2 おばけの猫
おばけの猫
それから、偶然青色の空の下で出会った、ひとりぼっち同士だった二人は一緒に生きていくことにした。
つなはずっと前からひとりぼっちで生きてきたし、女の子の子猫も、ひとりぼっちだったから、……、まあ、ちょうどいいのかな? と思った。(今、思い返してみると、一人が気に入っていた私が、どうしてそんなことをそのときに思ったのか、不思議ではあったけど)
女の子の子猫に「私と一緒にいる?」と聞くと、その綺麗な青色の瞳をみるみると、大きくして、「え? いいんですか?」と少し大きな声で、女の子の子猫はそう言った。
「うん。いいよ」とつなが言うと、女の子の子猫は本当に嬉しそうな顔をして、「はい! 一緒にいます!」とつなに言った。(それからその小さな体を寄せるようにして、私に甘えてきた。うん。素直で、とってもかわいい)
二人はゆっくりと歩いて、緑色の草むらの中を移動した。
世界には優しい風が吹いていて、その風に小さな白い花が揺れている。(なんだか幸せそうに笑っているみたいだった)
「私の顏。怖いでしょ? おばけみたいで」と冗談を言うみたいな明るい顔で、つなは言った。
「そんなことありませんよ。ぜんぜん、こわくありません」とつなの顔を見て、にっこりと笑って、女の子の子猫は言った。
「あなたの名前はなんていうの?」とつなは言った。
すると女の子の子猫は、「はい。わたしは、『りん』って言います」とつなを見て、嬉しそうな顔で、自分の名前を教えてくれた。
「りん。りんか。あなたはりんなのね」とふふっと笑って、つなは言った。
「はい。わたしはりんです」となんだか嬉しそうな顔で、りんは言った。
「私は『つな』よ。よろしくね、りん」とつなは言った。
「はい。つなさん。これからよろしくお願いします」とつなをみて、また、にっこりと本当に幸せそうな顔で笑って、りんは言った。