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雨の日の少女

作者: 土嶺菊

初めて君と会ったのはある梅雨の日だった。


雨の中傘もささずにベンチに座っていた。

傘をさしてあげようとするとなぜかとても嫌がったのでやめた。だから僕は

何してるの?傘は?家は?寒くない?

矢継ぎ早に質問した。君はか細い声で

「答えられない。」

そう言った。何か一つでも知りたかった僕は名前を聞いた。

君はレイそう名乗った。

良い名前だね、そう言うと君は悲しそうに笑った。


次の日も雨だった。

傘をさしながら行くと君は昨日と全く同じ場所にいた。レイちゃんと呼ぶとこっちを見て、驚いたように目を開いた。どうして驚いたのか僕には分からなかった。

昨日と同じようにたくさんの質問をした。返事は決まって

「答えられない。」

だったけど、僕は君と話せるだけでとても楽しかった。そのうち僕は君にたくさん何の関係もないことを話した。初めの方は何も言わなかったけど笑いながら話を聞いてくれるようになった。たったそれだけのことがうれしくてしょうがなかった。

相も変わらず君は傘を嫌がった。体が濡れるよ?何度そう言っても頑として傘をささなかった。そのうち僕は傘のことを言わなくなった。


初めて会った時から何日過ぎた頃からだろう。君がいない時が多くなった。いない時は決まって晴れた日だった。会った時にどこに行ってたの?って聞いても君は答えてくれなかった。何で教えてくれないの?って聞いたら君は教えたら会えなくなる。そう答えた。意味はよく分からなかったけど、君に会えなくなるのは嫌だからそれ以上は何も言わなかった。


夏が来た。君とはめっきり会わなくなった。僕は何度も泣いた、うそつきって。だって、どこに行ってたか聞かなかったのに会えなくなっちゃったから。


それから何日もたった雨の日。もしかしたらそう思っていくと君はいた。君は何も変わっていなかった。

一つだけ違ったのは帰る時にいつもは言わないバイバイを言ったことだった。


それから僕は一度も君に会えなくなり初めこそは覚えていたけど、いつの間にか忘れていった。ある雨の日僕は何の気もなしにあそこに行った。君はいなかったけど、僕は君との思い出を鮮明に思い出していた。レイちゃん僕は君の名前を聞き間違っていたんだね。あの時君は本当はこういった。

「…Rainレイン。」

僕の耳には‶レイ”そう聞こえたみたいだけど。だから、君は雨の時しか出てこなかったんだね。いや、出てこれなかった。あの時驚いた理由は今でも分からないんだけどね。

ねぇ、レイちゃん今君はどこにいるのか分からないけれどあの時ずっと言いたかったんだ。


「レイちゃん、僕は君のことが好きです。」


って。

思い立って書いてみたものですが、分かりやすく書けていたでしょうか。


何かありましたらご指摘などお願いします。

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