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大きな星を見ると、私は戸惑ってしまうことがある。夢を見ている星。輝いている星を見ると、なんだか胸が痛くなってしまうことがあった。それはどうしてだろう? と、そんなことを考えてみる。
それは私が小さな星だからだろうか? それとも夢を見ることを忘れてしまった星だからなのだろうか? あるいは、私は大きくなりたいって思っているのだろうか? 動きだしたいと思ってうずうずしているのだろうか? もっと、もっと、輝きたいって思っているのだろうか? 力強く、命の限り、ただ全力で。燃えていたい。輝きたいって今もまだそんな子供みたいなことを心の中で思っているのだろうか?
りんはとても元気な子猫だった。
いつも元気で、明るくて、いろんなことをつなにお話ししたり、聞いたりしていた。白くて綺麗な毛並みが、いつも太陽の光りをうけて、きらきらと輝いていた。緑色の世界に吹く風に、いつも愛されているみたいだった。
「つなさんはすごくあったかいです」とりんは小さな体をつなにぎゅっとくっつけてうれしそうな顔で言った。
「別に普通だよ。むしろ冷たいって言われたことのほうが多いかもしれないくらい」とりんを見て、つなは言った。
ふとっちょのつなは地面の上に座り込んで、(動くことが、めんどくさそうにして)じっとしている。(まるで大きなお饅頭みたいだった)
つなは、ぼろぼろで、くたびれた焦げ茶色の毛並みをしている。(ひげも元気がなく、たれている)
でも、なんだかそんなつなにりんが自分の元気をわけてくれるみたいだった。
「そうなんですか? ぜんぜんそんなことないですよ」とりんは言った。(それからまた、りんはぎゅっとつなの体に自分の小さな体を押し付けるようにして、はしゃぎながら、くっつけた)
でも、ある夜の日にきゅうにりんは、つなに「つなさん。わたしはこれから絶対にわがままをいいません。つなさんを怒らせるようなこともいいません。もし言ってしまったら、注意をしてくれたら、それからは絶対にいいません。迷惑もかけません。うるさくもしません。おてつだいもします。ずっといい子でいます。だからこれからも、ずっとこんな風につなさんのそばにいさせてください。ずっと、ずっとです。わたしがこの世界にいる間、ずっと、つなさんのそばにいさせてください」と言った。
そのりんの言葉を聞いて、これから寝ようとしていたつなはとても驚いた。
りんは、今にも泣きだしそうな、そんな年相応のまるで、お母さんとはぐれてしまって、迷子になってしまった、ひとりぼっちの小さな子供みたいな顔をしていた。それからりんはずっと黙っていて、じっとつなの顔を見ながら、つなのお返事を待っていた。
そんなりんにつなは「わかった。いいよ。ずっと一緒にいましょう」と言った。(もともと、つなはそのつもりだった)すると、そのつなの言葉を聞いて、りんの大きくて美しい宝石みたいな青色の瞳から、ぽろっと一滴の大きくて透明な涙が零れ落ちた。そのとても純粋な(それはきっと、つながずいぶんと前に失ってしまったものだった)涙を見て、つなは、なんて、美しいんだろう。とっても綺麗、とそんなことを思ってしまった。
りんはぽろぽろとたくさんの涙をこぼして、声を出さないようにして、静かに泣いた。(つなのとなりで眠りにつくまで)