな問題は、このまま演奏を続けられるのか。ということ。疑問、悩み、不安、その他多くの感情が混ざり合い、気づけばもう日が落ちている時間だった。望んでもいないのに変な汗がダラダラと流れ、ふと自分の世界から離れると、心身共に摩耗しきっているような感覚に襲われてしまう。
はっ、と気づいた。そうだ。お店をずっと閉めたままだった。年中無休がモットーだったのに…と肩を落とし、こんな状況でもお店のことを考えてしまう自分が可笑しくなる。今からでも、少しだけ開けるか。と、罪滅ぼしのような気分で、私は看板を再び裏返そうとし…
そのまま、地面へと倒れ伏した。
一応の紹介
主人公 ツムギ
性別 女
年齢 13
性格 基本はおっとり。体が弱いことを気にしている。音にかける情熱は凄い。
能力 忘れられた音が流れ着く程度の能力
幻想郷内外で忘れられた音が、彼女の元に流れ込む。彼女自身分からない事が多い。