俺は何もやっていない!
こんにちは!麦畑だよー(^O^)
さてさて。異世界ラブです。何故異世界かって?…コンテストのためだよ☆
ーグレートブリテン及び北アイルランド連合王国。
俺の口から、記憶していない国の名前が出てきた。語弊を招きそうなので訂正しておくが、別にこの国を知らないわけではない。要するに、世界地図に載ってる北の方の地域の総称だろう?アイルランドとか言ってたし、多分あの辺りのはずだ。
「君。どうして、イギリスの正式名称を発したのかな…?」
目の前の男がドン引きしている。それはもう、脈絡も突拍子もなくポロッと出た言葉だから、言った俺自身も引いている。というか、すみません。普通にイギリスでした。
さて。心の声というやつをミキサーにかけてとろみのあるペースト状の液体にすると、存外趣深い語彙が発見できることがある。これは、つい最近知ったことなのだが、勿論デメリットもある。それは、本人でも話した瞬間は言ってる意味がよく分からないことだ。
何が言いたいかって?
結論。今の俺の精神は臨界状態にある、ということだ。
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「コンゴ民主共和国、中華人民共和国、南アフリカ共和国…」
「なあ。今度は共和国縛りでもかけているのか?」
彼と向き合っている刑事の男は怯えながら、黙々と尋問の記録を執り続ける刑務官の男に話しかけた。彼というのは、先程から何処かしらの国名を羅列している男のことだ。身なりはわりと整っていて、一般企業の営業マンという感じ。スーツ姿に一風変わったネクタイをしている。どんな風に変わっているか、と聞かれると答えにくいので、そこは想像に任せることにする。大体、想像したものがそのまま答えになるはずだ。
この尋問室には、容疑者を含めて3人の人間がいる。ちなみに、全員男だ。これに関しては、きちんとした理由がある。
それは、容疑者の男が過度な女性恐怖症だからだ。
事の発端は尋問2日目の朝。尋問室に到着した容疑者が取り調べ役の警察官の女性を見た瞬間に気絶してしまったのだ。その後も女性の姿を見ただけで全身が痙攣を起こしたので、彼の周囲を全員男性で固める他なかった。
「気にするだけ無駄だと思うぞ。勾留3日目でこの調子だからな。」
「しかし、どうすれば。ずっとこの調子では流石に…。」
警官の男は真剣に考え込むが、だからといって解決策が浮かぶわけでもない。刑務官に至っては既にお手上げといった様子だ。
「どうしようもないな。だが、こちらも立場がある。記録さえあれば良い。取り繕いで構わないさ。」
とうとうこんなことまで言い出した。しかし、警察官からしてみれば好都合な発言でもあった。監視兼記録係がわざわざサボる口実をくれたからだ。元々、上からの圧力で無理矢理尋問しているだけなので彼らには事件解決への熱はなかった。
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「くそっ!アイツら、起訴も解放もしないのかよ。」
スーツの営業マンー円居誠は動きのないこの生活に苛立ちを募らせていた。
現在、彼はかなり理不尽な目に遭っている。仕事帰りに何故か警察に逮捕されて勾留期間中にあるのだが、そもそも何の罪状で逮捕されているのかが一切不明なのである。
罪状を聞いてもはぐらかされる上に、罪を犯してないと否定しても詰め寄られる。
(まったく。どうすればいいんだよ…?)
何故、そこまでして早く解放されたいのか。それは、近日中に大事なプレゼンが控えているからだ。アレが成功するか否かで今後の存続が左右されるといっても過言ではない。だからこそ、警察ごときに何の否もなく捕まってるわけにはいかないのだ。
突然逮捕されて混乱していたこともあり、初日は「何だか知らないけど、俺はやっていない!」という言葉しか出てこなかった。まあ、ここまでは良かったのだが、問題はここからだった。
尋問が一旦お開きになり、留置所に連れて行かれた時のこと。留置所への扉を開けて中に入れられたところ、そこには日本ではありえないくらいの広大な自然が広がっていた。そして、目の前にそびえ立つのは中世ヨーロッパを彷彿とさせる煉瓦仕立ての古い要塞だった。
「…は?」
神様。俺は、悪い夢でもみているのでしょうか。
ギャグ要素たっぷりのラブコメです。ゲームっぽく複数エンドにしようと思ってるんだ。