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ある穏やから天気のお昼過ぎ。
つなはぐっすりと安心した顔で眠っているりんを見ながら、優しい顔でにっこりと笑った。
それからつなは大きなあくびをした。(なんだか、とっても眠かった)
それからとってもいいお天気の青色の空を見上げる。
りんと初めて出会った日も、こんな風にとっても見事な青色の空が広がっていた。
本当にりんと出会ってから、毎日が忙しくて、あっという間で、楽しくて、そして、なによりもとっても幸せで仕方がなかった。
……、りん。
本当にありがとう。
私と出会ってくれて。
こんなにだめな私とこんな風にずっと一緒にいてくれて。
……、私の命を助けてくれて。
つなは青色の空を見ながらりんと出会った日のことを思い出した。
あの日、つなは『あのままこの世界から、いなくなってしまう』つもりだった。
もういろんなことがどうでもよくなってしまったし、私にはこの世界で生きている価値なんてなにもないのだと、そんなことをぼんやりと青色の空を見ながらつなは考えていた。
……、そんなときに、つなはりんと出会った。
『あの、なにをみているんですか?』
あのときのりんの言葉を、振り返ったときに見た、りんのことを。つなは絶対に生涯忘れないだろうと思った。
(あのとき、私は本当になにを見ていたのだろう? りんと出会わなければ、私はあのまま、どこに消えてしまっていたのだろう? と思った)
「つなさん」
とりんが寝言でつなの名前を呼んでくれた。
それだけで、つなは泣き出しそうになってしまった。(でも、涙はちゃんと我慢した。りんの前では、できるだけ笑って過ごそうと決めていたからだった)
つなは眠っているりんのほっぺたにそっとキスをした。
「りん。ありがとう。愛してる」
とにっこりと笑って、つなは言った。
つなはいつか私は、本当のりんのお母さんになれるだろうか、と思った。なってみたい。ううん。なってみせる。とそう思った。
だってそれが、今の私の一番大切な夢なのだから。
大人になったりんのことを見ることが、つなの一番の楽しみなのだから。