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3話 なぜ、私は闘わなければならないのか?~複雑な天使と悪魔の囁き~

 ゆかりの心理的な闘いが始まったのは午後の数学の授業の時だった。

「ねぇ、ベル……。私の代わりに数学の授業、受けてくれない? 私、寝てるから」

「駄目だ!」

 ベルは小声で叫び、一旦言葉を切った。引き続き小声で……。

「ゆかりにいっておくの忘れてた……。俺に操られてる間、人格崩壊が………」

「えっ? 『人格崩壊』って何?」

「後々分かる……。だから、寝るな」

「ハイ」

 という流れで、数学の授業が始まった。


 数分後……。

 ベルはゆかりの制服のポケットの中である異変を感じた。

「うわっ!」

「ゆかり?」

「どうした?」

 ベルとクラス全員と数学担当の玉川先生が反応した。

 ゆかりはゆかりではなくなっていた。誰かに洗脳されたかのように別人になっていた。

 元から大人びた雰囲気の彼女が更に大人びたように感じた。これが先程ベルがいっていた『人格崩壊』というものだろう。

「うふふ……。?(シグマ)……」

 ゆかりはアルトボイスでいった。

「きゃーっ!」

「ぎゃーっ!」

「止めてくれ〜!」

 ゆかりのクラスは大騒ぎ。彼女は人を敵に回す魔術である?を使い、更に……。

「θ(シータ)!」

 時間を止める魔術のθも使った。ハイ、クラス全員と玉川先生は時間静止中。


 数分後……。

「ゆかり?」

 ベルは等身大になってゆかりを抱いていた。

「……。ベル……?」

「よかった……。俺のこと……覚えていて……くれて……」

 ゆかりは正規に戻った。彼女は静かにこういった。

「何かね……ベル以外の人に操られてる気がするの……」

 彼は静かにいった。

「これがさっきいってた『人格崩壊』というやつだ。これからもずっとそれが行われる可能性は高い……。常に冷静にしていれば大丈夫だ」

「それを止める魔術はないの?」

「それは……分からない……」

「ベルが分からないほど複雑な魔術なの?」

「あぁ。俺も覚えるのにかなりの時間がかかった」

「そうなんだ……。(実はベルが……好き……。)」

「……?(ゆかり、どうしたんだ……? うっ……。なんなんだ……この気持ち……。)じゃあ、時間を進める魔術を教えてあげようか?」

「うん」

(誰か、教えて……この気持ちの真相………。)

(俺も教えてほしい。そして、伝えたい……。今の俺の気持ちを……。)

(なんでだろう……。私の思いが溢れてくる……。)

(その溢れた思いが俺の思いとして、受け入れてくれ……。)

(どうか、あなた(君)の心に伝わって……。)


 複雑な2人の思い……。2人の思いはお互いの心に伝わるのだろうか?



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