プロローグについて(1)
頑張って書いていきます!メインは戦闘、MMORPG、ラブコメ色々な要素があります!
......ブックマークしてくれたら喜びの舞
幼馴染の、宮城悠凪が神隠しにあった。
実際、現場を見るまでは俺自身も『何だ神隠しって』と心底信じられないでいた。
その日は、ぽつぽつと雨が降り続ける金曜だった。
俺たちは強豪の剣道部に所属していて、日々練習に励んでいるところであった。中学二年の六月で全国大会に出場できるほどの実力を持っていたのは、俺と悠凪の二人だけだった。
ちょうど、しとしと降る雨が一時的に止んだ頃合いを見て、悠凪は外に出た。まだ灰色の雲がかかる道場外に率先して出たのは、上下関係の厳しい部内では二年以下はなるべく上級生の邪魔をしないよう練習をすることーーーとりわけ、三年の引退試合が近いこの梅雨の時期においてはーーーという暗黙の了解が甚く機能していたからだった。
艶のある黒髪を、空からぽたぽた滴り落ちる、ごく僅かな雨から守り、じめじめとした屋外の湿度のもたらす汗をも拭き取るハンドタオルを頭に被った悠凪は、友人と連れ立って道場裏口に回りーーー
と、ここまでが雲隠れする直前の悠凪の様子である。
この直後、離れにある倉庫へ向かった悠凪はその姿を忽然と消した。
ただ、奇妙だったのは悠凪が携行していたキャラもののハンドタオルのみが、倉庫に残されていたーーーということだ。もちろん『落っこちていた』ということ自体に不思議さを感じた訳では断じてない。
ーーー奇妙だったのはタオル上に【HP 35/268】というポップアップのようなモノが表示されたように見えた、ということだった。恐らく.........いや間違いなく、幼馴染の失踪という事態に突然立ち会わされた俺の混乱した脳が発生させた幻覚であろう、とは思う。
しかし、いやに鮮明に見えたのだ。その不可思議な表示が。
結局その後は大騒ぎになった訳だが、三ヶ月経過した現在でも、悠凪の姿は確認されていない。
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