第52話 キレたり褒めたり
美少女ペア☆ホワイトシュシュのなずなちゃんとかすみちゃんによる、誉め殺し作戦が開始された。
異星人相手にもなずなちゃんとかすみちゃんの褒め上手っぷりは発揮されるのだろうか。
最初に東側アルファ部隊にいる、なずなちゃんが褒め始める。
「ギアナギアさん、大っきくて怖ーい! 強すぎー、地球人ではかなわなーい」
続いて西側ベータ部隊にいる、かすみちゃん。
「ギアナギアさんのエネルギー弾、大っきくてすごーい。強すぎー、殺されちゃうー」
二人とも少し棒読みのような気もするが、効果はどうだろうか。
――効果はあった。
なずなちゃんとかすみちゃんが褒めたあと、ギアナギア完全体の放つエネルギー弾が小さくなった。
グラニットは下等種が恐れ慄いていると思って満足したようだ。
それを見て戦車大隊が砲撃を開始。
大量に発射されたアストラル砲弾が、次々とギアナギア完全体に命中する。そのうちの一発が、ギアナギア完全体の左胸の辺りに着弾した。
『痛ってぇな! コノヤロウ! 下等種どもがッッ!』
戦車大隊の攻撃によりグラニットが再びキレて、ギアナギア完全体が発射するエネルギー弾の威力が増す。
その度に、
「きゃー、すごーい、こわーい」
「強すぎー、やめてー、こわーい」
なずなちゃんとかすみちゃんが白い光の盾で戦車大隊を防衛しつつ、誉め殺しでグラニットを落ち着かせる。
なずなちゃんとかすみちゃんに守られた戦車大隊。
戦車大隊はアストラル砲弾を執拗に撃ち込み続けるのだが、さすがは巨大兵器ギアナギア完全体だ。
前回のギアナギア戦のときのように、上手くはいかない。
『ギャハハハハハッ! 無駄無駄無駄ァァッッ! 俺は不死身で天才のグラニットで巨大兵器ギアナギア完全体だぁぁぁッッ!』
ギアナギア完全体はエネルギー弾を撃ちまくり、周囲を破壊しまくっている。
反対に戦車大隊がいくら攻撃を続けても、ギアナギア完全体にダメージを与えることができないでいる。
徐々に均衡が崩れて、ギアナギア完全体の優勢が強まっていく。
そこへきて、さらに状況が悪化する。
『つーか、お前らぁぁあ、天才グラニット様をちょっとバカにしてねぇかぁぁぁ!? 下等種のくされビッチどもがぁ、ぶっ殺すッッ!!」
誉め殺し作戦に、ついにグラニットが気がついた。
完全にキレたグラニット。
その増大した殺意により、さらにパワーアップするギアナギア完全体。
ギアナギア完全体が巨大なエネルギー弾を発射しながら暴れまくる。
あたり一面が爆炎に包まれる。
ここまでよく頑張ってくれたけど、なずなちゃんとかすみちゃん、それに戦車大隊も限界だろう。
そして、このまま巨大兵器ギアナギア完全体に、山間の防衛ラインを抜けられてしまうと、隣の市街地にまで甚大な被害が及んでしまう。
そこで五人の俺は権藤部隊長に志願する。
最初にリーダーになった俺レッドが発言する。
「もう十分に力は溜まっています。オレンジャーズが行きますよ」
その言葉を聞いた権藤部隊長が、五人の俺を見て確認する。
「オレンジャーズ、見ての通り敵は強い。接近するだけでも困難だぞ」
権藤部隊長の問いに、俺ブラックが返答する。
「ギアナギア完全体はオレンジャーズにしか倒せませんよ」
さらに俺イエロー、俺ピンクも続く。
「特訓してきた新技もありますし、全力で頑張ってきます」
「これ以上の犠牲は見たくないですし、任せてください」
そう言って四人の俺が俺を見る。
この雰囲気。
先日のオレンジャーズ会議で提案された俺に力を集約する技で仕留めようということだろう。
練習のときは、まだ威力が貧弱で、俺としては自信がないのだが、ここは覚悟を決めてやるしかない。
俺としても、これ以上、ギアナギア完全体の侵攻は許せない。
「ですね。やってやりましょう」
俺の言葉を聞いた権藤部隊長が少しの沈黙のあと、指示を出す。
「……そうだな、少しでもギアナギア完全体を弱らせたあと、お前たちを使いたかったんだがな。すまんな、オレンジャーズ。難敵だが、あとを頼めるか。ギアナギア完全体の侵攻を止めてくれ!」
ここまで無傷、最強の敵である巨大兵器ギアナギア完全体に、五人の俺が立ち向かう。
◇◇◇
分身戦隊オレンジャーズ!
地球から悪が滅びるその日まで、オレンジャーズの五人は力を合わせて戦い続ける!
力を合わせると言っても、もともと全員、俺なんだが。
つづく!




