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音と幻想と  作者: まる
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1話 少女の名前は①

初投稿です。拙い文章ではありますが、楽しんでいただけたら幸いです。

side魔理沙

春の日差しを感じる。暖かく、優しいそれは、私を外へ導いているようにすら感じた。とにかく、外へ出たい気候と気分なのだ。こんな日に行くところは、二つしかない。一つは、霊夢のいる博麗神社。もう一つは……最近よく行くようになったのだが、「アイツ」のいる、人里の外れにある店。

「アイツ」のことを思い浮かべ、私は顔を綻ばせた。……とは言っても、男ではない。ただ、私は「アイツ」に惹かれているのだ。変な意味ではなく、一人の人間として。

「アイツ」のことを思い浮かべていたら、私の中で決心がついた。今日は神社で暴れるのはやめておいてやろう、と。

かくして私は飛び立つ。風を切り、日を受け、笑顔で、堂々と。

今日は、楽しい日になりそうだ。私の呟きは、風の音に掻き消されて、どことなく、消えていった。




side???

今日は、気分がいい。風も暖かく、柔らかい音を奏で、鳥の声も冬の痛々しさが嘘のように、楽しげに聞こえてくる。私は、目覚めたばかりの頭を振るい、友達であり、商売道具でもあるものの確認のために、自分の家を見渡した。

どうやら、私の友達も、今日はいい日だと思っているらしく、調子が良さげである。私は自然と笑みを作り、ゆっくりと、噛み締めるように、自分の家の看板を裏返した。「CLOSE」と、静かに書かれた文字は裏へ、そして、元気よく、嬉しそうに書かれた「OPEN」がよく見えるように。

忘れられた音を届ける店。「奏」は、今日もまた、いつも通りに開かれた。

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